肉
2020年10月××日
ー
ー
タピオカなんていらない
流行なんて知らない
立場なんてない
自分こそ何処にもいない
何にもない
ー
ー
狂わないよう本当の自分を
必死に押さえ込みながら
ずっと苦しかった
もう嫌と叫びたかった
狂ってしまいたかった
胃液も食べ物も内臓も心も
全て吐き出して
形がなくなるまで潰したかった
頭が痛くて 光が眩しくて
音が鬱陶しくて 息をしたくなくて
ただただもうおわりたかった
いつからだろう
何も苦しくなくて
心が助けてと叫んでいるのを
ただ傍観していて
胃液も内臓もどうにでもなればいい
頭が回転を止めて 目を閉じて
音から意識を遠ざけて 息を止めて
微笑む自分が誰か分からない
自分がどこにいるのか分からない
ー
ー
頭から爪先まで糸を通した
僕の気持ちとは別に
動くための一本
ー
ー
僕のなかの僕が
僕の邪魔をしてくる
僕の中の僕を
クランベリーの実のように
指先で潰した
ー
ー
言いたくても 言葉がない
泣きたくても 涙がない
叫びたくても 声がない
死にたくても 死んじゃだめだから
死にそうでも 死なない
例えば細胞が口を開いて
暖かい体液が流れでて
独特の死臭を望んで
筋肉が収縮して
生きることをやめたとしても
私は消えることができない
ー
ー
足の指を
一つづつもいで
足の甲を五つに割いて
骨を抜き出して
ふくらはぎを切り取って
膝の皿を取り出して
ハムストリングを削り取って
お尻のお肉を剥がして
骨盤を引き抜いて
内臓を途切れないように
優しく優しく引き出して
ただの細胞に戻りたい
ー
ー




