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第28話  「決闘とヲタ通」


ここは、この国の闘技場。

クミは、その場に立っている。これから風間との決闘が始まる。しかし、前日、食べ過ぎたクミは、レベルダウンしていた。


【国府田 久実】

レベル:9→ 8

体重:85kg → 87kg

筋力:23→ 21

体力:29 → 27

魔力:54 → 52

敏捷:16→ 14

知力:49 → 47

運:1 → 1


そして、今、目の前に風間と何故か竜也、リク、幸一が立っていた。


そんな時に、リリナのアナウンスが始まった。


「今日は、勇者 『コザ』と冒険者『クミ』の決闘を行います。まずは、赤コーナー、冒険者『クミ』冒険者ランクD 、レベル8です。まあ、このクラスの冒険者でそれなりレベルです。そして、青コーナー、あれ、4人いますね。こちらの情報では、勇者『コザ』レベル80ですが、後の3人は?どなたですか?」


審判もかなり戸惑っている。


「行くぞぉぉぉぉ!!」


「「「おおおおお!!!」」」


何故かテンションが高い4人、そんな様子に、審判だけでなく、観客の冒険者達が戸惑っている。

当然のように4人で、勢いよく飛び出してきたので俺は慌てて後ろへ下がった。


「だから何で四人なんだよ!!」


俺の言葉は無視された。


「さあ!!正々堂々と勝負だ!!」


すると観客席から一斉にツッコミが飛んだ。


「意味がわからねぇ!!」


「いや卑怯だろ!」


「どこがだ!!」


「四対一じゃねえか!!」


「お前ら、正々堂々って言葉を知っているのか!?」


観客席からも野次が飛んだが、風間たちは気にする様子もなく剣を構える。


「俺たちは勇者パーティーだ!!パーティーで戦うのが当然だ!!よって、何も問題ない!!」


後ろの三人も頷いている。


「「「そうだそうだ!!」」」


俺は頭を抱えた。


「問題しかないだろ……」


流石にこのままでは、観客も暴動を起こしかねない。意味がわからないとはこのことだ。すると、風間は、こう叫んだ。


「決闘の誓約書をよく見ろ!!ちゃんと、俺たちは、パーティーで戦うと書いてある」


観客から怒号が飛ぶ。


「そんな馬鹿は話があるか!!ギルドはどうなんだ!!」


するとリリナが慌てて書類を取り出した。


「おかしいですね……普通は一対一のはず……」


観客も頷く。


「そうだよな」


「流石に四対一はないだろ」


「ギルドが許可するわけ……」


ぺらっ。


リリナが申請書を確認する。しばらく沈黙。


「あ!!」


「え?」


俺が嫌な予感を覚えて、彼女の方を見るとリリナが顔を引きつらせる。


「か…書いてあります……」


リリナのアナウンスが響いた。


「は?」


「どこに?」


リリナが紙を掲げた。


「皆さん、今回の決闘状の2枚目を見てください。紙の端にとても小さく書かれています」


そこは、よくある契約書の裏にあるようなあの小さな文字でびっしりと書かれている欄の一項目

観客席のみんなも決闘状を目を細めて見ている。


「見えねぇ」


「何も見えねぇ」


「字が小さすぎる」


リリナが


「そこに、『勇者パーティーで参加可』と書かれています」


「ちっさ!!」


「見えねぇよ!!」


「米粒か!!」


「蟻でも読めねぇぞ!!」


観客席総ツッコミが入っているが、風間は胸を張った。


「ちゃんと書いてある」


「勝ち誇るな!!」


リリナも頭を抱えた。


「よく受理されましたね……」


するとナビ子が淡々と言った。


《ちなみに文字サイズは0.5ポイントです。老眼の方は読めません》


「ちなみに文字サイズは0.5ポイントです。老眼の方は読めません」とリリナが話すと


「小さすぎるわ!!」


「そういう問題じゃねぇ!!」


「これ契約詐欺だろぉぉぉ!!」


俺が叫ぶ。すると観客席からも、


「そうだ!!」


「詐欺だ!!」


「こんなの無効だろ!!」


大合唱が起こり、俺は少し安心した。まともな人はいた。しかし、リリナが決闘状を見ながら首を傾げた。


「うーん……クミさん」


嫌な予感しかしない。


「ちゃんと読んで署名しました?」


「してない」


「え?」


「リリナさんが王城から来たので拒否できないって言うからそのままサインした」


沈黙、リリナが言った。


「それクミさんが悪いですね」


「は?」


観客席では、大爆笑が起きた。


「まあ……」


「読まずにサインしたならな……」


「自己責任だな……」


「契約は契約だし……」


「お前らさっきまで詐欺だって言ってただろ!!」


☆☆☆


観客席の中、銀髪の女性冒険者がいた。そして、その横には、おびえた表情のルナがいた。


「ルナ」


「ひゃい…なん…なんでしょうか?」


「あんな決闘状、誰が作った?神聖な決闘を穢すものだぞ」


その奥底が知れない、眼圧でがルナを押さえつけた。ルナもこの国の魔導士長を務める女、つまり、エストリア帝国で最強の魔法使い。そんな彼女がおびえるような力を彼女は持っている。しかも、その能力を誰にも気づかれないように隠しているのだ。


