宝石 宝飾品 パーツ 装飾
ここでは古代中世とファンタジーのアクセサリーの素材、パーツ、装飾技法、服、小物、家具、建物の装飾を紹介しています。
◆宝石
美しさ、耐久性、希少性がある鉱物(石)、有機物(生物、植物)のこと。
宝飾品になる固形物のこと。
宝石には不思議な力があると信じられており古代から占いやお守りにも使われている。
ファンタジーでは賢者の石をはじめ特殊な宝石が無数に出てくる。
◆実在するファンタジーっぽい宝石
●化石宝石
生物や植物の化石が宝石になったもの。
●オパール
貝や木の化石宝石がある。他にもブラックオパール、ファイヤオパール、ウォーターオパールなどファンタジーな輝きをみせるものもある。
●アンモライト、ドラゴンスキン
アンモナイトの化石宝石。極彩色で虹色の輝きを放つ。ドラゴンスキンはアンモライトの一種。ドラゴンの鱗のような化石宝石。
●ロンズデーライト
ダイヤモンドより硬いといわれる宝石。隕石の衝突時に形成されるなど特殊な条件下でしかできないためダイヤモンドより希少性もあり加工がまだできていない。
●カラーチェンジ
色が変化する宝石。昼と夜、ロウソクの明かりで見ると変わるなど。同じ種類の宝石でも変わるものと変わらない物があり変わるほうがレア。
●プレオクロイズム、多色性
見る角度や光の当たりによって色が変わる宝石。赤い宝石の見る角度を変えると青く見えるなど。
●トルマリン
見る角度で色が変わったり一つの結晶に複数の色が並んでいたりする宝石。不思議で多彩な色とパワーストーン的な様々な効果から古代中世で魔法の石といわれていた。
●サファイア
青い宝石。中世では恋人や配偶者が浮気したり愛情が薄れるとサファイアの色も薄くなるといわれていた。
●スピネル
赤と青があり中世ではルビーとサファイアに間違われていた宝石。黒魔術師が召喚道具やお守りとして持っていたという。
●ブルージョン
食器や調度品になる宝石。貴族のゴブレット(酒を入れるグラス)や壺などがある。
●黒曜石
黒い宝石。古代から占星術に使われており黒曜石でできた黒い鏡がある。占鏡という。
◆宝飾品、アクセサリーのパーツ
■原石、ジェムストーン
採掘された宝石。
■裸石、ルース
採掘されて研磨やカットされた宝石。
●カボジョンカット
宝石のカットの一種。カボジョンはフランス語で頭。宝石の形状はドームのように丸みがあり輝きはつるっとしている。古代からあるカット法。中世になり宝石を加工する機械ができるとカットの種類が増えていく。
●ファンタジーカット、コンケーブカット
宝石のカットの一種。形や輝きがファンタジーに出てくる宝石のようになる。現代のカット法だが紹介しておく。
■石留め 、セッティング
アクセサリーに宝石をつけること、留め具のこと。
■石座 、シャトン
アクセサリーに宝石をつけて固定するための台座。
脇石(小さな宝石)をつけたり石座の形を花などにすることでアクセサリーのデザインになる。
◆石留めの種類
■覆輪留め ベゼルセッティング
宝石を金属で囲って石座に固定する留め方。古代からある留め方で一番ファンタジー感がある。
■爪留め、プロングセッティング
爪という留め具で宝石を石座に固定する留め方。宝石を金属の爪で掴んでいるようにみえる。種類がある。
■彫り留め、フラッシュセッティング
金の指輪などを彫って宝石を埋め込み爪で固定する留め方。
■伏せ込み、フラッシュセッティング
金の指輪などを彫って宝石を埋め込む留め方。彫り留めと違い爪がないので宝石が自然に指輪に埋まっているようにみえる。原始的なファンタジー感がある。
■ヒートン
棒状の留め具。宝石を石座に固定しない留め方。宝石に穴を開けてヒートンをネジのように差し込みネックレスやイヤリングなどに繋いでぶらさげる。真珠などの丸い宝石によく使われる。
■ヒートンキャップ
帽子状の装飾部品。ヒートンを使う宝石に被せる。ヒートンと宝石の接続を強化し差し込み部分が見えないようにするための装飾にもなる。
◆その他パーツ
■カン、丸カン、丸環
リング状の留め具。宝石の石座とネックレスのチェーンなどの留め具を繋ぐ。種類がある。古代中世では丸カンを使わず石座にリングがありそこにチェーンを通して繋いだり宝石に穴を開けて直接チェーンを通したりもする。
■繋ぎ、ジョイント、コネクター
装飾部品。宝石の石座とチェーンなどの留め具の間につける装飾。トップの宝石の他に宝石を連ねたりしてアクセサリーを豪華にできる。
