表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/130

騒然の司令部

 カムールからロイズへ。一日掛けて、ライド達は司令部へと戻ってきた。中へ入るなり、ピリッとした空気を感じる。歩いている人間を見掛けない。いつもならば、忙しそうに右往左往している軍人を一人として見掛けない。


「注意したまえ。何だか妙だ」


「分かっています。普通じゃないです」


 奥へと進むライドとキリナ。辿り着いた先は、大将室。意を決して突入する。そこには、我が物顔で腰掛けるハリーが居た。


「……ハリー」


「戻ってきたんですか? 〝俺の砦〟に」


「皆はどうした!?」


「閉じ込めてますよ? 面倒なんで」


「ハリー。貴方は一体、何が目的なの!」


「何が? くだらない質問だよ、キリナ少尉。この司令部を支配することが一つ……」


「ワタシをカムールに行くように仕向けたのは何故?」


「計画の妨げになるからだよ。少しでも障害は取り除いた方がいい。それまでだ」


「大将達の会議の事を、貴方はどこで知ったの?


「そんなの簡単だよ……俺に知らせが来たんだから」


「……やはりか……。どう考えても、辿り着いた答えへは君だった。君が、会議に現れなかった〝一〟だとすれば、筋がすんなり通るんだ」


「流石はライド大尉。カムールへ、只行ってきた訳じゃないですか」


「〈研究所の悲劇〉の首謀者、元帥への復讐の為に、ロイズの大将をも利用したか」


「復習、ですか。そんな安い目的の為に、仲間を利用しようだなんて思いませんよ」


「何?」


「こんな国になってしまった原因を正す……それこそが、俺の目的ですよ。大尉がカムールに行ったのは正直、計算外でしたが、少尉に見張りを付けることで、司令部からの脱出を煽らせることには成功した。情報を与え、仲間の後押しを受け、カムールへと向かうように仕向けた。邪魔な大将も追い出して、全てが上手くいっていた」


「いっていた?」


「戻ってくるなんて思いませんでした。向こうで悠々自適に……と思っていたのに」


「因果応報というやつだよ。君はこうして、自分で危機を生み出している」


「まあ、こっちにも策はありますけど」


 机の上に置いてあるスピーカーから、聞き覚えのある声が聴こえる。ハリーの顔が、みるみる不気味な笑みを作り上げる。


「「トーマ! セレン! クリス!」」


「そう大きな声を出さないでくださいよ。鼓膜が破けてしまいます」


「ハリー! 何が望みだ!」


「言ったでしょう? 今の国を正すって」


「……元帥はどこだ……」


「勘がいいのは困ります。元帥を捕らえているだなんて、普通は至らない」


「ほう。元帥を捕らえているのかね?」


「……嵌めたのか!?」


「元帥を殺して達成するつもりかね? そんな強引な手段で、この国を変えれると思っているのかね?」


「〈研究所の悲劇〉を経験した身でなければ、この考えに賛同出来ないでしょう。あの一族を、悪夢の連鎖を止めないと、この国は変わらない!」


「それはハリー、君の主観だよ。同じ経験者でも、他の者達はどう思うかね?」


「やめてハリー。こんなのは間違っているわ」


「間違っているのは、この国の〝今〟だ!」


 ハリーは、感情を高め語気を強める。

 司令部が揺れ、配置物が倒れていく。


「邪魔をするのでしたら、全てを〝破壊〟します!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