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紬の記憶

「えっと、まず記憶がないというか、ぽっかりと穴があいてると言った方が合っていると思うんです。幼い頃の記憶とか高校生の1年生だったことまでは覚えているんです。でも、気づいたらよく分からない研究室みたいな場所にいて、そこは化け物が人を襲ってて、、、、」

「で、そこから逃げてきたと?」

「はい、1人女の人がそこから逃がしてくれて」

「そうなんだ、1つ質問なんだけど、そこからどれくらい逃げてたの?」


その質問に難しい顔をしながらも紬はゆっくりと


「多分ですけど、10時間近くだと思います」

「え、、、その間誰とも会ってないの?」

「人が居ないところを選んで逃げましたし」

「えぇ、ここ東京だよ?そんなことある?」

「そうなんですか?」

「えぇ」


(まじかぁ、気になるところが多すぎる気がする)


そう考えていると、紬が更に言葉を繋げた。


「幼い頃とか高校生の記憶とかは人の名前とか顔を覚えてるって訳じゃなくて、ただ漠然と思い出を覚えてるって感じで宛もなく逃げてたんですよね」

「なるほどぉ、ちょっと待ってよー」


(今の話を整理すると、気づいたら知らない場所にいて、しかも、そこでは化け物が人を襲っていて、そこから命からがら逃げ出したけど記憶の大部分が抜け落ちてるってことか)


そして、話を整理し、他の事を聞こうと紬の方を見ると今にも寝そうな感じになりながらも、必死に寝ないように頑張っている姿を目にし


(話によれば、10時間近く逃げてたんだもんな、眠たくなって当然か)


「この話の詳しいとか、今後の事とかは、また明日にしようか」

「い、いえ、別に今でも問題ありません」


そう言いながらも、紬はとても眠たそうにしていた。


「ほら、無理しないで寝ときなさいな、私のベット使っていいから」

「そんな、、匿ってもらってるだけでも有難いのに、ベットなんて、ソファーでも大丈夫です」

「いやー、匿ってるとはいえ、よく分からない場所から逃げてきた人をソファーで寝かせるのわね、流石にダメだと思うんだけど、まぁ、だからベットで寝な」

「あ、ありがとうございます」

「じゃあ、案内するね、私はもう少しやることがあるから、先に寝ててね」

「お仕事ですか?」

「だいたいそんな感じ」

「わかりました、先に寝させてもらいますね」


そう言いながら、彩夢の案内により寝室についた。その部屋はあまり物は無いがそんな中でもおしゃれな雰囲気が漂っている部屋になっていた。しかし、ひときわ目についたのは机の上に置かれていた数冊の分厚い本がおいてあった。

それらの本に気がついた紬は彩夢に

「彩夢さん、この本はなんの本なんですか?」


そう聞かれた彩夢は少し間をおいて


「、、、、、、、仕事で預かっている物だから、あんまり触らないでね」

「そうなんですか」

「まぁ、取り敢えず寝れるときに寝ときな」

「はい、ありがとうございます、色々してもらって」

「それは大丈夫よ、ま、おやすみなさい」

「はい、おやすみなさい」


そうして、彩夢は寝室から出て、寝室の横にある書斎に入っていた。そこにはぎっしりと本が入っている本棚がいくつも置いてあった。そして、そこに置いてある本は日本語で書かれているものがほとんど無く、英語やラテン語と言った数多くの言語で書かれているものが大半であった。それらの中からかなり古びた本を手にとり、

「依頼されてる部分の写本作らないといけないんだけど正直めんどくさいけど、依頼の報酬がかなり高かったんだよなぁ、まぁ、とりあえず作るか」


しばらく、作業した後


「ふわぁ、、、今日はこんなもんでもいいかな、それにしても紬の件もあるから明日からは少し忙しくなりそうだなぁ、話を聞いてる感じ、なんか嫌な予感がするんだよな、多分だけど神話生物も関わってそうな気がするし、考えるのは明日でもう寝よ」


