19話 古都な世界1 5/8
「せいなにも似合いますよ、開けてみてください」
「うん、……わあ、可愛い……!」
包みから出てきた淡い水色の扇子に、せいなは感動して声をあげる。
そのままぱたぱた仰いで風を楽しみ、嬉しそうに笑った。
「ありがとう……!」
「とんでもないです、選ぶのとても楽しかったんですよ」
「分かる!! うちもすーっごく楽しかった!!」
「ゆきも分かる気がするー、これ、早く見せたかったもん」
そう言ってこゆきは写真をテーブルの真ん中に置いた。
木の上から撮った、町並みを一望したあの写真だ。
「えっすごいすごい、こんなふうになってるんだー!! きれいだね!!」
あかりは身を乗り出して写真を食い入るように見つめる。
「本当にきれいな景色です……! あ、この大きな鳥居って」
「うん、多分課題のやつー」
「なるほど、これで方角が分かったということなんですね」
つくよも感動して、続いたこゆきの説明に納得したように頷いた。
そうしてお土産を眺めたり、写真の感想を言い合ったりしているうちに、頼んでいた食事が届く。
「ではみなさんご一緒に!!」
あかりが掛け声をかけ、4人同時に挨拶をする。
「「「「いただきます!」」」」
「ふう、美味しかったー!!」
「また来たいですね」
「食べたら眠くなってきたー」
食事を終えてまた通りに出る。こゆきはお腹をさすりながら小さくあくびをした。
せいなが写真を持って右を指差す。
「えっと……こっちだと思う」
「了解、行こーう!!」
今度ははぐれないように、4人一緒に歩き出した。
その途中、大きなのれんに『陶芸体験』と書かれた店を見つけた。
「陶芸……面白そうです」
「つくよ、やりたいのー?」
「でも、せっかく目的地も分かりましたし……」
「いいじゃん、やろうよー。たぶん楽しいよー」
「そうだよ!! もう来られないんだし!!」
こゆきとあかりに勧められ、悩んでいたつくよはぱっと顔を明るくさせる。
「じゃあ、みんなでやりたいです!」
「うん、みんなでやろう!!」
4人はにこにこと笑いながら、そののれんをくぐった。
「よろしくお願いしまーす!!」
中にいた先生に教わりつつ、4人は土を練っていく。
「何を作るんですか?」
「ないしょー」
「じゃあ、自分も……」
こゆきに便乗したせいなが微笑んで言った。
「ふふ、楽しみです」
つられるように笑ったつくよはそう言って、作業に戻る。
しばらくして全員が形を整え終わらすと、陶器を焼く段階に入った。
焼きあがれば色を塗って模様をつける作業だ。
「うちはどんな色にしようかなー?」
「悩むよね……」
「思いつかないなー」
「私は成形しながら、ぼんやり決めてました」
おおー、と感心してこゆきが声をあげる。
そうして雑談や相談をしているうちに陶器は焼きあがり、絵の具と一緒に4人の前へ。




