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第13話「継心」
語り終えると、しばらく沈黙が続いた。
外の風が、
戸をわずかに揺らす音だけが響く。
跡継ぎは、ゆっくり息を吐いた。
胸の奥で、
何かがほどけるような感覚があった。
赤鈴は、
命と向き合った時に鳴る。
白鈴は、
命に手を差し伸べた時に鳴る。
そして——
青鈴は、
命を見送る覚悟を持った時に鳴る。
点だった記憶が、
一本の線になる。
あの日々が、
ひとつにつながっていく。
椅子を倒す勢いで立ち上がると、
目の前の男は、楽しげに笑った。
「そういうことだ」
跡継ぎの視線を受け止め、
大神様は静かに言った。
一拍おいて、続ける。
「鈴が教えてくれたと思うか?」
「違うな」
「選んできたのは、
いつもお前自身だ」
言葉が、
胸の奥に落ちる。
跡継ぎは何も言えなかった。
思い返せば、
迷った夜ばかりだった。
正解など、
一度も分からなかった。
それでも——
戸だけは閉めなかった。
大神様は、わずかに目を細めた。
「これからも迷え。
迷いながら、
戸を開け続けろ」
「それで十分だ」
大神様は立ち上がり、
戸口で振り返ったる。
その姿が、
一瞬だけ大きく見えた。
まるで——
次に灯りを守る者を確かめるように。
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最終話「始まり」




