1.3
足取りが軽かった。ずっと胸を圧迫していた重さが、夜の空気と一緒に持ち上がったかのように。心臓はまだ速く打っている。だが今度は恐怖からじゃない。遅れてやってきた安堵のせいだ。
最大の目的は果たした。
ヴェラリン・シルバークラウンは生きている。
学院の大広間から離れる一歩一歩が、その事実を確かなものにしていく。さっきまで部屋を満たしていた音楽と笑い声はもうかすかにしか聞こえない。やがてそれも消え、夜の静寂と冷たい風だけが肌に触れた。
満足していいはずだ。いや、喜んでいいくらいだ。
だが一つだけ、気になることがあった。
背後に、もう一つの足音がある。
静かで。規則的で。急いでいない。
ちらりと振り返った。
衛兵じゃない。
貴族でもない。
さっきまで王国中の前で命を奪われかけていた、銀髪の女だった。
今夜死ぬはずだった女が、俺の後ろを歩いている。手枷もない。護衛もない。一言も発さずに。
胸がわずかに締まった。
ついてこいとは言っていない。
来るなとも言っていない。
だが彼女が俺の後ろを歩いているという事実が、うまく説明できない種類の緊張を生んでいた。学院の庭を抜け、街灯に照らされた外の通路に出ても、俺たちの距離は縮まりも広がりもしなかった。
なぜついてくるんだ?
その疑問が頭の中でぐるぐると回り、どんどん気になってくる。結局、俺が先に折れた。
足を止めて、振り返った。
彼女も立ち止まった。
しばらくの間、俺たちは街灯の下で向かい合って立っていた。鉄柱に埋め込まれた魔石が放つ、柔らかい青白い光が足元の小道を照らしている。
その光が銀の髪に反射して、彼女をほとんど現実離れしたものに見せていた。まるでたった今死の淵から戻ってきた人間ではなく、夜そのものの一部であるかのように。
唾を飲み込み、思い切って近づいた。
距離が縮まるにつれて、顔がはっきりと見えてくる。青白く、疲れ切っている。だがそこには、言葉にしにくい芯の強さが残っていた。目はまだ冷たい。だが空っぽではない。静かな警戒心で満ちていると言った方が正しい。
そして気づいた。
彼女は俺を怖がっていない。
むしろ緊張しているのは俺の方だ。
「あの......何か言いたいことが?」ようやく口を開いた。思ったより声が小さかった。
「なぜ?」
その一言がぽつりと落ちた。怒りの色はない。過剰な感情もない。むしろそうだからこそ、胸が少し苦しくなった。
「え?」反射的に答えた。完全に不意を突かれていた。
ヴェラリンがわずかに顔を上げた。魔石の光の下で、あの淡い瞳が真っ直ぐ俺を見つめている。
「なぜ私を助けたの」静かに繰り返した。「私のような女を」
声に憎しみはなかった。
感謝もなかった。
あるのは、正直な困惑だけだった。
その問いに、少しの間黙った。作り物に聞こえない答えを探している。俺はヒーローじゃない。高潔な人間を気取るつもりもない。
「多分......あの状況が、どう考えてもおかしかったから」ようやくそう答えた。
ヴェラリンはさらに困惑した様子だった。眉がほんのわずかに寄る。ほとんど見えないくらいの小さな表情の変化。まるで、自分にとってまったく馴染みのない視点を理解しようとしているかのように。
俺は小さく息を吐き、勇気が蒸発する前に続けた。
「君は最高の成績を出すために必死で努力してきた」と言った。「倒れるまで魔法を鍛えて、王国の政治を学んで、貴族としての振る舞いを守り続けて。全部、たった一人のためにやってきた」
彼女がまだ聞いているか確かめるように、目を合わせた。
「なのに婚約はあっさり破棄された」続けた。「説明もなく。弁明の機会もなく。それどころか、その場で処刑しようとした」
その言葉が夜の空気の中に浮かんだ。
