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年上メランコリック  作者: Sako
22/23

とぅえんてぃつー



少しずつ暖かくなってきた今日この頃。

私は部屋の窓を開けてベッドに横たわって雅に貰ったミサンガを眺めている。

時々吹き抜けてくる風が気持ちい。


隣から笑い声が聞こえた。雅が遊びに来ているのだ。


雅とは、あの日から1度も顔を合わせていない。


あの日というのは、雅が私にキスをした日だ。

思い出すだけで顔が熱くなる。


トントン。


誰かがドアをノックした。



「どーぞー」


ドアを開けて入って来たのは雅。


「わっ!?」


慌てて飛び起きるあたし。


「あれー、寝てたのー?」


「寝てないわよ」


「そっか。夕紀ちゃん、この前はごめんね」


「べ、べ、別に。気にしてないから」


気にしてるのバレバレだよね。


「お兄ちゃんは?」


「コンビニ行った」


「そう」


「ミサンガ、付けてくれてるんだ」


雅が私の手首に触れる。


手首の脈がドクンドクンと速くなった。


「うん」


「よかった~、捨てられてなくて」


「さすがに捨てはしないよ」


「そうだよね。…夕紀ちゃん、」


「なに」


「散歩行こっ」


にこりと笑って雅は言い、


「えっ、ちょっと、」


そのまま腕を引かれて外に連れ出された。



「はぁ~~、いい天気だな~」



外に出て深呼吸をしながら雅が言った。


「どうしていきなり散歩なのよ」


「What time is it now?」


唐突な英語に戸惑う。


「え、時間?5時半だけど」


「この時間は夕日がすっごい綺麗なの知ってた?」


「知らない。」


夕日とかあんまり気にしたことなかったから。


「夕日が見やすい場所あるから行こ。」


「う、うん。…え」


「ん?」


私の視線の先には雅に繋がれた私の手。


「手、繋いだ方がムードあっていいでしょ」


「ムードなんて無くても」


いいのに。


「細かいことは気にしなーい」


そのまま歩きだす雅。こうなったらついて行くしかない。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「はーい、着いたよー」


連れてこられた所は河川敷。


「こんな場所あったんだ」


「たまたま見つけたんだ。ほら、夕日綺麗でしょ?」


「ほんとだ、すっごく綺麗」


しばらく夕日を眺めていると雅の私の手を握る力が強くなった。


「夕紀ちゃん、好きだよ。」


「え?!」


今、好きって……


「俺、夕紀ちゃんのこと好きみたい」


にっこり笑って言ってくる。だからその笑顔はズルいんだってば。私の思考は完全にフリーズしている。


「俺と、付き合ってくれない?」


何も話せず口をパクパクしている私。


「えっと、無言はノーサイン?それとも…」


「…イ、イエス…サイ、ン」


やっと声がでた。雅は少しだけ目を見開いてから、またにっこり笑った。


「やばい、今すっごい嬉しい。ほんと大好きだよ、夕紀。」


呼びすては反則でしょ。


「………ぁ、た…しも……す…き」


「ん、なに?聞こえなーい」


いつものわざとらしい演技。私あたしの顔は蒸気があがりそうなぐらいに真っ赤だ。


「…聞こえなくてけっこう、です」


「え~、もう1回言ってよー」


「む、むりっ」


「もう1回ぐらいいいじゃーん。言わないなら…」


雅の唇が私の唇に重なった。息が苦しくなるぐらいの長いキス。唇が離れると、雅はニヤリと笑った。


「言ってくれないならもう1回だよ?」


「う…」


このタラシめ。


だんだん雅の顔が近づいてくる。


「わ、わかった!言うからっ」


雅の顔がパッと明るくなった。

深く息を吸う。


「……私も、雅のことが好き!」


勢い任せの声が弾ける。


「よくできました」


そう言うと雅は私を抱きしめて今度は優しくて短いキスをした。

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