異世界を知ろう
「巻き込まれた」
「巻き込まれた?召喚にですか?」
「ああ」
巻き込まれるなんてことあるのか…でもそうか、記憶が抜け落ちてる奴が一人で異世界きてやっていけるはずないもんな…
それに、木崎は見た所俺と同じくらいの年に見える。いつこの世界に来たのか知らないが、たった一人の子どもが魔族とか倒せるはずないもんな。
「師匠は私が召喚された時に巻き込まれちゃったんだ、他にも後二人巻き込まれてこっちに来たんだよね…一人は死んじゃったけど」
3人も巻き込まれて来たとは…それに…!
「死んだ?この世界に来てから死んだのか?て言うかこの世界で死ぬこともあるのか?」
ゲームみたいに生き返ったりしないのか?
「そりゃ、生きてるんだから死ぬこともあるだろ…そんなこともわからな グビャ」
ブロウがなんか言ってたけど、木崎が氷のビームを出して凍らせた。生きてるのかあれ…
「ブロウ!黙ってね!」
「寒い、死ぬ」
「今の魔法か?」
「うん、私勇者だけと魔法でしか戦えないんだ〜」
「そうか」
威嚇しか使えない奴よりマシだろ。
「ところで、さっきの死んだって奴…」
「ああ、あれね。この世界にくる前から私の友達だった子なんだけど…戦争で死んじゃってね」
「そうか」
「何も聞かないんだね」
何も言わないって言うか言えないって言うか…
「下手なこと聞くよりイイだろ」
「そうだね」
「で、勇者剛。お前が知りたいのは、こんなことじゃなくて、この世界ってゲームみたいに生き返ったりしないの?ってことだろう」
「まあ、後はゲームみたいにHPとかないのかな?とか」
「ゲームと現実を一緒にしてはいけないぞ剛」
いつの間にかブロウが氷から抜け出してた。
「お前氷は?」
「あんな物で、俺を捉えることはできない」
ドヤ顔でブロウは言った。瞬間、また凍らされた。
「勇者くん、さっきの質問の答えなんだけど、この世界はそこまで前いた世界と変わらないんだ。魔法とか魔物とかステータスとかあるけど」
その時点で全然前いた世界と違う気がするが…
「ちょっと昔のヨーロッパに魔法があるみたいな感じに思ってくれれば大丈夫だ」
「ちょっと昔のヨーロッパに魔法か…貴族とかいそうだな…」
「まあ、いるっちゃいるよ。それでさっきの質問ってつまり死んだらどうなるとどうしたら死ぬのってことでしょう」
「イエス」
なんか、この世界ゲームみたいだから、ゲームと同じなのかな〜とか思ったり…
「それはね、前の世界と同じなんだよ。死んだら終わりだし、HPなんてないし、大怪我したら死ぬこともある」
「そうか、確かに前の世界と同じだな…」
「あ、後一つ言っとくけど。前の世界に戻る方法とか見つかってないから」
へ〜、前の世界に戻れないんだ…って何!
「魔王倒したら戻れるんじゃないのか!」
「魔王は別にいい奴だぞ。むしろこの世界は人間の方が魔族よりもクズ」
なんか、テンプレっちゃテンプレだよな…そんなゲームやったことあるもん…よく覚えてないが。
「私の友達が死んだのも、人間どうしの戦争に巻き込まれてなんだよね」
「しかも、しまいには。この戦争が起きたのは、魔族が一つの国の王を操ってたからとか言い出すし」
ガチクズだな…そいつら。もう魔族に殺されちゃえばいいのに。
「まあ、私がそんなこと言ってた奴ら全員殺しちゃったんだけどね…だから私の二つな殺人鬼なんだ」
「そうか…」
こいつ、なんでそんなこと初めて会った俺に言うの?
「まあ、そいつらがその戦争を引き起こしたんだけどな」
ブロウがまた復活していた。
「とりあえず、元の世界に戻る方法を見つけるまで、最も安全なこの国に滞在してるってことだ」
「そうですか…山本さん達は何年前にこの世界に来たのですか?」
「俺が今、22歳だから…6年前だな」
「じゃあ16歳の時ですか」
高校生で異世界に来るってなんか、よくありそうだよな…
「私はその時7歳だったんだよね…周りの友達二人も…師匠がいなかったらヤバかったよ」
じゃあ木崎は今13歳なのか…
「その、もう一人の友達ってどこにいるんですか?」
「他の召喚された人たちと一緒に魔王の所にいる」
えっ、他にもいるの異世界召喚人間。
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