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戦闘シーン……?

どうも、ピースブリッジでございます。

今回は、皆様から反応の多かった戦闘シーンについて書かせて頂きました。

少し長いし脱線しぎみですが、読んで下されば幸いです。

「なぁ、戦闘シーンって何なんだ?」

「何よ、藪から棒に」

「いや、あんなに速くて細々したものを、どう表現するのかなって」

「無理よ」

「……は?」

「だって、作者が一番不得手としている分野だもの」

「とは言ってもだな」

「……今日はやけに食い下がるわね、魔理沙」

「そりゃ、キノコがかかっているからな」

「自分で採集しなさいよ」

「効率重視だぜ」

「そうねぇ、作者なりに何となく書き方的なものはあるらしいんだけど……。そうだ、お賽銭くれたら教え」

「こんなぼろ神社に参拝客なんて来ないぜ」

「あんたの話よ」

「私は一銭たりとも払う気はないぜ。潔く諦めるんだな」

「そうね。なら私も協力するのを潔く諦めるわ」

「ほう、そうくるか。だがその態度がいつまで続くかな?」

「どういうことよ!」

「主役の巫女も真っ青間違いなし! 特別ゲストの登場だぜ!」

「呼ばれて飛び出て早苗です!」

「いや呼んでないから。賽銭集めのライバルは帰って頂戴」

「霊夢さんって冷たいんですね。私、知りませんでした」

「舐めた口利いてるとまた退治するわよ」

「あら、財力信仰胸囲その他諸々で劣る霊夢さんが私を退治する、と?」

「どうどう、二人とも。喧嘩なんてしている場合じゃないんだぜ。と言うよりも、強制的に進行させて頂くぜ」


「行くぜ!! マスタースパーク!!!」

「やられたのだー」


「…………ねぇ、魔理沙。その例文は何の冗談なの?」

「そうですよ。ただ『マスタースパーク』って叫んだだけじゃないですか」

「何なのよいきなり面白くない例文出してきて」

「私はわざわざこんなことを見せられるために呼ばれたんですか?」

「……こいつらのさっきまでの言い争いはどこに行ったんだろう。まぁいいや」

「良くない」

「良いことにしておいてくれ。というよりも、そっとしておいてくれ。そもそも、戦闘シーンなんて幅が広すぎて書き切れないんだ。だから広く浅く説明する感じでやろうと思うんだ」

「それにしても、さっきのマスタースパークはショボ過ぎよ」

「ショボショボでしたね」

「あれじゃ、マッチに火を付けることすら出来ないわ」

「ダメダメですね」

「あぁ、もうこいつらの相手嫌だ……」


例0

 魔理沙は声を高々と張り上げ、スペルカードを宣言する。


例1(例0から続けて読むこと。以下同様)

 それは彼女の代名詞とも言えるスペルカードであり、あまりに強大な魔力を一気に放出する力業だ。


例2

 両手に収まる程の小さな八卦炉を目一杯突きだして、彼女はにやりと笑う。それも束の間、八卦炉から放出された魔力が極太のレーザーとなり、辺り一面を真っ白に染めた。


例3 けして油断していた訳ではない。だが、あんなに離れた場所から出来る攻撃なんて弱いものだと髙を括ってしまったのが失敗だった。目前に迫る眩しすぎる光。右も左も、見渡す全てが魔力で覆われる。

