12.おっさんネーリシのダンジョンに潜る6
12話目の投稿です
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異世界転移した俺こと麻野新、アリの魔物大群を他の冒険者達で殲滅して、ギルドに報告してから次の日を休みにして、他のテイマーに会い、また四階層に潜り夜を過ごした。
次の日の朝、ナターカは朝食の準備を終えると二人を起こした。
三人は朝食を食べ、装備などの準備をしてから出発した。
森に入って少し進んだ先に他の冒険者達と魔物が戦っていた。
一応規則として、よほどの事がない限り、横やりを入れない決まりだ。
ナターカが大声で大丈夫かどうか聞いて、向こうも大丈夫だと大声で返してきた。
その近くを通り過ぎ、そのまま森の奥へと進んだ。
奥と言ってもそんな奥に行くわけでもなく、今まで刈りをしてきた場所から少し先に進んだ所だ。
そこから中心に探索して、魔物を刈っていく予定だ。
目的地―――目印などはないが―――に到着し、三人は探索し始めた。
見つけたのは猪の様な魔物で、こちらに気がついたのか、突進を仕掛けてきた。
漆黒牛の時と同じように避けてから側面に攻撃を仕掛けたが、身体硬いのか、剣が通らなかった。
猪の魔物はそのまま通り過ぎ、三人は通り過ぎた方向を見ると、通ったあとの木々が薙ぎ倒されていた。
猪の魔物は身体を反転して、また突進してきた。
今度はそれを避けて、反転している所をサミアの火属性魔法で攻撃した。
当たった瞬間に魔物は苦痛の声を上げたが、当たった部分の毛がなくなっていただけだった。
怒ったのか、さっきより更に速い突進をしてきた。
それをぎりぎりで避けて、毛のない部分に剣を指した。
毛のない部分は以外にも柔らかく簡単に剣が刺さった。
魔物は苦痛の声を叫ぶように上げ、バランスを崩し倒れた。
その際、剣を刺していた俺は、すぐに剣を離さなかった為に引っ張られてから魔物の転倒で急ブレーキがかかったため投げ飛ばされ、近くの木にぶつかった。
サミアが心配してこちらに走って来て、ナターカは倒れた魔物にとどめを刺そうと、禿げた部分の所に剣を刺した。
魔物はまた苦痛の声を上げ、立ち上がったが、再度ナターカが剣と持っていたナイフで両眼を刺した。
魔物は走り始めようとしたので、素早く剣を抜いた。
魔物はなにかに躓いたのか、すぐに転倒した。
ナターカは離れてから、サミアに大声で攻撃をしろと言うと、サミアは俺から離れて、火属性魔法で攻撃をした。
魔物は悲鳴を上げるとそのまま動かなくなったが、ナターカが念の為に剣を刺すと動き出し、また動かなくなった。
少しして、アイテムに変わり、それを回収して、こちらに歩いてきた。
俺はポーションで回復してから立ち上がり、身体の調子を確かめた。
ナターカがこちらを心配して声をかけたが、俺も問題無いと答え、自分の剣を取りに行った。
剣を腰に刺し直したあと、この場所で少し休憩を取ってから、探索を再開した。
歩いていると戦闘音が聞こえ、念の為にそちらに向かった。
音も段々大きくなり、目視できるとこまで来ると二人ぐらいが木の陰で倒れており残りの三人が、かなりの傷を負っていた。
リーダーらしき男が俺たちを見つけると大声で助けを求めてきた。
すぐさま俺たち三人は行動し、俺とナターカは魔物の方へ行き、サミアは倒れている冒険者の方へ向かった。
サミアは持っているポーションを飲ませていき、起きたのを確認したら、今の状況を軽く教えてすぐに戦闘に向かった。
起き上がった冒険者達もすぐに自分の武器を探して、手に取ってから参戦した。
相手はライオンの様な魔物で、背中に亀の甲羅の様な物が付いて、名前はタートルレオと言うらしい。
背中に甲羅があるため、背中への攻撃が聞かない、その上見た目と違ってとても素早く、この人数でも押しきれない状態だ。
それでもタートルレオに傷を付け続け、こちらはポーションを飲みながら回復し、なんとか倒すことができた。
ドロップアイテムが出てきて、相手リーダーが拾うとこちらに渡してきた。
「済まないな、助かったよ」
「構わない、こういうときは助け合いだ」
「ありがとう、まさかタートルレオがこのあたりに出るとは思わなくてね……」
「そうなのか?」
「ああ、本来はもう少し先にいる魔物なんだよ」
「なにかあったということか?」
「かもしれないね。一応ギルド職員と高ランク冒険者達が調査しているからそのうち分かると思うんだけど」
「そうだといいんだが…」
二人が話している間に俺とサミア、あと向こうの冒険者パーティー四人がポーションで回復して合流した。
その後は向こうのパーティーと一緒にいったん入口に戻り、さっきあったことを他の冒険者達に伝えた。
他の冒険者達はパーティー同士で組み始め、複数のレイドパーティーになった。
俺たち三人もさっきのパーティーと組むこととなり、俺含め八人パーティーになった。
