88編入組の課題
シオン視点です。
波乱に満ちた試験は、終了した。
結論から言うと、私は無事に赤点を回避した。
白蓮も当然クリアしていたが、紅蓮だけあと一点足りなかった。
「終わった……俺はなんて情けないやつなんだ……」
「ぐ、ぐれん……」
「桜、すみれ。こいつがバカでアホで情けないことは事実よ。フォローしなくていい」
「あはは……。ま、まあ、紅蓮はちゃんと勉強して頑張っていたよ?その頑張りだけでも褒めてあげて欲しいな」
「白蓮、あなたが甘やかすからこうなったのでは?まさかケアレスミスで点を落とすなんて、見直しをしたらカバーできた話でしょ?」
「うっ……はい……」
「……」
柊の指摘に、誰も反論などできなかった。勿論……赤点をギリギリ回避した私も口など挟まない。
ピンポンパンポーン…
『生徒の呼び出しをします。紅蓮、白蓮、シオンの三名は、至急理事長室に来てください。繰り返し連絡します。』
「あっ」
「絶対テストの話のお叱りじゃん〜」
「紅蓮」
「……はいはい、行きますってば」
嫌々立ち上がる紅蓮に一声かけ、私たち3人は理事長室に向かった。
「紅蓮くん……」
「はい」
紅蓮自身は大学になると怯えているようだが、おそらくそうならないだろう。
理事長は、多分ーー。
「まあ、こうなるって分かってたからさ〜あんまり気にしないで〜〜」
「はあああああ!?」
横に立つ白蓮もあまり動揺していないので、彼もこの展開を予想していたのだろう。
理事長は、今回の間で私たちの生活態度を見定め、そして次の白ユリ団研修で私たちの戦闘能力を確認したいのだろう。……まあ、敵なんだしこれぐらい当たり前だ。というかもっと監視しなくていいのか心配になる。
「君たち三人は連帯責任として、次の白研で実技試験を受けてもらう」
「実技試験?」
「グループ分けは見ただろう?君たち三人は同じチームのはずだ」
「はい…」
つまり、最初からこの実技試験を受けさせるために、この三人を集めていたのか。
「実技試験といっても、君たちにとっては簡単だ。ただ、試験官でもある団員の指令を聞き、実行し、慈善活動に従事すればいい」
「え?それだけ?」
てっきりもっと無理難題を押し付けられると思っていたので、拍子抜けだ。
「君たちにはグループで戦うことを学び、この白ユリに住む人々をよく知って欲しいだけだ」
「それって……」
「将来的に、君たち三人はここで生きていくことになるんだろ?まずはこの国のことを知って欲しいっていう私のエゴだよ。あまり深く考えないでくれ」
「っ…」
ーー私は違う!!
と反論したかったが、理事長の視線と白蓮の手で止められた。
私は。私は……。
今夜、もう一つ投稿します。