 刹那に悟った。もう、終わりなんだと。


「マスタースパークって、キノコじゃないの?」

「いや、元はキノコだが魔力も使うぜ」

「魔理沙さんって、キノコで出来ているんですね」

「いや、私は正真正銘の人間だぜ。というかお前らキノコから離れろ」

「なら、例1から順に見ていきましょうか」

「そうですねぇ。1はどこから見ても説明文ですね。それも、基礎設定的な」

「説明だけにどこか余裕が感じられるし、三人称か、スペルカード戦を傍観している誰かの一人称、かしら」

「一人称だとすれば、私の事をよく知っている奴だろうな。それも冷静な判断と解説をしている所から考えれば、パチュリーとかアリスとかが妥当か?」

「なら次に2は……。これも説明文ね。ただ1とは違って、視覚的な説明みたいね」

「視覚ではありますけど、主観的ではなくて客観的ですよね。そう考えるとこれも傍観している感じですね」

「続いて3になると……」

「3は明らかに霊夢目線だろ」

「霊夢さんでしょう」

「いいえ、私ならマスタースパークが放たれている間に箒を引き抜くわ。前にやったら必死な形相のまま落ちていくんだもの。楽しかったわ」

「へぇ、魔理沙さんがそんな事に……」

「早苗、今『今度やってみよう』とか思っただろ?」

「えー、そんな事はないですよぅ。誇大妄想じゃないですかー?」

「……まぁ、そういうことにしておいてやる。それよりも解説だ、解説。3はどうなんだ?」

「3も、どこかゆっくりしている感じがありますね。うーん、どこか達観しているような、諦めているような、そんな感じです」

「そうね、特に『失敗だった』って過去形で句点になっているのがそう思わせるわね。他にも悟ったなんて、もう引き返せない所まで来てしまった、って感じに取れるわ」

「しかし、『刹那』なんて単語は簡単に言えば一瞬だが、その一瞬にして悟ることが出来るくらい、絶望的な状況、とも取れるぜ。だとしたら、過去形は関係無く物語の展開する速さが物語のテンポとして形成される、と考えた方が良いんじゃないか?」

「魔理沙にしては難しいことを言うわね。例文に当てはめると、『悟る』というゆっくりそうな単語に対して、『刹那』というスピードを示す単語が加わることによって、本来かかるべき時間を省略することでテンポ感を生み出している、と言うことね。そして、それは過去形に依存しない」

「そういうことになるな」

「なら、方向性が導き出された所で、新しい例文でも書いてみましょうか」

「そうね、とりあえず全てを省略する形で書きましょう。ベースは……例2が良いかしら」


例4

 笑いながら八卦炉を突き出した彼女から、極太のレーザーが放たれる。


「……うん。何が何だかさっぱりわからん」

「そうね。笑いながらって時点で魔理沙は狂った人確定だし、極太のレーザーだけだと、作者的には2、30cmの棒状のもの、ってイメージになるわね。スピード感はある気がするけど、これじゃ読者様にはっきりと情景が伝わらないわ」

「でも、この例文が全て悪いのでしょうか? 笑いながらはともかく、特に後半はテンポも相俟って、使いどころによっては十分通用すると思うのですが」

「なら、それで例文よろしく!」

「えぇー……」


例4-1

「恋符、マスタースパーク!」

 目にも止まらぬ速さで飛びながら、魔理沙はスペルカードを宣言する。八卦炉を突き出した彼女からは極太のレーザーが放たれ、それは博麗神社を飲み込んでいく。刹那、轟音を響かせ博麗神社は吹き飛んだ。


「おい! 早苗!」

「どうしたんですか、霊夢さん」

「どうもこうも、何故博麗神社だ!」

「そりゃあ……丁度良かったから?」

「そんな事で私の神社を吹き飛ばすな!」

「でも、これは中々スピード感があるぜ。一番最初に『目にも止まらぬ』で速さと状況を説明し、例4の文章、そして刹那と、吹き飛ぶ。やるな、早苗」

「どうも、してやったりの早苗です」

「ただ、どうにも文章が軽い気がするわね。表現が簡単、というか」

「具体的に言うとどの辺りだ?」

「例えば速さは速度、飛ぶは飛行、って感じで」

「なら、小難しく書いた例文も準備してみるか」


例4-2

「恋符、マスタースパーク!」

 目視すら出来ぬ速度で飛行する魔理沙は、スペルカードを宣言する。八卦炉を突き出した彼女からは極太のレーザーが放出され、それは博麗神社を覆っていく。刹那、轟音を響かせ博麗神社は倒壊した。