そうして、書斎から出て寝室に向かい、ドアを開けようとしたところで

(あ、そういえば紬を私のベットで寝かせたんだった、、、、、来賓用の部屋ベットで寝るかぁ、暫く掃除してない気がするけど、こればっかりはしょうがないか)








そして、朝日が徐々に上がり、人々が動き始める時間になった。そこから数刻たった頃、彩夢と紬がそれぞれの場所で同時刻に目が覚めたのだった。


彩夢は目が覚め、すぐ台所に行き、コーヒーを作っているとその後に紬が部屋から出てきた。


「あ、おはよー」

「お、おはようございます」

「ゆっくり寝れたー?」

「はい、お陰様でゆっくり休めました。」

「そう、それなら良かったわ」

「朝ごはんも軽くでいいかしら?」

「はい、あまりお腹は空いてないので少ししか食べれないと思います。」

「分かったわ」


そう返事をした後に、冷蔵庫を開けて、元々作り置きをしていたのか、タッパーに入っていたものを皿に移して、それを紬の居る机に持ってきて、

「作り置きだけど許して」

「いえ、大丈夫ですよ?さっき言ったようにあまりお腹すいてないですし、食べさせて貰えるだけ嬉しいです。」


そう言われ、彩夢は少し気恥ずかしそうに


「そう、ならいいわ、さっさと食べるわよ」


そう言い、そそくさと箸を進めた。そうして、ご飯を済ませ、その他の準備を終わらせた。


「さてと、昨日の話の続きだけど、まずは昨日の話を纏めると気づいたら知らない場所にいて、しかも、そこは化け物とやらに襲われていて、逃げたわいいけど記憶の大部分が抜けてて宛もなくさまよっていたって感じで合ってる?」

「はい、そうですね」

「おっけー、ところでその化け物ってどんな感じだったの?」

「昨日、彩夢さんと会った時に彩夢さんが持っていた奴と似ていたと思います。」

「あ、あれに似てた?だとしたらちょっと面倒くさそうな感じだなぁ」

「あれを知ってるんですか?」

「いや、合ってるかは分からないけど、いくつかの候補があるって感じなんだけど、そのどれかだったとしたら、あんまり関わりたくない様な奴しか居ないんだよねぇ」


彩夢は心底嫌そうな感じをひしひしと醸し出していた。そんな彩夢を見て、紬は

「嫌なら、関わらなくても大丈夫ですよ?」


そう言われ、彩夢は

「いや、面倒くさいのもそうだけど私も無関係じゃ無くなりそうな気がするんだよねぇ、てか、仕事で関わる様な案件だし、紬の手伝い?をしてた方が情報集まりそうだしで十分メリットがありそうなんだよね」

「そうなんですか?というか仕事であんな化け物と関わるかもしれないってどんな仕事してるんですか、、、、」

「最初はこんな仕事だとは思ってなかったよ、でも、約束したから続けてるんだけども」

「そうなんですね、ところでどんな事してるか聞いてもいいですか?」


そう紬が言うと、彩夢は少しヘラヘラした雰囲気だったのが、一変して、真剣な面持ちになりながら

「いいけど、暫くは一緒に行動してもらうことになるし、貴方自身が死ぬことになっても、一切の責任は取れないけどそれでも良いなら話してあげる」


紬は少し間を置いて

「それでもいいです、私には今あてが無いですし、それに、1回化け物に殺されそうになったんですよ?当事者でもあるんです、もちろん、死にたくは無いですけど、どうして私はあそこに居て、どう関わっていたのか知りたいので、お話を聞かせてください」


彩夢は少し驚いた様な様子を見せながらも

「分かった、私の仕事と今後の行動について話を進めていくね」

「はい、改めて、これからどれくらいか分からないですけど、よろしくお願いしますね!」

「よろしく、まぁ、死なないように気をつけてね」

「は、はい、急に怖いこと言わないでください」

「えぇ、そういう話だったじゃん」

「そ、そうですけどー」

「なんかこう、不思議な子だね?」

「うぅ、言い返したいけど、言い返せない」

「あっはは、ほら、話を戻すよ」

「は、はい〜」


週一投稿しようと思ってたのに少し遅れてしまった。来週こそ、間に合わせたい

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