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遺書日誌  作者: あやと
35/218

夢

ー

ー

一生分の苦しみを味わった気分

こんなに小さな悩みなんて

本当はそんな事ないんだろうけど

疲れているんだとても

もういいという言葉が心の隙を埋め尽くして

僕を侵食していた絶望も

時折メスのように切り付ける希望も

全て満たされてしまった

これからどう生きていこう

これからどうやって死のう

そんな浅はかな思考も消えて

考えられなくなった

溜息に混じって空に吸い込まれたい

残したい何かもガラクタになって

パッチワークも解れたから

眠りの中に溶けてしまいたいよ

詩を書くために思うこれが

本当の僕の声なのかな

何が本当で何が嘘で何を信じたいか

全部他人事のように頭上で爆ぜていく

火の粉も雨も閉じ込めた執着心も

風化して御伽噺になり褪せていく

感情にも言葉にも命があって

箱の中で隔離されていたそれらは

もう虫の息なのだろう

箱の中で隔離した僕も

きっとそう言う事なのだろう

戯言が僕の未練なら

そろそろ夢は崩れ落ちる

寂しくはないが

吐き出された黒い息が一つ

ここに残りそうだ

自分を縛りあげる縄もほどけず

これ以上穢されることもなく

純粋な綺麗事だけに包まれて

壊れた破片は屑籠に隠されて

歪は都合よく修復される

どうにもそれが不快だ

それだけが一つ気がかりだ

世界ごと壊れてくれないかな

ガラスのように

美しく鋭く儚く傷つけあって

カプーアのように魅力的に

そんな夢も一つ溢れた

それだけで満たされた

叶う必要はない

夢はそのまま飾っておこう

そうすればまた死んでしまうから

もっと残酷で味わい 深く生まれ変わるから

そのうち僕と綺麗事との隙間を埋めて

黒い息も溶けてしまえるから

もう今は苦しみではない

ー


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