「なんか、遅い」

「そうですね。漢字が多用されたことで、テンポ感が悪くなったのではないでしょうか?」

「確かにそうだな。特に画数が多い漢字はどことなく重い雰囲気だぜ」

「まぁそもそも、重たくなるように書いたわけだし」

「何か知ってそうな口調だな」

「そうね、文字って言うのは漢字、平仮名、片仮名で速さが変わってくるの。例えば」


雨の降る夜、私は魔理沙と二人濡れながら立ち尽くしていた。

雨のふる夜、わたしはまりさと二人ぬれながら立ちつくしていた。

アメのふる夜、ワタシはマリサと二人ヌレにヌレる熱いひととき

「ストーップ!! お前はこの小説にRを付ける気か!」

「霊夢さんと魔理沙さんって、そんな関係だったんですね」

「待て待て、それは最後の一文がおかしいだけで、その他は……」

「雨の降る夜に二人で何をしてたんです?」

「そ、それは……。なぁ、霊夢」

「キャッキャウフフしてただけよね。魔理沙」

「ちがうっての! あれは霊夢がさみしいってわたしのところにくるからしかたなく……」

「雨の夜中に二人で逢引とは、私なら羞恥心から実行は出来ないですね」


「……なんて会話文も含めて例文だぜ」

「これで速さや緊張感が変わった事がわかって貰えたかしら。特に片仮名はスピード感が、漢字は堅さと緊張感が、平仮名は柔らかさと遅さが伝わるわよね」 

「特にストップとか、止まれって意味なのに何故かスピード感がありますよね。それに感嘆符(!)とかちっちゃい『つ』が付いてるから尚更ですね」

「それ以上にローマ字はスピードが速かった……はず。確かどこかでそんな文章を読んだことがあるわ」

「お、カンペが出てるぜ。何々……。この速さに関しては、作者うろ覚えの為完全に信用しないで下さいってバカタレ! うろ覚えで文章を書くな! しっかり勉強してから書けよ!」

「まぁまぁ魔理沙さん。これで文字の速さの違いもわかったことですし、例文を書いていきましょうよ」

「そうよ魔理沙。屑作者は置いておいて、先に進むべきだわ」


例5(漢字)

「恋符、マスタースパーク!」

 魔理沙は手にした八卦炉を突き出すと、魔力を集中させる。相手に向けられた八卦炉からは白い光が溢れ、凄まじい速さで大きな光へと姿を変える。刹那、轟音を響かせながら、光は相手を包み込み、そして消滅させた。


例6(片仮名)

「恋符、マスタースパーク!」

 魔理沙は手にした八卦炉を突き出すと、キノコの粉末の入ったビンを取り出した。そしてフタをしていたコルクを外すと、辺りにその粉をばらまく。すると周回していた魔方陣が発光し、ランダムにレーザーがまき散らされる。相手がレーザーを必死に避ける中、魔理沙は八卦炉を構え、ターゲットに狙いを絞っていた。


例7(平仮名)

「こいふ、ますたあすぱーくーーー!!」

 チルノちゃんはそのあたりでひろった石をもつと、いきなりわたしになげつけてきた。ふいになげられた石をよけられるはずもなく、こぶしより大きな石はわたしのあたまに当たる。そのときはいたいなんてかんじなかったけれど、すごいしょうげきがからだに走った。あれ、あおぞらが見えるよ。そしていちめんのお花ばたけ。なんてきれいなんだろう。それにふねとあとは……大きなかまをもったおねえさんがいるなんて、まるで……。


「大妖精がーーー!」

「大丈夫、妖精は死にはしないから、気付かぬ内に三途の川まで行ってしまったんでしょう」

「そんな問題なのか?」

「そんな事より、スピード感ね。例7はちょっと論外……というか例文が悪い気もするけど、バトルというよりはのんびりしたお遊戯って感じに思えるわね」

「正しくチルノのいつもの風景だな」

「と言うことは、あまり平仮名を多用すると緊張感が途切れてしまいやすい、と言うことですね」

「次に例5。漢字ばっかりの場合。これは緊張感が伝わってくるわね」

「ただ、何だか重たいですし、状況の説明をただしているだけにも見えますね。もっとも三人称だから無理もないのかもしれませんが……」

「今回は感情は入れていないからな。それは仕方ないことだ。それにしても、漢字で説明文ばかりだと、淡々としていて面白みがないぜ」

「それに比べたら、例6は良い感じね。片仮名が入ることによってスピード感が出ているし、漢字も入っているから例5のように場面の説明も出来ている。ちょっと片仮名がくどいかな、って思うけど、それでも淡々と表情がないよりはよっぽどマシね」