その八人になったレイドパーティーのリーダーは向こうのパーティーのリーダーが務めることになり、誰も反対はしなかった。
しばらく休憩をして、武器や防具の手入れ、残りのポーションなどの確認をしたら、向こうリーダーが号令をかけて、出発した。
周りを警戒しながら、お互いに自己紹介をしていき、お互いのポジションを確認していった。
本来なら出発する前に自己紹介やポジションなどを確認するのだが、何故か出発してから行った。
リーダーにそれを聞いてみたら、忘れていただけらしい。それでいいのか?。
リーダーの名前はサイラン、斧を持っているのがアズトでドワーフ族だ。
次に杖を持ち、いかにも魔法使いな格好をしているのがエルフ族のミーシェで、背中に羽が生えていて弓を持っているのがカーリアド、猫獣族なのがミレンだ。
異種族混合のパーティーは珍しいらしく、大抵は同族か仲の良い種族同士で組むことが多い。
仲の悪い種族はエルフ族とドワーフ族、天族と獣族だ。
ただ完全に仲が悪いわけでなく、上流階級の貴族だけが嫌悪感を持っているだけで、平民などは割と仲の良い奴は多いそうだ。因みに人族はどの種族も嫌いではないが好きでもないらしい。
それでもこれだけでかぶらないのは珍しい。
歩きながら自己紹介とポジション確認も終わり、お互いが昨日の会った場所まで行き、そこから、範囲を拡げながら探索していった。
何体かは討伐したが、タートルレオみたいな強い魔物には遭遇しなかった。
そんなのにポンポン遭遇してたら、死亡者が続出するしな。
探索してから時間も結構立ち、皆で交代しながら休憩をとった。
二つのチームに別れて休憩と警戒を行い、それぞれが武器の消耗具合や道具など確認をした。
俺のはそんなに消耗はしていないと思うが、そこらへんは素人なので、どのぐらい武器が消耗しているのかがわからない。
念の為にナターカに見せてみたら、ほとんど消耗してないらしく問題ないそうだ。
剣がミスリルを使っているからだそうで、これの上のアダマンタイトやヒヒイロカネなら無茶をしなければ、一年に一回見てもらえばいいそうだ。
因みにオリハルコンは何百年経っても問題ないらしい、それでも伝説上の金属なので見たこともないそうだ。なにせ、滅多にダンジョンで出ないし、あっても国宝級なので国の宝物庫にしかないから見ることもできない。
SSランクの冒険者ならオリハルコンの武器を持っているらしい。ナターカも実際にSSランク冒険者を見たことも無いらしく、本当かどうかは知らないそうだ。
お互いが休憩し終わり、再び探索に戻った。
それからも魔物に何体か遭遇したが、人数が多いおかげで、三人で魔物を倒していた時よりもだいぶ楽になった。
その代わり、ドロップアイテムを山分けするため、獲得する量が少ないが。それでも、安全性を考えるとこちらの方がメリットが大きい。
あれからも魔物を見つけては倒し、見つけては倒しを繰り返して、かなりの時間がたった。
時間も夕方から夜の間ぐらいになったので、いったん入口に向かい、途中で違うレイドパーティーがいたので、リーダーであるサイランが声をかけ、情報交換をしながら共に入口に向かった。
入口に戻って来ると、大半の冒険者が野営の準備をしていて、その中で複数の冒険者達が集まっているところがあった。
各パーティーのリーダー達が集まって情報交代をしているようで、あっちの方で何が出たなど、こっちには食べれる果物があったなどと話していた。やはり森のエリアだから食べれる木の実や果物もあるのだろう。
ナターカとサイランも話の輪に加わり、情報交換を行っていた。
その間に俺とサミアは野営の準備を行い、その隣にサイランのパーティーが野営の準備をしていた。
準備が終わる頃にナターカ達が戻って来て、さっき話していた情報を話してきた。
幾つかの情報は何も問題なかったが、二つだけ問題があった。
俺たちが遭遇したタートルレオとメタルリーンだ。
タートルレオはこの前、遭遇したので分かるが、メタルリーンという魔物は初めて聞いた。
サミアもメタルリーンという魔物を聞くのは初めてらしく、二人でナターカにどういう魔物かを聞いてみた。
メタルリーンは見た目はヘビで全身が金属の皮膚で覆われている魔物らしい。
全長は大体十ルルス(十メートル)位で、直径は約五十センルルス(約五十センチメートル)位だ。
攻撃するときは、火属性魔法で皮膚を溶かして攻撃するか、目玉や口の中など金属で覆われていない箇所を攻撃するしかないそうだ。ただ、少し素早いので当てるのが難しいそうだ。
他にも色々と情報の内容を言われ、それを質問しながら聞いていった。
食事を始めると、隣のパーティーが料理を持ってこちらに来て、一緒に食事し始めた。
ワイワイやりながら食事していて、ミーシェは普通に焼いた肉を食べていた。
俺のイメージ的にエルフは肉は食べずに野菜など食べる感じだと思っていたが、この世界のエルフは肉も食べるみたいだ。
