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判明したこと


「ねぇ、ヴァルク」


 条件に当てはまりそうな悪魔が見つかったんだけれどと言われたのは、それから間もなくしてのこと。


「見つかったんですか?」

「ええ。けど、これは何と言っていいか……」


 口ごもるミリティアにどうしたんですかと問えば、見せられたページに書かれていたのは、アークデーモンについてだった。


「あー」


 内容を読めば、口ごもった理由はあっさり見つかった。


「最上級の悪魔に従う上位悪魔で無数に存在する、ですか」


 つまり、あの悪魔の言う主が最上級の悪魔の一人であの悪魔自体、最上級悪魔に従う悪魔の内のどれか一人だよ程度にしかこの内容ではわからない訳だ。


「手がかりと言うにはちょっと微妙、ですね」


 主の方が最上級悪魔のいずれかに絞れたものの更にページをめくってゆくと候補の数は五十以上。炎をつかさどる悪魔、と言ったようにそれぞれが何らかの司るモノを持ち、配下の上級悪魔も主の司るモノを使いこなすともあるが。


「あてずっぽうと言う訳にもいきませんし。一応手がかりはあるんですが」

「あるの?」

「ええ、僕の技能で取りだせたと言うことは、その最上級悪魔はどこかで書物に封じられたことがあるはずです。ので、候補は封印された悪魔に絞れる筈」


 相手がどのような能力を持つのかだけでも知れるのは大きい。


「そう言うことね。わかったわ、探してみる」


 そう言うとミリティアはこちらへページを見せていた本を再び読み始め。


「では僕は僕で技能の方を――」


 ここに来る時テンパったのは何だったのだろうと思える程色気とは無縁の光景の中、僕はただ黙々と技能を使い続ける。


「ふぅ、またですか」


 暖炉の脇に置く本が増えて行く。燃やしてしまうとまた同じ本を復元することになる為、今はまだ積むだけだけれど。


「こういう本ばかりじゃ」

「ヴァルク、見つけたわ!」


 ないんですけどねと言う前にミリティアの声が被さって、僕はすぐさまそちらを向く。


「時を司る悪魔。当初は時を止める力を持つのみだったものの、時を遡る力を身に着けようとしたことに危惧を抱いた他の最上級悪魔と数名の神が協力して書物に封じ込めたのだそうよ」

「時、なる程」


 いつの間にか出現したあの悪魔がその力の一部を扱えたのだとしたら、一見人目を気にしないような再登場にも急に現れたように感じたことにも説明はつく。



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