集団の奇襲
人物紹介
【ムチダ・クリッテ】
国王。イッタやマンダリン、ナニィといった子供たちを愛している。
ナニィに”雲さんの上の話”をした後、”八星の奥には何もない”とイッタに告げた。
【フレイジス・コルエス】
「……はっ!」
俺は確か……自爆で……
目が覚めたら待合室にいた。
「あ、起きました!?」
「オイシーネ……?」
「あの時自爆しようとしたコルエスさんを、フエーラーが阻止して気絶させたんです。」
「本当に死んじまう位の自爆だったからな。死ななくて良かったぜ。フエーラーに感謝しなきゃな。」
そうか……自爆出来なかったか……
死ぬつもりは一切ないが、二人の言う通り威力を高めすぎて死にそうだったかもしれない。
「フエーラーは先に行ってる。新しい順位が発表されてるぞ。」
7ラウンド分の試合が終わった。
ただ……
「俺が寝てる間、8位と9位が戦ったのか?」
「いえ……」
「さっきまで戦ってたが、ハクーバがまたしても降参したんだ。」
「“可愛いその身体に泥を塗れない”とか言ってましたね。それで女子だけじゃなく……男子にも人気が出ましたよ。」
「男子にもか?」
「はい……相手が学年一と言って良いほど可愛くて、その上クリッテ国王の実の娘ですから。」
そういえば国王の娘が今年この学園に入ったというのは聞いた事がある。
「一般クラスの順位変動戦は種目が違うからな。それに、あの大勢の中で1位になれるんだから相当の実力って事だと思うから楽しみだ。」
王族の第一王女”マンダリン・クリッテ”。
購買で一般クラスの生徒が良く噂をしている。
”アイドルのような体つきとは反対に恥ずかしがり屋で優しい”らしいが詳しくは知らない。
「とにかく順位見に行こうぜ。」
俺達三人は順位が張られてあるボードを見た。
『更新された順位』
→ 1位:チオニス・フエーラー 全勝
→ 2位:フレイジス・コルエス 6勝1敗
➚ 3位:ベリリフィア・ゲソダーネ 3勝3敗1引 (月末試験の結果による差)
➘ 4位:ゲドフ・スーギール 3勝3敗1引
→ 5位:ザイン・パンチズ 3勝4敗
→ 6位:タンソフィア・ゲソダーネ 2勝4敗1引 (月末試験の結果による差)
→ 7位:パフエア・オイシーネ 2勝4敗1引
⇧ 8位:マンダリン・クリッテ ≪スターエイトに昇格≫
元々スターエイトだった俺達の順位は、スーギールとベリリフィアが変わった位だ。
そして順位変動戦の戦績が同じだった場合は、月末試験の結果で差が出ている。
俺は見れなかったが、マンダリンがスターエイトに上がって来た。
キチエエテが行方不明になっているが、彼が戻って来た時はどうなるのだろうか。
「おーいお前らー! 1か月スターエイトを維持した事に対する報酬があるから、明日絶対来いよー!」
ザクロ先生がそう告げてきた。報酬は、この学園の生徒誰もが欲しがるであろうアレ。
明日が楽しみだ。
~帰宅~
「あの二人も無事残ったみたいだね。」
「あぁ。というかお前は全勝したみたいだな。そうだ、お前に聞きたい事があったんだ。」
俺はチオニスと帰宅している。
聞きたい事があるから少し歩幅をさりげなく小さくしているが、チオニスも合わせてくれている。
「何……?」
「あの時言ってたよな。」
(僕だって、強くなりたいから。でも、強くなったら周りが僕を求める。それが駄目なんだ。僕にとって……この世界にとって。)
「俺がお前に”学園に来た理由”を聞いたら、お前も強くなりたいって言ってたよな。何で俺に倒されようとしている。」
「……表面上の1位になりたくないからだよ。」
陰の1位になりたくない人間って本当にいるんだな……
「俺は世界最強になりたい。だから過去の功績になるとしても、しっかり切り刻もうと思ってる。」
「……そうなんだ。」
そんな事を話していたその時。
「ねぇ。あれって、あの王女様だよね?」
「あぁ。第一王女のマンダリンだな。」
「呼び捨てでいいの?」
「誰にも聞こえてない二人きりの会話だからいいだろ。」
「……そういう所は世界最強になろうとしてないんだね。」
チオニスの煽りのような言葉を聞こえないふりしながら、マンダリンの周囲を見る。
すると……
「ひゃっはーーー!」
「死ねぇ、身内びいきされてるクソ女ぁ!」
「ハクーバ様が赤面したんだ。死んで当然!」
1、2……30人程の男女がマンダリンに……襲い掛かって来た!?
「きゃっ!?」
まずい、一般クラスの順位変動戦で最上位だったマンダリンでも、あれ程大勢の相手では……!
「……ごめん。」
「は、チオニス……?」
チオニスの顔は、少し怒ってるようで、そして悲しそう……
(ガンッ!)
「うっ!?」
チオ……ニス……何を……
【マンダリン・クリッテ】
お父さんは私達家族に優しい。過保護な所はあるけど、ちゃんと自分が選んだ道を選ばせてくれる。
それに、選んだ道をしっかり応援してくれる。
私がターンライト学園に来た理由。
表向きでは”強くなって自分の身を守れるようにする”と言っている。
でも本当は違う。私がこの学園に来たのは、お父さんに無理をさせない為。
お父さんは、最初に言った事を最後まで守るタイプ。
だから、1位の人を”生活費を全額無償”にしたり”最新技術使い放題”にしたりして、沢山お金を払っている。
1位になる生徒の為、そして私達の為に……国王として頑張ってお金を集めてる。
それも……住民への集金も自主制にして……
私は1位になって、お父さんの負担を少しでも減らしたい。
スターエイトになれた。自信を持て、私。
そう思った時だった。
「ひゃっはーーー!」
同じクラスだった人たちが私を殺そうとしてきた。
予感はしていた。成り上がったんだから、目を付けられるに決まってる。
でも……
「死ねぇ!」
こんな大勢で……!?
いや、死にたくない。私は、何もお父さんに恩返ししてない!
私は怖くて目を瞑った。
助けて……誰か……!
(キイイィン! ピリィン!)
「……え?」
私は殺されてなかった。
そして殺そうとしてきた人たちはいつの間にか消えてて……
「大丈夫?王女さん。」
水色の髪に黒目の……髪を染めてるであろう男の子、フエーラーさん。
先にスターエイトにいた人であり、私が超えるべき存在。
他の人と仲良くしたら、倒して超える事に抵抗してしまう。
だから、必要以上に他の生徒と仲良くする事はなかった。
男の子なんて、以ての外。
なのに……
「かっこいい……」
口ではこう言ってしまった。
どうか私に……星という恵みを……
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