「となるならば、擬音についても効果的なんじゃないか?」

「ドカーンとかバコーンとかですね。わかります」

「そ、そうなんだが、なんかショボい……」

「そうなのよね。擬音を効果的に使うのって、結構難しいのよ。多用してしまうとおちゃらけた文章に見えてしまうし、全く使わないと漢字だけの文章みたいに固くなってしまう。本当に効果的に、って時だけ使うのが良いわね」


例8

 八卦炉に魔力が集まってくる。私の魔力の他、自然界に分散している魔力も集め、強大な力へと変化させるのだ。魔力が風を切る音がコォォォと鳴り響く。そして私の魔力の許容量を超える瞬間に、魔力を一直線に解き放った。レーザー特有の、辺りを焼くジリジリとした音が聞こえる。視界は眩しいまでの光を放つ魔力一色。そしてその魔力が消える頃には、地面に俯せに倒れる神奈子の姿があった。


「あ、神奈子様だ」

「お前、なんか酷くないか?」

「何でですか? 折角出演する場が頂けたというのに、何故悲しまなければならないのです? 悲しむどころか、お赤飯ものですよ」

「早苗、恐るべし……」

「そんな黒い早苗を垣間見たところで、解説するわよ。この例文で出てきた擬音語は『コォォォ』と『ジリジリ』の二つね。正直、これだけの文章に二つも入れることは流石にやりすぎかなと思ったけれど、例文だから良いかなって感じでやってみたわ」

「確かに、擬音語が入ることによって何となく想像しやすくなったな。何というか、音声付きの漫画になったような感じに思えるぜ」

「そうですね。特にジリジリって擬音語は、結構いろんな場面に使えるので、押さえておいても良いでしょうね。今回みたいに焼く時、にじり寄る時、その他近い表現を使えばやりやすい単語です」

「と、万能な擬音語だけれども、最初に言った通り、多用することは現金、あ、間違えた。厳禁よ。何よりも安っぽい文章になってしまうから、逆にチープさを狙うんなら良いかもしれないけど、バトルの時は大概シリアスだし、ここぞという時に一発入れる意識の方が良いんじゃないかしら」

「そういえば霊夢さんの説明聞いていて思い出したんですけど、これってバトルの描写方法だったんですよね。何だか主旨がぼやけてきてませんか?」

「そうだな。ここまで色々書いてきた訳だが、結局何が言いたいのかわからなくなってきたな」

「そこで貴女達に質問です」

「何だよ霊夢、改まって」

「そもそも、戦闘ってなんでしょうか?」

「戦闘って……。戦うってことだよな」

「命がけとかスポーツとか、使い方は様々ですけど、要するには戦って、勝敗を分けることを指す、筈ですよね」

「そう、ただそれだけなのよ。そして、例えるならば歩くことも戦うことも、描写することにおいて何ら変わらないことと心得よっ!!!」

「……今の格好に擬音を付けるなら『ビシィッ』だな」

「確かに指差されましたしね、今」

「うるさいッ。そんな事よりも例文よ例文。と言うより例文の構成から行くわよ」

「構成? どういうことだ?」

「そうね。まず設定から考えましょう。まずはさっき言った通り、歩くことから考えてみましょう」


1 歩く

2 右足と左足を交互に出す

3 移動する


「1はそのままじゃねぇか」

「そうね。歩くことそのもの。でも、前にすたすた、ひたひた、さっさとなどの言葉を付けると違う印象になる。その根幹となる言葉が歩く、と言うことなの。と言うか、1、2、3全て、意味合いとしては同じということをまず理解しないといけないわ」

「そうですね。歩くことは足を出すことですし、移動することです。ただ、1と2は同じですが、3については走ってや飛んで等の他の方法にも取れることから、少々意味合いは違ってくるのでは?」

「それは今回少し置いといて。そこまで考えるとかなりややこしくなるから。まず考え方だけど、1はそれ以上でもそれ以下でもない。ただ歩くということを表している。これは簡単ね。次に2は歩くと言う単語を使わずに歩くことを表現した場合。謂わば行動を分解した感じね。そして3は、歩くということがもたらす結果を表した場合。歩けば必然的に移動することになるということ」

