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追放された悪辣幼女の辺境生活 〜チート魔法と小人さんのお陰で健康で文化的な最高レベルの生活を営んでいます〜  作者: もーりんもも
第一部

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19/44

19 私の魔法

 目が覚めると見慣れない部屋にいた。


「あ。そうだった。私の部屋だ」


 あの小人らしき謎の集団が置いていったソファーとローテーブルがある。

 えーと。さっき領民たちに挨拶していて、急に具合が悪くなって倒れた――のかな?


 それにしても、ここに来てから倒れてばっかだな。ストレス?

 人の上に立った経験がないから、自分でも気がつかないうちに重責を感じていた?

 まあ、とにかく今後のことを話さなきゃいけないし、何よりお腹が空いた。


 一人ぐらい側についていてくれてもいいのにと思ったけれど、まあ教育が行き届いていないので仕方がない。






 一階に下りたら話し声が聞こえたので、声のした方へ向かう。

 どうやら厨房に集まっていたらしい。

 まさか、自分たちだけでご飯を食べていないよね?

 厨房のドアは開けっぱなしになっていたので、ノックしないで入る。


「ちょっと! あなたたち!」


 ちっ。本当に食べていやがった。このヤロー!


「お嬢! 気がついたんですね。いやあ、よかった」

「『よかった』じゃないでしょ! ご主人様を放ったらかしにして自分たちだけでご飯を食べるなんて信じられない!」

「まあまあ。すぐにお嬢の分も用意しますから。マイア、リミ」


 アルフレッドが指示を出す前に、マイアもリミも私を見て立ち上がっていた。

 公爵邸でのシャーロッテの恐怖政治の賜物かもしれない。


「は、はい。シャーロッテ様のお食事の用意ですね」

「あ、マイア。お茶は私が淹れるから、食事の方をお願いね」

「うん」


 それで? まさか領主の私が、ここで使用人と一緒に食べると思ってないよね?


「ははは。ご心配なく。ダイニングルームに運びますから。お部屋の場所は分かりますよね?」


 ムッ。一人で行けってこと?


「ああ、はいはい。ご案内しますよ」


 ……こいつ!






 結局、パンとスープだけの食事を取って――温かいものを食べると少し落ち着いた。

 食後の紅茶を飲みながら起きたことを整理する。


1.すぐ倒れてしまう原因


  アルフレッドが最初に言った『魔力切れ』か?


2.無属性でも魔法が使えるのか


  魔法が使えるなら何魔法?


3.小人は実在するのか


  もしあれが幻覚じゃないなら、何きっかけで出現した?


4.『使役』とは? 女神との会話と関係ある?



 ざっと思いつくとしたら、こんなもんかな。

 1と2についてはアルフレッドの知識だけが頼りだ。

 侯爵家の令息ならそれなりの教育を受けているはず。


 それで……アルフレッドに用があるんだけど、人を使って呼びにやらせるにも、その人間を捕まえに行かなきゃならない。

 もうカウベルみたいなのを持ち歩こうか。

 あー、イライラする。

 そもそも私が、「お茶のお代わりが欲しい」と言うかもしれないっていう発想はなかった?

 領民に手頃な子どもでもいたら伝言係として雇うのに。ジジババしかいなかったからな。


 仕方がないので呼びに行くか、と思っていたらアルフレッドがやって来た。


「あ、お嬢。お食事はお済みのようですね」

「遅い! アルフレッド。ちょっと考えてちょうだい。私の側に使用人が一人もいないっておかしくない? 用を言いつける前に私がいちいち使用人を探すなんて」

「あははは。探すだなんて、また大袈裟なことを。名前を呼ぶだけじゃないですか。そもそも、使用人っていってもメイドを二人しか連れてきていないんですよ? ただでさえ仕事が多いのに、お嬢の側に侍るだけが仕事だなんて許されませんよ」


 ぐぬぅぅ。


「まあ、いずれは雇うとして、そういうことも含めて、お嬢とは先のことを話し合わないといけませんね」

「そうよ! やっと私と話し合う気になったのね」

「『やっと』って……まあ、はい。では――」

「私の魔法について教えてちょうだい!」

「はい?」


 そんな間抜け(づら)はいいから、答えてよね。


「そういえばお嬢は『風属性じゃない』っておっしゃっていましたね。無属性って聞いた気がしますが、聞き間違いですよね? 落ち着いた今なら真面目に答えてくれますよね。さあ。何の属性なんですか?」


 くぅぅ。それを何度も言わせないでほしい。


「一度だけ言うから、誰にも言わないでよ?」

「え? どうしてですか?」

「命令よ! 誰にも言うな!」


 そこまで大袈裟に反応しなくてもいいのに、いい大人のアルフレッドが私を怖がるようにビクンと体を震わせた。


「……これは一体? 今、何だかお嬢に逆らっちゃいけない気がしました。お嬢が挨拶をしている時にも感じたんですけど。あの時、心臓を誰かにギュッと掴まれたような、気持ちの悪さを感じました。領民たちも苦しそうにしていたので、おそらく同じことが起きていたんだと思います。あれは――もしかして、お嬢の魔法ですか?」


「それについて相談したかったのよ。まあどうせバレるだろうから言うけど、私、『見極めの儀』で神様から属性を教えてもらえなかったよ。そしたら、神官が『無属性だ』って。失礼よね」

