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魔導学校の悪魔使い  作者: ヒロ
第一章
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『エピローグ』

「っ!」


 気がつくと、エレナはベッドに仰向けで寝かされていた。


「……ここはどこでしょうか?」


 辺りを見渡すと、目の前にはデスクとオフィスチェア、横には自分が使っているものとは別のベッドが二つ、逆側の窓からは白く輝く外灯がグラウンドを照らしていた。

 どうやらここは保健室であることをエレナは理解する。


「目が覚めたか」


 そう言って扉の傍にいたのは静川先生だ。

 彼女は缶コーヒーを片手に、空いているオフィスチェアに座る。


「あの……わたくしはどうしてここに?」


 エレナが訊ねると、静川先生は飲んでいた缶コーヒーを一旦置く。


「倒れていたんだよ。アリーナドームでな」

「……わたくしが……ですか?」

「お前、覚えていないのか」


 そう言われエレナは目覚める前のことを思い出そうとする。


「っ! そういえば」


(アリーナドームでわたくしは愚民と魔導戦をやっていたのです。それで……)


「すみません先生。この前教えて頂いた学年で一番成績の悪い生徒はなんという名前でしたでしょうか?」

「あぁ。それは植村だろ。植村蓮人」

「そ、そうですか。……では、その蓮人さんはいまどちらに? もしや死んでしまったとか?」


 突然の言葉に静川先生は飲んでいた缶コーヒーを吹き出した。


「死ぬ? 何言ってるんだお前は。あいつなら今さっき帰ったよ」


 それが耳に入ると、エレナは動揺する。


「それは本当なのですか? では、アリーナドームにはなにかありませんでしたか。その……」


 言いづらそうにするエレナを見て、代わりに静川先生が言う。


「死体か? それならあったぞ。スキンヘッドの男のな。両手両足が切断されて気持ち悪かったが」

「……そんな……そんなわけ……」


 明らかに狼狽するエレナに静川先生は怪訝な目を向ける。


「なんだ。あれをやったのはお前じゃなかったのか?」

「ち、違います。わたくしは人を切断するような魔法は使えません」

「そうなのか。……じゃあ一体誰が……」


 エレナは考える。

 あの時、アリーナドームにいたのはエレナ、蓮人、ビルドの三人。

 それでエレナはビルドから大剣を刺されそのまま意識を失った。

 そうすると残っているのは……。


(いいえあり得ません。あの愚民はわたくしとの魔導戦でボロボロに焼かれていました。そんな男があの人に勝てるとは到底思えません)


 そう考えたエレナは一向に真実に辿り着けないまま、時間だけが過ぎていった。





 スキンヘッドの男を殺し、そのまま自宅へと帰宅した俺はリビングで着替えをしていた。


『全く。この部屋に住み続けている我が主は本当に狂っておるのう』


 いきなり出てきたリリスから大分失礼な発言を貰った。


「おい、人を狂っているとか言うな。お前の殺しが面白いとか言ってる方が狂ってるからな」

『妾は悪魔だからよいのじゃ。じゃが我が主は人間じゃろう。それにこんなことはたとえ悪魔でもしないかもしれんぞ』


 不敵な笑みを浮かべるリリス。

 

 そして彼女の視線の先には白骨化した三体の遺体。


『家族が殺された部屋をそのままにして住み続けるなんてことはのう』


 五年前。


 俺の家族は全員殺された。

 

 何者かの手によって。


 それに関してわかっていることは二つだけ。


 家族を殺したのは悪魔使いだったこと。


 そして、


『なんじゃ? そんな恐い顔をして』


 目の前にいる彼女が俺の家族を殺したことだ。


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