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17話 漁港な世界1 11/11

「絶対無敵、発動!!」


 そう宣言した瞬間、身体の内側で力がみなぎり、身体が軽くなっていくような感覚に包まれる。


 身体能力を最大まで強化したあかりは、その場でしゃがみ込み、湾内に向かって全力で跳躍した。


 コンクリートの地面を蹴った直後、地上が遠のいた。矢のような速度で湾内を飛翔する。一階の跳躍では飛距離が足りないことは判っていたので、湾内を移動している漁船の屋根に一度着地する。


 屋根の鉄板が、ごん、と鈍い軽い音を立てた。軽い衝撃はあるが、痛みはない。すぐに二度目の跳躍を行う。低空を舞う海鳥たちよりも、高く、速く、あかりは空を駆ける。



「つくよー!!! せいなー!!!」



 防波堤の上に見えている二人が、声に気付いたらしい。辺りを見回している。つくよとせいながこちらに気付いた直後、あかりは防波堤の上に軽やかに着地していた。



「ひえっ……!?」


「なっ……あかり!?」



 混乱している二人の言葉を遮って、あかりは叫ぶ。



「私についてきて!! こっちにこゆきがいるから!!」



 それだけ言ったあかりは、今度は港の入り口に向かって全力で駆け出す。



「は、はい!」



 つくよとせいなの二人の足音が、追いかけてくる。



「って、うわ!?」



 世界の色が急に色褪せ始め、反射的にあかりは叫んだ。正午を迎えたらしい。


 前方に見えるこゆき以外の世界が徐々に彩りを失い、薄らいでいく。



「間に合えええ!!」



 そう叫んだ直後、視界が白く染まり転送が始まった。








 見慣れたこたつ部屋へと戻ってきた四人の中で、最初に行動したのはこゆきだった。


 おもむろに腰を上げると冷蔵庫の前に立ち、扉をゆっくりと開ける。



「おー…………みんなー。お魚ゲットしたよー」


「ホント!?」



 声を上げたあかりに続き、つくよとせいなも冷蔵庫の扉の中を覗き込む。


 大量の魚が、ラップに包まれて保存されていた。



「これ、ゆきの釣った魚だよー」


「……お題達成、なのかな?」



 室内を見回すせいなに、あかりが言う。



「大丈夫でしょ! こゆきの釣ったこの魚も、持ち帰れてるんだし!」



 嬉しそうにそう言い切ったあかりは、つくよに顔を向ける。



「つくよ。うち、焼き魚作ってみたいんだ!」


「あ。自分は煮付けを作ってみたい」


「いいですよ。じゃあ、お昼ご飯は、私と一緒に作ってみましょうか」


「ゆきも、自分で釣った魚を捌いてみたい」



 あかりとせいなと同じように、こゆきも手を挙げるのを見て、つくよは微笑する。



「では、四人で調理してみましょうか」


「「「おー!」」」



 四人はぞろぞろと、キッチンへと向かうのだった。

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