「それはわかった。だが、それの何が戦闘と関係あるんだ?」

「そうね。例えば私が魔理沙を殴ったとする。これを今の1、2、3に当てはめた場合、どうなるかしら」

「1は殴る、だな」

「2は拳を魔理沙の顔にぶつける、でしょうか」

「3は……殴るということがもたらす結果から表現した場合。……喧嘩をふっかけた、とかだろうな」

「大体そんな感じね。そこで、よく考えてみて。1、2、3の内、被っている漢字があるかしら?」

「……あ」

「早苗は気付いたようね。そうなの。1、2、3は全て使っている日本語が違う。それなのに起こった結果は同じ。つまりこれを物事の言い回しと言う(作者はそう思っている)のよ!」

「……つまり、どういうことだ?」

「鈍いわね、魔理沙。つまり、視点の違いだろうが漢字だろうが片仮名だろうが伝えたいことは一つだけ。そしてそれはどんな表現をしても自由。となれば、どの展開、例えばほのぼの、笑い、恐怖、戦闘、どれにしても伝えたいことを考えることをしないと、意味の無い文章をただ綴っていると言うことになってしまうのよ。そして、それを正確に表現するために言い回しがあって、更に擬音等が付いてくる。これはどの場面についても同じ。そう言いたいのよ」

「余計ややこしくなった気もするが、何となく理解した気がする」

「なら、実際に例文を作ってそれを表現してみましょう。そうね……なら、私と魔理沙がスペルカードルールを用いて、おやつの饅頭を争奪する、という設定で、物語を組み立てましょう」


例9(文章の基礎)

 奉納品の饅頭が五個ある。それを魔理沙と二個ずつ食べた。残りの一個を賭けて、スペルカードで勝負することになった。


「大筋だとこれでわかるが、面白みもくそも無い文章だな。本当に説明文だ。教科書を見ているみたいだぜ」

「そうね。ここで色々と例文を用意しても良いんだけど、それは一話目と被るから、あえて表現しないわ。ここでは、あくまでも戦闘シーンをメインに肉付けをしていきましょう」

「そうですね。でも、一つ一つを説明しながら肉付けをすると凄まじい文字数になってしまうので、まずは一つの完成した例文を用意しましょう」


例10(弄る前の簡単な文章。視点重視、三人称)

「恋符、マスタースパァァーク!!」

1 魔理沙はそう叫びながら八卦炉を構えた。間もなく魔力が結集し始め、大きな光の玉になる。そして、彼女が口を閉じ、奥歯を噛みしめて衝撃に耐えるように準備する頃には、光の玉が割れて、霊夢に向かって一直線の光が放たれる。初めは細かったその光も徐々に太さを増し、あっという間に数メートル、いや十数メートルの幅となるレーザーとなる。

2 そしてその魔力の放出が終わる頃、魔理沙は目を細めて自分の放った先を見ていた。焼け焦げた樹木、えぐれた土、しかし相手としていた霊夢はその中にはおらず、魔理沙は小さく首を傾げる。彼女の感覚では、間違いなく相手を捕らえていたからだ。

3 そもそも二人がスペルカードで勝負を始めた原因は、饅頭にある。今日、博麗神社にあった珍しい参拝客から貰った、饅頭。それを二人で分けて食べることにしたまでは良かった。しかし問題だったのはその饅頭の数。それは奇しくも奇数である五個だった。その残り一つを争い、口喧嘩からスペルカード戦まで発展したのだ。それもそのはず。その饅頭は今人間の里で流行となっている、一時間や二時間並んだだけでは買えない超限定ものの饅頭だったのだ。それがまた美味しかったものだから、二人とも躍起になっているのである。また二人がお互いに遠慮の無い関係にあることも、ことを熱くさせた原因でもある。

ともあれ、二人は饅頭をかけ、スペルカード戦を繰り広げた。

4 序盤は拮抗した状態が続いていた。お互いに知り尽くした仲であり、策略も知っていることから、いつでもこのような始まり方をするのだ。そんな中、仕掛けたのは霊夢だった。大陰陽玉を高速で投げつけるという、力業をかけたのだ。質量も重く、霊力を纏った陰陽玉は当たるととても痛い。それを魔理沙は重々承知している。しかし、大陰陽玉を繰り出す一番の欠点は、時間がかかることだ。霊力の結集と共に、元となる陰陽玉の準備が必要だからである。