「……」

「でも子どもの頃から魔力は多いって言われていたのよ?」

「……」

「ちょっと! さっきから何を黙ってんの? 普段ベラベラ喋る奴が急に黙ると、気持ちが悪いんだけど」

「お嬢。『無属性』と言うのは私も聞いたことがありません。でもお嬢が倒れたのは、魔力が枯渇して倒れたとしか思えないんですよね。これまで同じような倒れ方をする子どもを何人も見てきましたから。それに、この屋敷の蘇り方は尋常じゃありません。魔法以外には考えられませんし……」


 無属性って前例がないの? なんか奇病みたいで嫌なんだけど。


「お嬢は『見極めの儀』で、神様の声が聞こえなかったんですね。そうなると――」

「ちょっと待って! 声なら聞こえたわよ」

「え? それなら成功じゃないですか」

「ただ名乗らなかったのよ、その女神は。挙げ句の果てにボソボソと小声で呟くものだから――」

「いやいや。そこはちゃんと聞かなきゃ駄目でしょう。不遜な態度で真面目に聞かないから、自分がどんな魔法を使えるのか分からないんじゃ――」

「はぁん? 全部私が悪いって言うの?」

「落ち着いてくださいよ。何か覚えていることはないんですか?」


 覚えていること? あの女神が言ったことで?

 あーそういえば――。


「ええと。『建築』と『使役』だったかしら? それって何魔法よ!」


 思い出しただけで腹が立つ。


「お嬢! それですよ! 建築なんていかにも屋敷と関係がありそうじゃないですか。ただそんな魔法は聞いたことがありませんけど……。一体何の属性でどんな魔法なんでしょうね……? それに使役っていうのが、ちょっと響きが怖いですが、領民たちのあの様子はお嬢に屈服させられていたのかもしれないですね。あ、うわっ。俺もか!」


「『屈服させる』だなんて。私は暴君じゃないって言ったでしょ! でも――じゃあ私はやっぱり魔法を使ったのね?」

「間違いないと思います。それもいきなり全力でやっちゃったみたいですね。もう少し加減を覚えた方がいいですよ。魔力を枯渇しても死なないとはいえ、体に負担がかかるのは事実ですから。特にお嬢はまだ子どもですからね」


 ムッ。まあそうだけど。


「加減するってどうやるの? そもそも私は魔法を使おうと思って使ってないんだけど?」

「え?」

「は?」

「いやあ、それは……ちょっと……本当にどういうことなんですかね……?」

「あなたは昨日今日魔法を使い始めた訳じゃないでしょう? 何か心当たりとか、こういうことに詳しい人を知っているとかないの?」


 茶化されると思ったら、意外にもアルフレッドは真剣に悩んでくれた。

 ……で?



「……………………いや。まるで分かりませんね」


 このヤロー! 長考するから期待しちゃったじゃないの!


「ん? そういえば小人がどうとかおっしゃっていましたね?」

「……!」

「詳しく聞かせていただけませんか? そもそも小人っていうのは子どもとは違うのですか?」


 え? マジで?

 ってか、この世界に小人っていう概念はないの?


「それはなんていうか。ちょっとぼうっとしていた時に夢を見ていたんだと思うわ」

「怪しい……言いたくないんですね?」

「なっ! 部屋にソファーとローテーブルが欲しいなって思っていて、そのままうとうとしていたら、小人たちがどこかから現れて作ってくれたのよ。小人っていうのはね、そのまま『小さい人間』っていう意味よ。どう? 満足?」


「すごいじゃないですか! どうやら間違いなさそうですね。その小人っていう言葉自体をお嬢がご存じなのが証拠です。誰も知らないのに、誰からも教わっていないのにお嬢は当たり前のことのように分かっていますよね? それはその魔法が使えるように力を授かったからです。となると、領主館の掃除もその小人の仕業ですか? お嬢が、『綺麗にしろ』って命じていましたものね」


 ん? そう言われてみれば、辻褄が合ってる?


「アルフレッド。あなた……真面目に言ってる?」

「真面目に言っています」

「じゃあ、あなたはその小人が『建築』の魔法だと思うの? それとも『使役』? 私は小人を使役できるの?」

「うーん。難しいですね。お嬢と同じ魔法を使える人間なら答えられると思いますが、私には分かりかねます。私から言えることは一つだけです」

「何よ?」

「その小人に命令する際は、よくよく注意をしてください。あまり大き過ぎる物を作らせたりしないように。とにかく自分の魔力の限界を超える注文をつけないようにしないと、意識を失って途中で強制終了の繰り返しですよ」


 げっ。ヤバいじゃん。

 もしかして――。

 私、自分の魔法の制御ができないと、小人たち(アイツら)に魔力をいいように食い尽くされちゃうんじゃない?

 魔力の枯渇を繰り返したらどうなるんだろ?

 アルフレッドに聞いても、どうせ、「そんな人はいません」って言われるのがオチだな。


 廃人になったりしない? まさか最悪の場合は命に関わるとか?

 でも小人に分からせるってどうやればいいんだろう?

 意思の疎通の仕方が分かんない。


 でもまあ、なんだかんだで四つの疑問についてはおおよその答えが得られた。

 後でゆっくり考えよう。




 …………あれ?

 そういえば建築と使役以外にも、マンションをくれるって言ってなかった?

 まさか、マンションをくれる代わりに、「屋敷を綺麗にしてあげただろ?」って言ってる?


 手ぇ抜くんじゃないよ‼︎ 全然ちげーだろ‼︎

 女神、出てこいやー‼︎

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