Episode0 四帝に戴冠せよ
風嵐「挑むは2年後の2110年度、ヒーローズ試験……」
風嵐は、英火の正門をくぐる。
ようこそ、覇王と呼ばれる英火高校へ。
そう書かれた大きな弾幕が、窓を覆う。
???「君も新入生?」
風嵐の隣にとある女子高校生が駆け寄る。
風嵐「あぁ、拓真だ。名前で呼んでくれ」
砂原「私は砂原あかり。よろしく!」
様々な視線が風嵐と砂原のもとに集まる。
???「今回の入学式は4校合同でやるらしいですね」
風嵐「誰だ?」
木原「木原です。筆記試験を主席で通りました」
その言葉に嫌味はなく澄んでいた。まるで当然の結果のように受け入れている。
蟹「カニ!」
木原「こちらの女性は、蟹ミヨです。コミカルな人です」
風嵐「蟹さん、初めまして」
蟹「カニ!」(すごい!実戦入学試験でトップだった風嵐くんだ!)
木原「蟹さんも、あなたのことを特別視しているみたいです」
???「猪谷!早く入学式に行くぞ!遅刻する!」
猪谷「ストーップ!!!」
風嵐たちにぶつかりそうだったところ、牛村と猪谷はブレーキをかけた。
猪谷「お前も新入生か?」
牛村「新入生なら、早く行った方がいい!もうすぐ始まる」
6人は急いで体育館を探す。
◇◇◇
風嵐たちは、数分で体育館に着いた。6人は指定された席に座る。
司会「2108年度、合同入学式を開会します」
拍手が巻き起こる。
司会「今日の司会はわたくし、英火高校教頭の日村が務めます」
司会「まずは、在校生の式事。3年C組の元尾源之助より」
元尾が登壇する。
周りの視線はすべて元尾に集中する。
畏れにも似る気迫。寒空の中に舞うオーロラのように一人輝く。
元尾「皆さん、この場にお集まりいただき誠にありがとうございます。3年C組の元尾源之助です」
元尾「英火高校、國玄高校、明帝附属第二高校、そして立浪高校」
元尾「御国から認められ、この四校は創設50年を迎えます」
元尾は度し難い強い気迫を醸し出す。
元尾「この場を借りて、登壇できることに感謝致します」
元尾「御校らが手を取り合い、我が四帝の地位を確立し……」
猪谷はあくびをする。聞いていられないという態度を全面に出す。
元尾「この玉座に立つことを我ら四帝の聖戦とし……」
牛村も前日の睡眠不足で眠りかけている。
元尾「以上。在校生の式事より」
盛大な拍手が起きる。
元尾は階段を降りる。
風嵐は海月の視線と会う。
次の次は君たちの代になる。覚悟せよ。
元尾の顔から、その言葉が浮かび上がる。
日村「続きまして。明帝附属第二高校からの式事」
教師が登壇する。教師はマイクを持つ。
五間「今日は清涼の日。新たな世界が待ち受けている。申し遅れました」
五間「明帝附属第二高校の教師、五間です」
五間「今回は創設50年の記念として、四校が集まることができること。感無量でございます」
五間「我ら四帝、四つの帝王。我らはヒーローズの模範、規範となるべき存在」
五間「この御国を先導するもの。過去、現在。そして未来において恥じない存在として居続けたいと思っている次第です」
五間「ご清聴ありがとうございました」
また、盛大な拍手が巻き起こる。
最後の式事。
司会「新入生による宣誓、それぞれ登壇してください」
それぞれの者が登壇する。
馬菱「明帝附属第二高校、筆記試験主席。馬菱刃!」
馬菱「宣誓!」
馬菱「より強く、より早く、より逞しく!」
馬菱「明帝附属の馬菱が幣校を先導します!」
ゆらり「國玄高校!椎名ゆらり」
ゆらり「宣誓、秩序ある名誉を賭して、振る舞います」
一郎「本家の長男。立浪高校の立浪一郎」
一郎「宣誓、他校や社会に向け、恥じない礼節を持ちます」
風嵐が登壇する。
一郎は風嵐にマイクを渡す。
風嵐「覇王、英火高校」
風嵐「新入生の、風嵐拓真」
風嵐「宣誓、英火の覇道を突き進むのみ」
風嵐は観客に向けて、鋭く見る。
聖杯に火が灯る。
盛大な地響きにも似た拍手が巻き起こる。
元尾の顔は静かに笑っていた。
他サイトで連載していた「Observers第一部」を本サイトに著者自らが転載しています。無断転載ではありませんので、ご容赦ください。