ヴェラリンがわずかにうつむいた。銀の髪が風に揺れ、顔の半分を隠す。一瞬、否定するか反論するかと思った。
だが彼女はそうしなかった。
「......私のことを、知りすぎている」ようやくそう言った。声は相変わらず平坦だが、ほとんど聞き取れないほどかすかな震えがあった。
俺は苦笑した。
「そりゃ知ってるさ」頬をかきながら答えた。「君は学院で一番有名な人だったからな。魔法の天才、成績トップ、元王妃候補。君のことを聞かずにいる方が難しい」
「元王妃候補」彼女が短く訂正した。
「ああ、そうだ。元、だな」慌てて言った。「つまり、もうその肩書きは無効だ。君がふさわしくないからじゃなくて、状況がめちゃくちゃだったからだ」
彼女がじっとこちらを見た。
すぐにもっと説明しなきゃいけない気持ちにさせられる視線だった。
「ストーカーじゃないからな」慌てて付け加えた。「もしそう思ってるなら」
「ふん」小さく鼻を鳴らした。「たまたま通りかかった人にしては、知りすぎている」
「耳がいいんだ」とっさに返した。
「ストーカーがよく使う言い訳ね」淡々と言った。
「とんでもなく上品に冤罪をかけられてるんだが」焦りながら答えた。
ヴェラリンは何も言わなかった。ただ、さっきよりも少しだけ長く俺を見つめていた。まるで、俺が本気なのかただの変人なのか見定めているかのように。
再び沈黙が降りた。
気まずくはない。だが心地よくもない。長い夜の余韻が残る、緊張感の混じった静けさだった。
俺は小さく咳払いをして視線をそらし、自分の心拍を落ち着かせようとした。夜風がそよぎ、頭上の魔石灯がかすかに揺れた。
ヴェラリンが一歩、近づいた。
そして、まるでこの世界で最も当たり前の質問であるかのような穏やかさで、口を開いた。
「それで」夜の静寂を破って言った。「どこへ行くの?」
シンプルな問いだった。シンプルすぎて、俺は数秒間固まった。
「は?」反射的に振り返った。「俺と......一緒に来るつもりなのか?」
彼女がわずかに首を傾げた。銀の髪がその動きに合わせてさらりと揺れる。表情は変わらず穏やかで、余計な感情はほとんどない。
「命を救ってもらった」平坦に答えた。「恩を返そうと思うのは、おかしなことではないでしょう」
その答えに、ますます混乱した。
後頭部をかきながら、自分の考えを整理しようとする。正直に言えば、ここまで先のことは考えていなかった。最初からずっと頭にあったのは、たった一つのシンプルなことだけだ。
彼女を助けること。
その先は、白紙だった。
だがこうして目の前に立つ彼女を見ていると、一人で、帰る場所もなく、胸の奥に重いものが生まれた。同情じゃない。無視できない心配、とでも言うべきものだ。
もしヴェラリンが俺のそばにいるなら、少なくとも安全だとわかる。少なくとも毎晩ベッドに横たわりながら、この女がまだ生きているのか、それとも王国の政治ゲームの次の犠牲者になったのか、考えずに済む。
「......実は行く場所ならある」少し迷ってから言った。「家がある。それなりに広くて、ここからそう遠くもない」
少し間を置いてから、もっと静かな声で付け加えた。「でも、本当に俺についてくるのか?」
ヴェラリンはしばらくこちらを見つめ、それから小さくうなずいた。
「問題ない」迷いなく答えた。
すべてを失ったばかりの人間にしては、あまりにも静かな返事だった。
俺は数秒間彼女を見つめ、それから静かに息を吐いた。
「なら」と言った。「ついてきてくれ」
俺たちは魔石灯に照らされた夜道を並んで歩き始めた。会話はない。大きな約束もない。それぞれ何かを失った二人が、この先に何が待っているかもわからないまま、同じ方向へ歩いているだけだ。
だがこの世界に生まれて以来初めて、俺の足取りは一人じゃなかった。




