宣戦布告
今回は修羅場回です。
「優斗さん、真奈さんは今日学校に行きますか?」
「え?真奈なら今日は仕事ないって言ってたけど・・・」
「そうですか。わかりました」
ここ数日、私は優斗さんと2人で学校に登校している。とはいえ、理佐ちゃんと美穂ちゃんもすぐ後ろで歩いているので、憧れの先輩と一緒に登校できるという・・・という雰囲気になれるかどうかは微妙なんだけど。
「先輩、花のこと異性として見ていないよね・・・」(理佐ちゃん)
「あー、確かに。先輩、真奈さん一筋っぽいし、花ちゃんかわいそう・・・」(美穂ちゃん)
うわっ、聞こえてるよ。これ優斗さんまで聞こえるパターンだよ・・・と言いたいところだったが、優斗さんは音楽を聴いていたのか聞こえなかったようだ。・・・先輩、登校中に音楽聴くのは危なすぎます。
学校に着くと優斗さんとは別れた。んでもって、理佐ちゃんと美穂ちゃんと一緒になる。
「あんなトップアイドルが彼女なんでしょ?花、勝ち目ないって」
「それでもずっと好きなんだもん・・・理佐ちゃんだって好きな人いるでしょ?」
「私?好きな人なんていないって。だいたい私、恋愛興味ないし」
「もうデートがスクープされてそのまま別れるってパターンしか期待できないよね」
「やめてよ美穂ちゃん!そんなことが起きたら先輩まで飛び火しちゃう・・・」
「あーだから花はダメなんだよ。諦め悪い性格のくせに、自分でその主張を言うほどしてこないし」
「花ちゃんがそんな風じゃ、一生その王子様が振り向いてくれないよ?」
「だって先輩と真奈さんのカップル、もう隙がないくらい完璧なんだもん・・・悔しいけど、これは事実」
「そんなもん、最後まで諦めなかったらなんとかなるもんだよ」
「当たって砕けろだ!」
「もう砕けてるよ!」
そんなこんなで午前の授業が終わり、昼食を食べるため食堂に向かった。優斗さんは真奈さんと一緒に昼食を食べる準備をしていた。そして私と理佐ちゃん、美穂ちゃんの3人はすぐ近くの席で昼食を食べることにした。
優斗さんは食事が終わると、「そういえば俺、昼食い終わったら職員室に行かなきゃいけないんだった」と言い、食堂を去った。当然、机には真奈さん1人しかいない。
「真奈さんしかいないじゃん」
理佐ちゃんが私に向かってこう小言を言う。そして、
「せっかくのチャンスじゃん。なんで渡辺先輩と付き合っているのか聞いちゃいなよ」
と美穂ちゃんが言ってきた。私は、
「そうだね・・・今から真奈さんのところに行ってくる」
と言い、真奈さんのところに向かったのであった。
◇ ◇ ◇
「あなた・・・花ちゃんだよね。優斗と幼なじみだっていう」
「はい。西崎花です。私、渡辺先輩のことが大好きなんです。なんでそんな格好いい素敵な先輩と付き合っているのかなーって思いまして」
「え、なんで優斗と付き合ってるかって?そりゃ、お互い大好きだから、愛し合っているからに決まっているからよ」
「失礼ですが、どちらから告白しましたか?」
「え?それは・・・多分、私からだったかな。でも最初は私がアイドルだからって理由で断られた。でも、結局は優斗も私のことが好きだ・・・って言われたの」
「別れようって思ったことはないんですか?」
「それはあったよ。前に1度付きあっていることがバレて大事になって、私から別れたいって言ったの。でも、私も優斗のことが好きなままだったし、優斗も私のことを諦めていなかった。だから結局、よりを戻すことになったの」
「そうだったんですか・・・」
「ごめんね花ちゃん・・・残念だけど、あなたの恋は叶えられそうにないわ」
「・・・わかりました。それでも私は優斗さんのことが誰よりも大好きです。諦めません。ですから、あなたに宣戦布告します。あなたから優斗さんを奪ってみせます」
私は胸を張って真奈さんにこう言った。絶対に負けたくない。諦めたくない。恋愛は戦争だ。そして、
「花ちゃん・・・でも、私は絶対に負けるわけにはいかないの。だって私は優斗の彼女なんだから。恋人同士なんだから。結ばれた仲なんだから」
真奈さんは私に向かって、こう高らかに言ったのであった。
◇ ◇ ◇
今日、私・相川真奈は仕事が休みだったので、久しぶりに学校に行った。そしたら優斗の幼なじみだっていう1年生・西崎花ちゃんが私に向かって「優斗さんを奪ってみせる」って言ってきたのだ。私は花ちゃんの発言に怯んだ。でもすぐ絶対に負けたくないと思った。これは遥にも、和美にも、ナナちゃんにも、麻友ちゃんにも言えることだけど。だって私は優斗の彼女なんだから。恋人同士なんだから。結ばれた仲なんだから。
昼食が終わり、午後の授業に入る。しかし私は花ちゃんに宣戦布告をされてからずっと上の空だった。優斗を取られるんじゃないかっていう不安が頭をよぎった。そして・・・
「真奈どうした?昼からずっと元気ないぞ」
授業後、私は優斗にこんなことを言われた。私は「大丈夫だよ!」と言う。しかし優斗は、「だってお前があんな死んだような表情したの、初めて見るから・・・」と言ってきた。そして、「何かあったら俺に相談しろ。彼氏なんだからなんでも聞くよ?」と言ってくれた。・・・やっぱり優斗は私の王子様だ。そして・・・
「優斗って、花ちゃんについてどう思ってるの?」
私は優斗にこう尋ねた。すると優斗は、
「花?あいつはただ、俺の幼なじみだとしか思ってないけど・・・まぁ、異性というより妹みたいなものだな。俺も花も一人っ子だし、お互い兄弟姉妹に憧れていたんだよな」
と答えてくれた。私は少しホッとした。少なくとも私ほど異性という意識はないんだなって。しかし・・・
「しかし花、めっちゃ可愛いんだよ。少し低い身長に、綺麗で長い黒髪。そして雪のように白く透き通った肌。お前は悪いかもしれないけど、結構俺のタイプなんだよなぁ。でも、恋人というよりは妹という感情が合致するのかもしれない。要は、花を誰よりも守らなくてはならない、保護者みたいな気持ちが俺にはあるんだよな・・・」
優斗はあろうことか、彼女である私に花ちゃんの魅力について色々語ってきたのだ。これにはさすがの私も怒りを隠せない。そして・・・
「お前、それを浮気というんだよ!あの女のことは忘れろー!」
私は優斗に鬼の形相でこう叫んだのは言うまでもない。
花の諦めの悪さに真奈はどこまで対処できるんでしょうか?それは私にもわかりません!