5 そして、魔理沙はこの場合の霊夢の戦法を知っていた。過去、霊夢は陰陽玉の後ろに隠れ、相手に極力接近した後で封魔陣をかけたことがあるのだ。接近戦での大量のお札からは逃げる術もなく、その時魔理沙は簡単に捕らわれてしまった。その経験を生かし、今回は力業を力業で返すことにした。つまり、自分の得意とする、それももっとも高火力のマスタースパークをぶつけることにしたのである。もしも、陰陽玉が私まで届けば負け、全て消し去ることが出来れば私の勝ち、となる。弾幕にパワーを求める魔理沙らしい考えだった。

6 だが、マスタースパークの跡には陰陽玉はあれど霊夢の姿はなかった。


「と言ったところで、説明に入るわよ」

「えぇぇぇ! ここまで読ませておいてまさかの説明ですか!」

「そうよ。良いじゃない。尻切れトンボみたいで。なら、説明するわ。まず1だけど、

1はスピード感が大事。だから余分な説明は省いて、起こったことをなるべく簡潔に、かつ想像しやすい程度に描写してみたわ。

2は疑問符と魔理沙の視点。だからマスタースパーク後の描写をしてみたの。

3はスペルカード戦の起因について。ここでは戦闘とは関係無く、日常の風景だったから、割と細かく描写してみたの。特に何故二人がスペルカード戦に至るまでに争っているのか、それを表現したくて饅頭の説明を追加してみたわ。それと例9では3が初めになっているけど、それだと何だか序盤の引き込みに欠けるから、わざと逆にしてみたの。

4はマスタースパークを撃つ前の経緯について。ここはバトル中になるけど、過去のことだから過去形を多用して、少し説明も交えながらになるわね。

5は4を受け継いで、魔理沙が何をしようかと考えている描写になるわ。そして4を受けての魔理沙の反応と反撃の仕方が書いてあるわね。

そして6はその反撃の結果が書いてある。ここで過去を振り返って説明をしていた状況から現在、そして未来に繋がっていく。そんな感じね」

「なぁ霊夢。なんだか記憶にあるんだが……」

「そりゃそうよ。だって私達のスペルカード戦をモデルにしてるんだから。そりゃ記憶があって然るべきよ」

「それで、これからどんな風に変えるんですか?」

「そうね……。ここからはどんな目線で戦うかとか、何に重きを置くかによって変わってくるから……。そうね。読者様にまた質問する形をとりましょう。ここまで読んできて頂いて疑問に思ったこととか、例文をこんな感じに変化させて欲しいとか。それにこの文章を書いてみたんだがこういう風に変えて欲しい、とか。とりあえずどんな質問でも受け付けるわ。と言うよりもこの企画がそんな感じでスタートしたしね」

「それなら最後に、さっきの例文の続きを載せて終わりにしましょうか。読者の皆様も気になっている所でしょうし」

「そうね。ならそんな所で」

「皆様さよーならー」

「感想、質問、よろしくだぜ。そしてこの例文の最後むがー」

「はい魔理沙ネタバレは禁止よ」



例文10の続き

 刹那、魔理沙は自分が腰掛けていた箒に違和感を覚えた。何かに引っ張られているというより、何者かによって引き抜かれようとしているのだ。そして、無防備だった箒はいとも簡単に引き抜かれてしまう。すると勿論、飛行能力を失った魔理沙は、悲痛な叫びを上げながら地上へと落下していったのだった。















おまけ。


「ふふふ、どちらが饅頭を食べられるか、勝負だ!」

「望む所よ。あんたなんてすぐに負かして、熱いお茶と一緒に饅頭を味わうんだから」

 そうお互いに売り言葉に買い言葉を重ねながら、魔理沙は八卦炉、霊夢はお札を取り出していた。そして魔理沙が箒に手をかけた瞬間に、お互いが大空へと飛び立った。

 スピードで秀でるのは魔理沙である。その瞬発力を生かして、魔理沙は先手を取った。辺りにばらまかれる星、星、星。色とりどりの星達が、魔理沙を取り囲むようにして展開していく。細かいものや大きいもの、様々なものがある中、魔理沙が手を振り払った瞬間にその星達はゆっくりと広がっていく。

