分身の劣化版
人物紹介
【タンソフィア・ゲソダーネ】
ゲソダーネ姉妹の、双子の妹。
フレイジスから、”姉に似てるのではなく、似せてるのでは?”と疑問を寄せている。
姉と同じく無口で冷たい。筆記は全て満点。
【フレイジス・コルエス】
~5-1~
「俺の相手は……」
チオニスの言葉が気になるが、ひとまず次の対戦に集中しなければ。
『対するは……現在姉と同率で2勝!負けた姉の仇を取れるか!?”タンソフィア・ゲソダーネ”!!』
次の俺の相手はゲソダーネ姉妹の妹、タンソフィア。
あのスターエイトの中で、最も”違和感”を感じている。
見た目も、無口なところも、冷たいような性格も……姉とほとんど同じだ。
それに、戦い方も同じで……まるで分身してるかのような双子だった。
だが……
(さ、触らないで!)
あんな熱くなって姉を守ろうとした所に、違和感を感じている。
それに、今までの戦い方も”似てる”のではなく妹のタンソフィアが姉に”似せてる”ようだった。
『始めぇ!』
……かといって、確かめる為に手加減する訳じゃない。
本気で倒すつもりで挑むべく、俺はタンソフィアと距離を詰める。
「……はぁ!」
するとタンソフィアは……
『なんと、こんな作戦まで姉と同じだぁ!』
壁で足場を作っていく。まるで……さっき俺と戦ったベリリフィアと同じように……
だが、一つ違う所がある。
「はっ!」
俺に向かって薄く小さな壁を回転させて投げている。
これは……姉の敗北を見ての対策だろう。
姉と似せるなら、俺の炎の竜巻にまんまとハマる所だが……
さすがに姉も筆記で100点取るほどの天才だから、戦う順番が逆でも対策は取ってくるだろう。
俺は次々と投げつけられる壁を躱しながら、炎の球を撃つ。
だが、回転が入った壁は炎の球を切り裂いて、俺の元にやって来る。
だったら……俺はその足場の壁を利用する!
「はぁっ!」
俺は先ほどタンソフィアが使った足場を使って登る。
「うっ!?」
だが、その足場はタンソフィアによって消されてしまう。
「はあぁっ!」
俺は消える寸前の足場を踏み切ってジャンプした。
そして俺はタンソフィアがいる所の真上にやって来る。
タンソフィアは急いで次の足場を作り移動しようとした
俺はそれをさせない。
「はっ!」
俺はタンソフィア目掛けて炎の球を撃つ。
上を向いて気づいたタンソフィアは周囲にドーム状の壁を放出し身を守る。
……姉と同じ盲点をしてるな。
(どごぉぉぉん! パリィン!)
俺は1ラウンド目でベリリフィアに撃った”大爆発する球”を撃っていた。
ジャンプして身動きが取れない俺も近くにいたので多少巻き添えを喰らった。
「ぐっ……!」
だが、タンソフィアを守る壁が割れて、彼女は床に落ちる。
その隙に……
「はぁっ!」
ベリリフィアと同じように、壁を張れない距離まで詰めて攻撃しようとした。
だが……何だ。俺はそれで決着をつけれるはずだ。
なのに……
「……。」
何故……タンソフィアは抗おうとしない?
ベリリフィアは落下の際に強い衝撃を受けたのに対し、タンソフィアはあまり受けていない。
だから俺の突撃も壁で守れるはずなのに……
それはまるで、姉と同じ負け方をするのを望むようだった。
俺は突撃に成功した。このまま技を撃てば勝てる。
なのに……これが”油断”か。
何もしてないタンソフィアに対し、俺は技を撃てなかった。
「……えっ!?」
タンソフィアも驚いている。
だが、俺に攻撃しようとしない。
姉なら、油断した俺を壁で吹き飛ばしても可笑しくないのに。
「…………はっ!」
タンソフィアは突然辺りを見回した。
すると……
「はぁっ!」
「ぐっ!?」
壁を放出して、俺を吹き飛ばした。
何故今?姉のような行動をするのに、時間が経っている。
タンソフィアは戦う態勢に切り替えた。
だが、俺に対する顔は……無口でほぼ無表情な姉と違って……
少し焦っているようだった。
~2分後~
『気絶!コルエスの勝利!』
制限時間5分の中、ギリギリでタンソフィアを倒した。
それにしても、何だったんだあの顔は……?
~7-3~
現在7ラウンド目……最終ラウンドの第3戦。
今はタンソフィアとパンチズが戦っている。
ベリリフィアの最終戦績は3勝3敗1引。
タンソフィアが勝てば、戦績は姉と全く同じになる。
だから……パンチズが優勢な今、タンソフィアの戦い方が少し荒くなっている。
あくまで姉と同じような振る舞いをする事に気をかけながらも……
「はあぁ!」
(パリン!)
「ふん!」
「いやぁ!?」
壁を殴って割ったパンチズは、タンソフィアが怪我しないよう腹パンで気絶させた。
『気絶! パンチズの勝利!』
タンソフィアの戦績は……ベリリフィアより一段劣る結果になった。
すると……
「……うっ」
ベリリフィアがスタジアムに出て、タンソフィアを抱えた。
その顔は……可哀そうな者を見る目だった。
「おい、大丈夫か?」
パンチズが心配して声をかけるが、無言で戻っていった。
俺も気にかけたいが、無言で返って来るのは分かり切っているし、それより……
『さぁさぁさぁさぁ! 残るはあと1戦です!最後はもちろん、あの2人でぇす!!』
「うおおおおぉぉおおぉぉうん!」
観客となった生徒もこれを待ちわびていたかもしれない。
俺は気を引き締めなければならない。何故なら……
『一人目は……現在無敗!順位が逆転するか!? ”フレイジス・コルエス”!!』
俺の最後の対戦相手が……
『対するは……同じく現在無敗!最強の座と抱える秘密を守り通せるか!?”チオニス・フエーラー”!!』
「うぅおおおおおおおおおおお!!」
どうか私に……星という恵みを……
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