表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻の物語  作者: 知秋一葉
1/2

理不尽

「理不尽」


鳴った電話に風さんの目をやった。

「うーーん、またあの夢かぃ〜

 謎の夢だった!

 なんでだろう!?

 自分の手であの謎の夢が解けるかなぁ?

 あの夢は、

 師父と出会ってからよく見るんだ。

 そう考えれば、

 たぶん師父しか解けないだろう?!

 うん、間違えない

 師父と会いたい!

 会いたい!!」

と、つぶやいた。



電話はまた鳴った。

「風、お見合い写真を見て欲しいの!いい子だよ」

母ちゃんからの電話だった。

「優しいし、料理も上手だし」

「はい、はい。了解しました。時間があればね」

風さんは返事をしながら朝ごはんを食べた。

パンとミルク。

しかたがない。

一人暮らしからだ。

自転車に乗って8時15分前に会社に着いた。

健康のために、

彼はいつも自転車で通勤する。

風は旅行代理店の企画室の責任者だった。 


入り口で、

「私、だーれだ?!」

と、後ろから目を隠された。

声だけ聞ければ見なくても、

後ろのやつはわかる。

「馬鹿もの!!」

風は笑って答えると、

「馬鹿ものからの“お礼”だよ」

と、後ろのやつが言い返した。

勿論、言葉だけではなく、

行動も加えた。

背中にパンチをくらわした。

「あ〜、いたーい!お前、殺す気か?!」

後ろのやつは、

「朝から何も食べてないよ、力は全然出ない!」

と、笑った。

風は

「馬鹿!」

と、口からすべた。

当然、馬鹿ものからの“お礼”はもう一回あった。

しかし、

今回は耳が軽くねじられたものだった。

後ろの馬鹿ものは林嬌だ。

添乗員の中に一番活発な子だ。

一週間前に海外添乗に行った。


      


 「いつ帰ってきた?」

と、風は聞くと

 林嬌は風の前に回って、

「昨日の夜。これ」

と、ものを風に渡した。

 「何これ?」

 「お土産!」

「食べ物?」

「違います!ミャー人形です」

 「ありがとう!いただくね」 

 「それだけ?!」

「また何か?」

「もっと喜んでくれると思ったのに」

 「例えば?」

「自分で考えなさいよ」

「心から感謝しております!」

「まだまだ」

「じゃあ、どうしたらいい?」

「あのね…」

林嬌は怪しい目をしている。

それを見て、風は慌てて

「変な要求はよせよ!」

と、いい足す。

しかし、

彼女は無視して一方的に

「綺麗な夜景が見えるレストランで…」

と、言った。

「無理!無理!無理!」

「どうして?」

「時間もないし、金もないし」

証明のために財布も見せたけど、

「明日は金曜日だし、給料日だし」

林嬌は風に考える余裕を与えない。

「そうだけど…」

「じゃあ、明日しましょう!」

風の手をとって指切りをした。

「約束したよ!ヒーヒーヒ」

林嬌はいたずら顔をして走って行った。


風は彼女の背中に向かって、

「おい!おい!ちょっと待ってよ!」

「理不尽なやつ!」

と、独り言。

「恋愛中の子は、皆そうだよ!」

李琴(林嬌の上司、添乗員の責任者)は風に声をかけた。

風は彼女に

「お早う!」

と、挨拶してから

「ちなみに、恋愛中?誰の話???」

と聞いた。

「林ちゃんとあーなーた!」

「僕たち?!冗談言うなよ」

「誰かいつもあの子のことを見守っているだ?!」

「間違えているんじゃない!」

風の顔は赤くなった

「僕はずっと彼女を妹と思っているんだ」

と、必死に弁解した。

「弁解しなくてもいいの。あー!それは何??」

李琴はミャー人形を指した。

「お土産。彼女から」

「名前は?!」

「名前ね〜、そう、ミャー人形だけど、それは何か」

「じゃあ、調べて。ミャー人形のことを」

「何か意味がある?」

「うん!らしいよ」

「じゃ、教えてよ」

「教えない!でも、一つを教えるわ」

「何?」

「林ちゃんは理不尽じゃないよ」

「じゃあ、何あれ?勝手に…」

「甘えんぼよ」

「でも…」

「甘えちゃう、イコール可愛いよ!覚えなさい」

風は小さい声で

「覚える必要があるかよ!」

と、つぶやく。

その代価は、

「文句をいわないで頂戴」

「あー、もう一つを教えるわよ。私にもあんなときがあったんだよ!!」

「ミャー人形のことをちゃんと調べて」

と、李琴の連発の砲火を浴びることになった。

李琴は早口女で、

30過ぎの勝ち犬だった。

二人は話しながら会社に入った。

其の時

企画室の電話が鳴った?!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