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魔王の思惑が迷子


「ふぁああああ。やば、スッゴい寝た気がするわ。」

「当たり前だ。ツバキが眠らされてから、もうすでに一週間がたっている」

「紅狛おはよ。てか、一週間かぁ。…あの魔王ぶっ飛ばしたいわ」


まぁ、無用心に箱をあげたいけど私が悪いんだけどね。

ラファエルさんにでも中身を聞いておけばよかったか?


『残念だが、あれには魔王の認識阻害がかけられていたため、正確な中身を知るのは難しかっただろう』


『まぁ、アイツの認識阻害なら高位天使だろうと時間はかかる。俺だったらアイツの意識に介入して記憶を覗く位は出来るかもしれねぇが…後でツバキに何かしてくるのは違いねぇな!』


まぁ、腐っても魔王様ってところか…


「ねぇ、紅狛さ。なんで落ち着いてるわけ?」

「当たり前だ。奴は我らに危害を与えておらんからな。危害を与える処か、このような部屋を用意し、なかなか使える侍女まで寄越したのだ」


魔王は何がしたいんだ?

私を手駒にしたい?

それとも同族だから近くに置いておきたいだけか?


「さらには、ツバキが中々目覚めぬからと言って医師まで寄越したくらいだ。最低限の警戒は必要かも知れぬがな」


『警戒心の強い紅狛が言うのだ。悪意は無く、少し歪んだ善意なのだろう』


でもねぇ、私をこの場所に連れてきたかったのなら言えば良いと思うんだよね。

それを、誘拐紛いの方法で私を連れ去るのはリスクが高すぎると思わない?

もし、紅狛が居なかったら…

私は自分が死ぬ可能性があろうともあの男を殴りにいくよ。

それは、保護したい側からすれば最悪のシナリオでしょう?


実際のところ、あの森に何かあるから私をここに連れ去ったんじゃないかな??


『確かにその理由の方が納得ができる』

『でもよぉ?ラフィとツバキは、堕天使の種族的本能を視野に入れてないから、そっちの方がしっくり来てんだと思うぜ?』


「種族的本能?そんなものまであるのね」

「例えば、人族であれば衣食住が種族的本能だ」

「確かにね。人がお金を多く持とうとするのは衣食住の為だものね。その為になら、手段を選ばない。…確かに本能と読んでいいね」


『もともと堕天使は神から見放された者たちのことだ。人族の中の言い伝えじゃ、俺らが罪を犯したから堕とされたなんて言ってるが…神は罪を償うことで慈悲をくださるからな』


「ならどうして、堕天使が存在するわけ?慈悲をくれるんでしょ?」


『普通だったらな。俺たちみたいな異端には慈悲以前の問題だ」


「異端?どういう意味?」


『大概の堕天使の真祖は天使の癖に、神と同等とも取れる力を持ってる。それが、神様たちは気に入らねぇみてぇだな』

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