■フック、スナップフック
鉤状の留め具。フックに何かを引っかけて留めたりフック同士を引っかけて留めたりする。
古代中世ではネックレスを首につける留め具にフックを使うことがある。ネックレスチェーンの端についたフックに、もう片方の端についたリングを引っかけて留める。
端に棒状の金具をつけてリングを引っかけるものもある。マンテル、トグルという。
スナップフックは開閉部があるフック。フックと略される。ファンタジーではベルトやカバンにつけて小瓶などアイテムを持ち歩くのに使われている。
■クラスプ、留め金具
アクセサリーの留め具の総称。現代で使われるネックレスの留め具は引き輪という。他にもパーツがあり全てまとめて留め具、留め金具、クラスプという。
◆宝飾品、アクセサリーの 装飾 、 素材、 技法
◆金工細工、金細工
金、銀、銅など金属を加工してできた繊細な装飾細工。中世では金や銀でできた豪華な金細工アクセサリーが作られている。
■金細工の種類
◆鍛金
金属を叩いてつくる。古代からある作り方。鎚(ハンマー)で叩いた跡を残すと歪な輝きになる。
◆鋳金
溶かした金属を型に流してつくる。同じ形のものを沢山作ることができる。
◆彫金
金属を彫って作る。草花などをモチーフにした複雑な模様を作ることができる。紋章や文章を刻むこともできる。彫り方には種類がある。
◆透かし彫り
彫金の一種。金属を彫り抜いて模様をつくる彫刻、技法。模様に金属の背景がなく光に透かして見ることができる。
彫金装飾されたコート
金属の硬さと輝きがコートの重厚さと美しさになっている。
見た目だけでなく布と糸の服より頑丈だろう。
肩や袖のカフの装飾は防具にもなるのか王侯貴族や戦うキャラがよく着ている。
■カービング、レザーカービング(leather armor carving)
彫刻技法。カービングはフルーツや石鹸に花を彫刻するのが有名。
レザーカービングは革製品に模様をつける彫刻技法。ベルトや小物や鎧など。
レザーカービングブーツ
模様に金の塗装をしている。
金箔や銀箔を貼ることもある。
模様が彫刻ではない場合は金属でできた模様をブーツにつけている。
レザーカービングガントレット
模様の溝に青い塗装をしている。
このようなガントレットは様々な世界にある。
中世ファンタジーでは青いものは魔法の光のこともある。
サイバーパンクでは青いものはエネルギーであり模様の溝はエネルギーが流れる回路になっていることもある。
青い塗装のこともあるし別のものなこともある。
■エングレーブ、エングレービング
彫刻、彫金のこと。アクセサリー、鎧、拳銃、小物などに施される装飾彫刻。
■フィリグリー
金属を糸のように伸ばす金属加工技法。金や銀でレースのように繊細な模様をつくることができる。
■粒金細工、グラニュレーション
金属に金の粒で模様をつけ装飾する金細工技法。鍛金アクセサリーの模様にあったりする。
■沈み彫り、インタリオ(intaglio jewelry)
彫刻、技法。アクセサリーにつける宝石や金属に模様を沈み込ませるように彫る。古代からある芸術技法。
ファンタジーでも紋章の刻まれたインタリオアクセサリーが出てくることがある。
■リバースインタリオ (reverse Intaglio)
インタリオの一種。例えば宝石の背面に薔薇を彫る、前面からは宝石のなかに薔薇の彫刻があるようにみえる。色を付けると宝石のなかに絵画があるようにもみえる。
■浮き彫り、レリーフ、カメオ
沈み彫りとは反対に模様を浮き上がらせるように彫る。カメオは宝石の浮き彫り。
■象嵌、インレイワーク 、ダマスキナード
一つの素材に別の素材を嵌め込む工芸技法。例えば金の指輪に花の形を彫りそこに花形の赤い石を嵌め込むと金の指輪に赤い花模様ができる。作り方には種類がある。
ファンタジーでも宝石に金を嵌め込んで模様や紋章をつけていたりする。金の部分は魔法で浮かび上がったりする。
宝石に金の紋章の象嵌
◆アクセサリー、その他の彫刻、技法、装飾
■エナメル、シャンルヴェ、クロワゾネ
透明な塗料。アクセサリーにつるっとした光沢を出すことができる。古代からある塗料。シャンルヴェ、クロワゾネはエナメルを使った金細工加工技法。
■ニエロ (niello)
合金。黒い金属。彫金の溝に嵌める象嵌に使われる。鎧や宝飾品などの金属装飾。
