彼女?
私は、中学一年生。
名前は、綾乃
この前までランドセルを背負っていた。
今は、セーラー服!
一気に大人〜気分。
でも、見た目も中身もほとんど子供。
この間、一度だけとっても素敵な女性先輩
を見かけた。
中学三年生。
かすみさん。
かすみさんは、廊下を歩いているだけで美
しい絵になるくらいだ。
色白、黒髪サラサラ、背も高くスタイル抜
群。
どこからか、いい香りが漂ってきそう。
もう、キラキラの天使みたいで見惚れてし
まう。
しかも、いつみても素敵なやんわり笑顔。
私みたいに、何もない時ブスッて表情を全
くしない。
ああ、私も三年生になったらあんなに素敵
な女性になれるのかな…
夜、自分の容姿を鏡でチェック!
まず、髪型からしてもっと伸ばさないと。
でも、癖っ毛だからなー。
次は、笑顔チェック。
にまーっ。
怪しい魔女みたい…
「何してんの?」
ゲッ…
お兄ちゃん…
「いつから見てた…?」
「ん?ずっと」
何ですって!
恥ずかしい‼︎
「で?何?なんかの魔除け?」
なんて言ってきたお兄ちゃん。
「違うよ!私がどこまでかすみさんに近づけ
るかチェックしてたの!」
そう勢いよくお兄ちゃんに答えると、
「ゴフッ」
飲んでた水を吹き出したお兄ちゃん…
「 うわ…きったない」
「綾乃が急に変なこと言うからだろー」
お兄ちゃんは、完全に動揺している。
まさかお兄ちゃん、かすみさんの事好きな
んじゃない?
同じ三年生だし。
もー、わかりやすいんだから。
でも、あんなに素敵な女性だよ⁈
お兄ちゃん…
頑張れ…
こっそり心の中で応援。
でも、あんなに素敵な人だもん。
彼氏もいるんだろうなー。
かわいそうに、お兄ちゃん…
優しくていいお兄ちゃんだけどさ、
片想いなんだね。きっと。
次の日、早速できた友達からいい情報をい
ただいた。
やっぱりかすみさんは、彼氏がいるんだそ
う。
昨日、どうやら彼氏と一緒に帰っていたそ
うな。
高身長で髪サラサラなイケメンなんだって。
あ〜羨ましいよ〜。
ぜひ、私もその二人が下校している所をお
目にかかりたい。
なんか、恋愛運がアップしそう!
それから月日が流れ夏休み。
あー、暇だなー。
暑いしアイスでも買いにいーこおっと。
道を歩いていると、アブラゼミの声がした。
あっついのに、そんな大きな声でなくなん
て、アッツ苦しいっての!
心の中で蝉に文句。
ふぅ〜。
やっとお店に着いた。
涼しー‼︎
少し本でも読んで涼んでいこっかな。
本を手に取ったその時、
お店にかすみさんが入店してきたじゃない
ですか!
やっぱり私みたいにアイス買いに来たのか
な?
違う…
お菓子を買ってる。
しかも、手土産っぽいな。
一生懸命真剣に選んでるみたい。
お友達の家に行くのかな?
いーな〜。お友達。あんなに真剣に考えて
もらってさ!
私は、側から見たら不審者だ。
でも、自分では名探偵になっているつもり
だった。
やっぱり私が憧れるだけあって素晴らしい。
あー‼︎どこまでも着いて行って観察したい
よー‼︎
でも、そんな事したらやばいやつだよね…
さ、私もアイス買って帰ろっと。
かすみさんは、もう行ってしまった。
こんなに暑いのに、なんか涼しそうだった。
日傘さしてたな。
あれは、おばさんが使うものかと思ってた
けど、かすみさんが使っているなら私も使
おうかな。
帰って早速かわいい日傘検索しなくちゃ。
家に帰ると、素敵な靴がそろえて脱いであ
った。
しかも、日傘もある。
まさか、かすみさんが家に⁈
なわけないか…
でも、誰か来てるのは確かだ。
「おかーさん。お客さん?」
するとお母さん、嬉しそうに
「お兄ちゃんの彼女が来てるのよ」
って教えてくれた。
へぇ〜、お兄ちゃん彼女できたのか。
でも、かすみさんの事諦めたのかな?
ってか、かすみさんなんて高嶺の花か。
どれどれ。
早速彼女を拝見させてもらおうじゃないで
すか!
「お母さん、私がお茶とお菓子持っていって
もいい?」
「いいけど、こぼさないでよね。」
「はーい」
コンコン。
続く。