ドワーフのアズトはイメージ通り、かなりの酒を飲んでいる。まあ、最初の街でもそう聞いていたが、実際に見てみると余計にイメージと合致する。
あと、ドワーフといえば鍛冶師というイメージある。
最初街で買った短剣や、この街で買った剣もドワーフが打ったそうだし、そうなのかもしれない。
アズトに聞いてみたところ、やはり大半のドワーフ族は鍛冶師で、ドワーフ族の国には鍛冶屋、武器防具屋の店がかなりあり、他にもドワーフ族は建築関係の仕事も多いらしく、建築家のドワーフも結構いるそうだ。
さすがに俺もドワーフ=建築には結びつかず、心の中で驚いていた。
ドワーフが創る建築はどれも素晴らしいらしく、特にリガンド・アナジンの作品は国宝級だといわれているらしい。本人もその作品にはお目にかかれたことがないそうだ。
建築の話になった途端にサミアが話になったに参加してきて、リガンド・アナジンの作品の素晴らしさを語り始めた。
何を言っているのか、専門過ぎてわからないが、とても素晴らしいということはわかった。
それからも延々と語り、相槌をうちながら対応していた。
途中からアズトも加わり、更に話が盛り上がり、わけがわからなくなっったので、上手く気配遮断をして、そばを離れた。
少し離れた位置でスキルを解いて見てみると、サミアとアズトの二人で、話が盛り上がっているみたいで、いなくなったのには気づいてないみたいだ。
その後は一人で、ぼ~っとしながら眺めていた。
時間もかなり過ぎ、皆がテントに戻り始めると俺達も見張り番を決めて、テントに戻った。
今回は俺とサミアが見張りをして、ナターカがテントに入り、眠りについた。
サミアにとっても初めての見張りなのか、少し緊張していたので、肩を叩いて大丈夫なことを伝えた。
俺とサミアは焚火の前で、静かに座りながら無言で火を見ていた。
周りを軽く警戒しながら、今日あったことを話していた。
特にアズトとの建築話が盛り上がったみたいで、アズト とは親友に近い状態になったそうだ。
それから時間が立ち、交代の時間になったので俺はナターカを起こして、交代をした。
俺とサミアはテントに入り、それぞれ横に眠りについた。
それからは、サイランのパーティーと組みながら四階層の探索を行い、レベルも少しずつ上がっては、少し奥に行きを繰り返した。
今だと四階層の半分位の位置まで進めるようになった。
「ようやく半分か」
「まあ、四階層はかなり広い上に奥に行くほど魔物が強くなるからね」
「私達も少しずつレベルは上がっておりますので、焦ることはありませんわ」
「そうじゃな、焦りは禁物じゃ。だからといって、慎重過ぎるのも良くないわい」
「その通りですわ、何事もほどほどが一番なのです」
「ほどほどかつ、的確にこなすのが一番安全だよ」
「なるほどな、参考になる」
「それでも、バカな冒険者はあとをたたんがな」
「そんなにいるのか?」
「かなりいるよ、特に新人冒険者が調子に乗って、魔物討伐をしようとしてね」
「ありがちなことですわね」
「他にも、ランクが上がって、すぐにそのランクの魔物の討伐や特殊な薬草の採取を受けた冒険者もかなり死んでいる」
「言ってしまえば、下調べ不足じゃな。安意な考えで行うから死んでしまうんじゃ」
確かに、言っている事は正しい。魔物の特徴や弱点、その場所の環境、特殊な採取の仕方でないと害を及ぼす薬草など、いくらでも調べる事はある。
それを怠り、何も知らないで行って、対応出来ずに死んでしまうことになる。
まぁ、冒険者は基本自己責任だから、死んだら仕方がない。
その後は野営の準備をして、夕飯を食べ始めた。
夕飯を食べてる最中にサイランがこちらに来て、明日、地上に戻るそうだ。
それに合わせて俺達もいったん地上に戻ることにした。
夕飯も食べ終わり、いつも通り、俺とサミアが先に見張りをして、あとからナターカが交代となった。
サミアも今じゃ見張りにも慣れて、俺やナターカと会話しながら周りを軽く警戒出来るようになった。
しばらく二人で会話をした。会話の内容は今回戻ってきた調査しにいったギルド職員と高ランク冒険者達だ。
調査の結果はギルドに戻ってから、ギルドマスターのリンリアーネと相談してから発表するそうだ。
明日、地上に戻りアイテムを換金するから、その時でも聞けばいいだろう。
次の日になり、八人でテントなどを片付けてから朝食を取り、地上を目指した。
出てくる魔物は追い掛けて来ない限り無視して上を目指し、一階層まで来た。
そこから地上に出て、空を見上げると日が少し傾いていて、大体三時くらいだろう。
このあとは、ここで解散して宿に戻り、部屋のベッドに横になった。
気がついた時には寝ていたみたいで時間は夕方になっていた。
今から食べに行くのも面倒なので収納していた保存食を食べた。
ライムにも食べさせ再び眠りについた。
明日のギルドの報告がどんな報告なのか思いながら。
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