■ステンドグラス
ガラス細工、工芸技法。ガラスに色をつけて組み合わせ模様をつくる。光が当たると模様がより美しくみえる。
■フレスコ画
古代中世の壁画。生乾きの漆喰に顔料を溶かした絵の具で描く。耐久性のある色鮮やかな絵画になる。城や教会の壁画や天井画にみられる。
■モザイク画
古代中世の装飾技法。石やガラスやタイルの欠片を使って絵を描く。宝飾品のような絵画ができる。壁や床やアクセサリーの装飾にもなる。
■ジオメトリック、幾何学模様
図形や円や線などを規則的に繰り返したり組み合わせたりした模様。
ファンタジーでは服の装飾やアクセサリーにみられる。
■アラベスク
蔦、蔓草、葉、花を幾何学と組み合わせた模様。ヨーロッパ調の唐草模様。ファンタジーでは複雑なデザインとして服の縁飾りやアクセサリー、アクセサリーのフレームなど色々なものにみられる。植物ではなく魔法の光や炎など属性を模様にしていることもある。
■ロートアイアン
錬鉄を使った装飾技法。鉄を細く伸ばしたり曲げたりして模様を作る。中世のお屋敷の黒い鉄の門などにある。
■アーチ
建築技法。建造物を支える支柱の上部が半円形になっている。窓、出入り口、通路などにみられる。芸術的な建築様式としてもみられる。古代ローマ時代からある。建築様式は次世代に受け継がれていく。
建築様式の順番→(古代)ギリシャ→ローマ→(中世)ロマネスク→ゴシック→ルネサンス→バロック→ロココ
■ランセット窓、尖塔窓
ゴシック建築にみられる窓。アーチ型の窓の上部が尖っている。
■トレーサリー窓、狭間飾り
ゴシック建築にみられる窓の装飾。窓の骨組みの上部に花や幾何学模様の装飾がある。
■ローズウィンドウ、バラ窓
教会にある窓。薔薇のような形の骨組みにステンドグラスが嵌め込まれている美しい窓。
■グロテスク装飾
古代と中世の装飾。ローマ時代の皇帝ネロの神殿が砂に埋れて洞窟神殿となっていたのを中世ルネサンス時代に発見され神殿の装飾がルネサンス建築の装飾に取り入れられた。鮮やかな色彩で描かれたフレスコ画(壁画)に奇妙な草花や人や怪物がいる。不気味だが幻想的でもあるのがグロテスク装飾の特徴。
建物のグロテスク装飾には彫刻模様に怪物や人の不気味な顔がある。
ファンタジーでも敵の不気味な城にグロテスク装飾があったりする。不気味な顔の口の中にアイテムがあったり装飾から抜け出してきて敵になったりする。
■ガーゴイル
グロテスク装飾の一種。ガーゴイルという怪物の石像彫刻。古代からあり中世のゴシック時代によくある。屋根の雨樋(屋根に雨水がたまらないようにするための排水溝)に取り付けられる装飾。口から雨水を吹き出すガーゴイルもいる。
雨樋の他に家を守るための魔除けとして、教会では聖なる場所に悪いものは入れないという意味で閉め出されたガーゴイルがいるなど神秘的な装飾でもある。
■バロック装飾
中世バロック時代の装飾。草花などをモチーフにした幾何学模様の装飾を建物や家具や宝飾品につける。
ファンタジーでもあらゆる物や服やアクセサリーにバロック装飾がみられる。
■ロカイユ装飾、貝殻装飾
中世のロココ時代の装飾。貝殻や植物などをモチーフにした装飾を建物や家具や宝飾品につける。接続部分がわからず物と装飾が一体化しているようにみえるのが特徴。
ファンタジーでもあらゆる物や服やアクセサリーにロカイユ装飾がみられる。
■猫足、カブリオールレッグ
ロココ時代の家具の特徴。ソファーなどの家具の足部分が動物の足を模して美しい曲線になっている。カブリオールはフランス語で飛び跳ねるヤギ。
■テーブルクロス、テーブルランナー
テーブルクロスは食事をするテーブルに敷く布。
中世貴族は皿代わりにテーブルクロスを使っていたこともある。
テーブルランナーはテーブルの中央に敷く長い布。
■ゴブレット
金細工や宝石で装飾された杯。足付きのグラス。王侯貴族が酒を飲むときや儀式のときに使う。
◆アクセサリー、宝飾品を作る人
中世ヨーロッパでは庶民にアクセサリーを作る職人と王侯貴族にアクセサリーを作る職人がいた。
身分によって付けていい宝石やアクセサリーが決められていたりもする。
王侯貴族のアクセサリーを作る職人は地位も高く、歴史に残るようなアクセサリーを作ったりしている。
ギルドもある。
ファンタジーではエルフやゴブリンやモンスターが職人だったりする。作ってもらうには素材が必要だったりお金の代わりに特殊な対価が必要だったりすることもある。