「あ...あれは、勇者が無理矢理。衛兵長に作らせたものだと思います」


「そうか...衛兵長もかわいそうに…」


☆☆☆


ナビ子が追い打ちする内容をリリナに伝えた。


「ちなみにクミは決闘状を開いていませんでした」


リリナの言葉に観客はどっと沸いた。


「開いてもないの!?」


「読んですらないのか!」


「完全に自己責任じゃねぇか!」


クミが勇者たちに背を向けて、観客方に向かって叫んでいる。


「そっちにつくなよ!!」


そんなおバカな光景を見て、銀髪冒険者がボソッと呟いた


「面白いな」


「な…何がです?」


「勇者より面白い」


そして、リリナさんが決闘条件を読み上げる。


「なお勝者への報酬として――」


ぺらっ


「敗者クミは、結奈さんとのパーティー契約を解除し、勇者パーティーへ移籍させるものとする」


クミが固まった。


「はぁあああ?」


その光景を見たミリアとフィリアが怒って叫んだ。


「クミ!!何をかけているのよ!!」


「そうですよ」


「中身を見ていなかった。すまん!!…あっ」


一方、風間を胸を張った。


「当然だ。結奈は勇者パーティーにふさわしい。キモブタにはもったいない」


頭が痛いとクミが頭を抱えているとリリナのアナウンスが流れた。


「よって、この決闘は、4対1で行うことが正式に受理されました」


「俺!!認めていませんが!!」


「ここにちゃんとサインがあります。よって、決闘を受けなければ、あなたの負けが確定します」


クミは溜息を吐いた。


「はぁぁぁぁぁ……めんどくせぇなぁ……もういやだ…帰ろりたい…」


その瞬間。


ゴゴゴゴゴゴゴ……


結奈の周囲から黒い魔力が噴き出した。


フィリア


「まずいです」


ミリア


「結奈が怒った」


ルナ


「あ、終わった」


横にいる銀髪の冒険者


「なんだ、あの覇気は」


《警戒情報!!!警戒情報!!結奈から魔王覇気を観測しました》


「誰が……」


ゴゴゴゴゴゴ


「誰が勇者パーティーに行くって?私はクミ君のパーティーです!!」


観客は、結奈の言葉に盛り上がった。


「おおおおお!!」


結奈は、右手を高く翳した。すると、右手には黒い炎が出来上がって、周りには青白い稲光がバチバチと光、走っている。


「クミ君!!そこに直れ!!漆黒爆炎魔法――」


クミはゆっくりと観客席から下がっている。


「待て待て待て待て!!」


黒い光がぎゅるるるーーーと渦を巻いた。


「滅びなさい♡」


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!


クミの横で大爆発。


「ぎゃあああああ!!」


俺は全力で逃げた。


「結奈ごめん!!」


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!


「冗談だから!!」


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!


「ぎゃあああああ!!本気じゃないから!!」


「クミくんも同罪です♡」


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!


「なんで!?」


観客席大爆笑している。そして、さらなる悲劇が起きた。逃げ回るクミを狙った爆炎が、少しだけ軌道を逸れて、風間たち直撃した。


風間がそれに気づいた時には遅かった。


「ん?」


リクも


「え?」


幸一も


「まさか」


そして竜也も


「こっち来る?」


ドゴォォォォォォン!!


「ぎゃああああああ!!」


観客席はその光景を見て大爆笑した。


「勇者ーーー!!」


「巻き込まれたーーー!!」


「まだ決闘始まってねぇぞ!!」


☆☆☆


闘技場は大混乱している。結奈の直撃を受けた風間たち勇者パーティーが横たわっていた。


「救護隊!!早く!!」


リリナは、混乱の収集に追われていた。すると、ナビ子がリリナに話しかけた。


《リリナさんにナビ子から魔道拡声器に直接アクセスしますが、よろしいですか》


「お願いします」


《リ》


「り?これから実況は、ナビ子さんに実況をお願いします」


すると魔導拡声器からナビ子の声が響いた。


《ナビ子でしゅ…》


噛んだ…噛んだ…


《安心してくさい》


不安ばかりなんだけど


《ここから、リリナさんが戻ってくるまで私がアナウンスさせていただきます》


おお!!まともになった。


《先程の攻撃で、勇者パーティーは、壊滅しました。現在、救護班が全力で治療に当たっています》


決闘はどうなるのかな


《安心してください。魔導士長のルナ様が治療しています。1時間ほどかかりますので、結奈さんにお願いがあります》


「え?私?」


《競技場は、空いていますので、思う存分クミを攻撃しても大丈夫です》


「そう♡。いいの♡」


《はい。悪いのはすべてクミです。やっちゃってください」


「なんで~!!俺が~!!」


ドゴォォォォォォン!!


「うぁああああ!!」


読んで下さりありがとうございます。

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