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最終章(2) お飾り妻じゃない私とその涙
本文
「・・・・アリーナ」
「はい」
「・・・・ここでまだ働いて良いと言ったら、アリーナは、働くのか?」
「え・・・・?」
自分がハロルド様に何を言われているのか分かりませんでした。
・・・・私は、また、ここで働けるのでしょうか?
大好きな、店長さんやリンゼイさんと一緒に、このお店で。
・・・・お飾り妻ではない、愛されている私が?
「ハル?・・・・それ、何言ってるのかわかってる?」
エリオット様が、怒ったようにハロルド様に言っていました。
「・・・・働きたいです」
「アリーナ様っ!」
「奥さん、駄目だよ、そんなの」
「メイさん・・・・」
「けど、皆さんにこれ以上、迷惑をかけるわけにいかないので、働きません」
私が、いつか死んでしまうお飾り妻の、今までと何も変わらない女の子なら、ここで働きたいと思ったでしょう。
でも、今は違う。
愛してくれる人がいる。私のことを大切にしてくれる人達がいる。
そんな中で、自ら危ないところにはいけなかった。
「・・・・メイさん」
「店長さん、リンゼイさん、色々嘘をついていてすみませんでした。今までありがとう。とっても、楽しかった」
はじめのうちは普通に話せていたのに、途中から、涙があふれてしまった。
そんな私の背中を、さりげなくハロルド様がさすってくれたことが嬉しくて、さらに涙が溢れてしまったことは内緒です。