■工房
アクセサリーを作る場所、職人の仕事場。
■宝石商
宝石を入手して売る商人。
■宝石彫刻師
アクセサリーに使う宝石を用意する職人。宝石選び、研磨、カット、宝石に彫刻を施したりする。
■金細工師、彫金師
アクセサリーに使う金や銀など貴金属を加工する職人。
金属を加工して金細工を作り宝石や留め具をつけて磨き上げアクセサリーに仕上げる。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
以下は紹介した宝飾品類の感想、補足になります。
宝飾品も服と同じで形状の説明が難しいですね。
私はアクセサリーの描写を簡単に"キラキラしてる"にしてしまうんですが詳しく伝えたいときもあります。どんな形でどこがどう輝いてるみたいにですね。なので石留めのような細かい部分も紹介いたしました。
ファンタジーで現代的な部品の名前を出したくないときは部品、パーツと表現するとよいかと思います。
フックですが現代のアクセサリーやキーホルダーに使うような小さいフックはカニカン、ナスカンともいうそうです。蟹と茄子に形が似ているからだそうです。こちらもファンタジーの世界に蟹と茄子が存在するならいいでしょうが、存在しないならフックと表現するのがいいですね。
なるべく世界観を壊したくないというのが作者さんの気持ちであり壊してほしくないというのが読者さんの気持ちでありましょうから、私もなるべく壊さない名前を探して紹介したいと思っています。
留め具などは描写されるのかな?と疑問はあるのですが、個人的に気になった知りたいと思った部分は紹介するようにしています。
インタリオや象嵌やストーンケージはファンタジーで見て何ていうんだろ?と思っていましたので名前があってくれてよかったです。
特に天空の城ラピュタの飛行石の青い宝石に金の紋章がついているのはどうやったんだろう?と気になって調べたのですがはっきりしませんでした。象嵌でしょうか。情報は自信を持ってお届けしたのですが難しいですね。
飛行石もですがファンタジーのアクセサリーはレジンという樹脂で個人でも作れるようです。
エナメルは近代に作られた科学的な塗料かと思っていたら古代からあるので驚きました。つるっとした光沢のあるアクセサリーは子供の頃のおもちゃやアニメキャラの可愛いアクセサリーにも見えて心が惹かれます。
透かし彫りは彫金の一種として紹介しましたが、透かし彫りの彫刻技法は広く使われており木や石に彫ることもあります。
ただ透かし彫りや彫金と画像検索すると中世のアクセサリーが出てきませんのでmedieval jewelry(中世ジュエリー)やmetal carving Jewelry(彫金ジュエリー)やmetalwork Jewelry medieval(中世金工細工ジュエリー)などと英語で画像検索していただくと中世ファンタジーにあるようなアクセサリーが出てきてくれます。(gioiello Medioevo)イタリア、(bijoux moyen-âge)フランスの中世ジュエリーが出てきます。画像元のサイトでは中世ジュエリーについて詳しく説明してくれることもありますが通販サイトも混じってるのでアクセスする際はご注意ください。
金細工や彫金はファンタジーではアクセサリーの他に服の装飾にもなっていますね。装飾のデザインは中世の幾何学模様、アラベスク、バロック装飾やロカイユ装飾でしょうか。ドレスや軍服やコートの縁飾りなど鎧と融合しているようで鎧に着替えずに戦えるし美しいし革新的な服だなと思います。
彫金装飾にカタカナの名前がほしいところですが、彫金の英語はメタルワークといい装飾はデコレーションといい繋げると長いですね。
同じような装飾の名前ではメタルエンベリッシュメント (エンベリッシュメントは服につける装飾のこと、メタルエンベリッシュメント→服の金属装飾)やメタルトリム (トリムは服の縁飾りのこと、メタルトリム→金属の縁飾り)などがあります。
模様を強調するならメタルアラベスク (金属の唐草模様) の縁飾りとかでしょうか。それとも「金属の縁飾りは炎のような模様」など具体的に描写するほうがファンタジーの服感がでるでしょうか。
装飾なども迷わずにサッと描写を書けるようになりたいものです。簡単に描写できるように装飾の名前も引き続き探していきたいと思います。




