【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】新規SSS級ユニークスキル【盟約の円環】保有者、及び関連パーティメンバーに関する初期評価と、今後の対応について
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
文書コード: GHHQ-INT-20XX-XX-SK
作成日: 20XX年X月XX日
作成部署: 国際公式ギルド・極東支部・特異人材監視課
件名: 新規SSS級ユニークスキル【盟約の円環】保有者、及び関連パーティメンバーに関する初期評価と、今後の対応について
1. 監視対象の概要
主要対象: 佐藤 健司、35歳、男性、日本人。兼業冒険者(システム管理課・課長)。
保有ユニークスキル: 【盟約の円環】(等級:SSS)
現状: 週末のみの活動にもかかわらず、探索者資格取得後わずか2週間でレベル1からレベル17へ到達。これは、ギルドが観測してきた過去10年間の全ての新人探索者の成長記録を、数倍上回る異次元レベルのスピードである。
2. 監視状況と情報収集
当課は、対象パーティの結成当初より、その動向を注視してきた。情報収集は、ギルドが管理する神話級アーティファクト**【アカシャの天球儀】**を通じて行われており、対象パーティのステータス、スキル構成、交友関係、ダンジョン内での全行動ログは、常にリアルタイムで把握済みである。
3. 主要対象(佐藤 健司)の行動原理と脅威レベル評価
行動分析: 対象・佐藤健司は、自身のユニークスキルが持つ、世界の理を覆しかねないほどのポテンシャルを、まだ完全には理解していない。むしろ、その力を「面倒なもの」「呪い」と捉え、その異常な成長速度に、当事者でありながら恐怖すら抱いている様子が観測されている。彼の行動原理は、ローン返済と税金対策という極めて個人的かつ現実的なものであり、積極的に世界の理を壊すための行動、あるいは既存秩序への反逆といった思想を持つ可能性は、現時点ではゼロと判断している。
脅威レベル評価: 行動と思想は「E(無害)」。しかし、保有するユニークスキルの異常性は、“JOKER”が保有する【運命の天秤】と同等のポテンシャルを秘めている。したがって、総合的な脅威レベルは「B(要注意)」とし、今後も最高レベルでの要監視対象とする。
4. パーティメンバーと、ユニークスキルの詳細分析
現在、佐藤健司のパーティは、以下の三名の女子高生で構成されている。彼のスキル【盟約の円環】の効果により、彼女たちのユニークスキルは、相互に共有・増幅され、驚異的なシナジーを生み出している。
対象A:天野 陽奈、16歳
保有ユニークスキル: 【至福のひとさじ】(初期等級:E)
盟約による増幅効果: 等級がDに上昇。パッシブスキル『食後の優雅な戦闘』を獲得し、「アイスを食べた後、その日一日の間、獲得経験値が100%アップする」という、世界のレベリングバランスを完全に破壊する効果が付与された。これが、彼らの異常な成長速度の直接的な原因である。
対象B:星野 輝、17歳
保有ユニークスキル: 【幸運は二度ベルを鳴らす】(等級:C)
盟約による効果: パーティメンバー全員がこのスキルを共有するため、ドロップ複製確率が5%から20%(4人分)へと加算的に上昇している。これにより、パーティは驚異的な金策効率を実現している。
対象C:兎月 りんご(うづき りんご)、17歳
保有ユニークスキル: 【気紛れな奇跡のルーレット】(等級:B)
盟約による増幅効果: パッシブスキル『奇跡のストック』を獲得。確率で発動する魔法を、任意で「ストック」し、好きなタイミングで100%発動させることが可能となった。これにより、本来は極めて不安定なギャンブルスキルが、恐るべき戦略兵器へと変貌している。
5. 最大の懸念事項:兎月りんごの潜在的可能性
特に要注意なのは、対象C・兎月りんごのユニークスキル【気紛れな奇跡のルーレット】である。
当課のシミュレーションによれば、今後、佐藤健司との「絆」がさらに深まり、彼女のユニークスキルがSSS級まで成長した場合、そのルーレットのテーブルには、既存の神話級アーティファクト、あるいは既存のSSS級ユニークスキルである**■■■■■■■■と同等の能力が、**当たりとして追加される可能性が極めて高い。
シミュレーションで確認された、将来的に発現しうる能力は以下の通りである。
【時の凍結】: 限定的な範囲の時間を完全に停止させる。(すでに発現済み)
【因果律の改竄】: 過去の特定の事象に、限定的な干渉を行う。
【空間の跳躍】: 大陸間をも超える、超長距離の瞬間移動。
【生命の創造】: 無から、限定的な生命体を創造する。
【魂の複写】: 他者のスキルや記憶を、限定的にコピーする。
これらの能力は、一つ一つが世界の理を覆すほどの力を持つ。彼女のスキルは、時の止めから始まり、ほぼ全能能力と言える領域にまで進化する可能性を秘めているのだ。
6. リスク評価と、当面の対応
リスク評価: 幸い、彼ら彼女らの人間性は、ギルドの心理分析プロファイルによれば、一般水準より上であると評価されている。自己顕示欲や破壊衝動は低く、仲間を思いやる心も持ち合わせている。そのため、その強大な力が暴走する可能性は低いと判断する。だが、その力のあまりの異常性から、要監視対象であることに変わりはない。
情報統制: 幸い、初期から我々が彼らの配信チャンネルや関連スレッドのログを監視し、過度に注目を集めないよう、限定的な情報操作を行っているため、彼らと彼女達が国際公式ギルド以外にバレる可能性は、現時点では低いと考えられる。
結論: 以上の分析から、当課は、対象パーティを**「最高レベルの要監視対象」であると同時に、「最高レベルの保護対象」**として指定することを、最高幹部会に具申する。彼らの存在は、世界のバランスを崩壊させかねない劇薬であると同時に、人類を次なるステージへと導く、希望の光ともなりうるからだ。彼と彼女達が、自らの力を正しく理解し、そして制御できるようになるS級まで成長するまでは、我々ギルドが影から、その全ての脅威を排除し、その成長を見守る義務がある。
この報告書もまた、最高機密として、アーカイブの最深部へと封印するものとする。
以上。