 しかしゆっくりなのも束の間、徐々に加速する星達はランダムに霊夢へと襲いかかる。だが霊夢もこんな魔理沙の通常攻撃など慣れたもので、ひょいひょいと簡単に避けていく。初めこそ距離が離れていた二人だが、段々と縮みつつあった。

 だが、魔理沙も大人しく距離を詰められている訳では無い。星を次々とばらまき、霊夢が一定以上近づけないようにしている。その甲斐あって、霊夢はある距離から近付くことを止める。

 一方霊夢も、ただ星を避けているだけではなかった。手に持った幾重にも重ねられたお札を構えると、自分の左右に向かって展開させていく。

「神霊 夢想封印 瞬!」

 まるで大きな翼のように広げられたお札は、一つ一つが霊力の糸によって繋げられ、まるで網のようになった。そして霊夢が両手を合わせた途端、その網はしなりながら魔理沙に向かっていく。それはあまりに速く魔理沙の逃げ道を潰していった。

「そんないつもの手に乗るかよ!」

 魔理沙は箒を柄を霊夢に向けると、自分は箒にしがみつくような体勢を取る。そしていつの間にか箒の後ろにセットした八卦炉から、突如魔力を噴出させた。

「ブレイジングスター!」

 準備する時間が無かった為に小さくはあるが、それでも十分に大きいレーザーが、誰もいない大空に向かって放たれる。そしてその推進力を得て、魔理沙は霊夢に猛進した。目にも止まらぬ速さで網の元にまで達しようとする魔理沙に、ふと霊夢は余裕の笑みをこぼす。そして、霊力の糸を手元で切り離すと、急上昇して魔理沙を躱した。

 すると、一気に網は切れ切れになり、空中に残された大量のお札は一斉に魔理沙へと直進を始めた。網は大分狭められていた為に狙われる範囲こそ少ないが、それでも大量のお札が魔理沙目掛けて飛び込んでゆく。

 その瞬間、お互いがスペルカードを宣言した。

「夢符 二重結界!」

「光撃 シュートザムーン!」

 発動は霊夢の方が速かった。霊夢の周りには結界が展開され、先程の夢想封印の弾が跳ね返り、そしてそれぞれが複雑な方向から魔理沙の周辺に降り注ぐ。だが、それが届く前に、地上に着いた魔方陣からレーザーが無作為に放出された。そしてそのレーザーも霊夢の結界に反射して、四方八方様々な方位に散らばっている。

 魔理沙はそのレーザーを追い越して、空高くに急上昇した。空中では上にいる方が有利であるということは勿論、下から繰り出されるレーザーを少しでも回避する為である。

 霊夢の弾幕結界はその性質上、中心にいる霊夢には滅多なことでは弾幕が届かない。だが一度結界の外に出ると、高密度の弾幕の餌食になるために、結界の外にも出ることが出来ないのだ。すなわち、スペルカードの効果が切れた時こそが、勝負となる。

 魔理沙は箒にセットしていた八卦炉を取り外すと、霊夢を正面に構えた。霊夢が自由になった瞬間。それも移動出来ない距離に。自分のもっとも得意とするマスタースパークを撃ち込む。

 だが、霊夢も大人しくはしていない。懐から小さな陰陽玉を取り出したかと思うと、霊力を込めてそれを膨らませていく。陰陽玉はこぶし大から頭の大きさ、そして霊夢の身長をも越して、最終的には二メートル近い大きさになった。これを魔理沙に向かって、一直線に放つつもりなのだ。

 超火力のレーザーと、超巨大な陰陽玉。二重結界が切れるまで、あと三秒、二秒、一秒。

 零!

「宝具 陰陽鬼神玉!!」

「恋符 マスタースパァァーク!!」



……例文10へ続く。

戦闘シーンでしたが、如何だったでしょうか。

質問、注文、感想、注意、例文への感想等々何でも求めておりますので、御気軽に感想欄へとお願いします。それでは、また次回(あるのかなぁ……?)!

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