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恋実りし列車内

 大尉が居る北の地・カムールを目指し、列車に揺られる四人組。会話が弾んでいるかと思いきや、お互いに意識してしまい会話どころではなかった。


(……こ、告白しちゃったよ! 私、大胆にも皆の面前で!)


(やべぇーって。思わず返事をしちまったけど、これからどうやってティタと接したら!?)


「美味しいのだよ! メイルも食べる?」


「ああ」


 ウルとティタとは対照的に、メイルとメルは和やかに楽しんでいる。列車内で買った弁当を食べながら景色を楽しんでいるのだ。ウルとティタにとってそれは、異常な状況に映っていた。


(あいつら、一体いつから付き合ってるんだ? あの慣れた感じ、それなりに経っているのか?)


(いいなあ、あの雰囲気。私もウルと……あー! 変に意識しちゃって、顔を見れないよ)


「ねえねえ。ウル君とティタちゃんも食べようよお弁当、美味しいのだよ」


「「うん」」


 同時に返事をする二人。声が重なったことに照れてしまいうつ向いてしまう。そんな二人を見て、メイルはメルに耳打ちした。


「いつまでも照れてると、ボクが全部食べちゃうのだよ」


「「待った!」」


 お弁当に手を伸ばすや、一心不乱に食べていく二人。食べることに集中しており、お互いには気が向いていないのだ。


「そんなにがっつくと詰まらせるぞ。ゆっくり食べろ」


「「……」」


「メイル。何で二人は照れているのだ? 好きだってお互いに言ったのだから、照れる必要なんてないのだよ」


「知ってしまったから照れているのさ。急に相手に対する印象が変わるからな」


「「お茶!」」


 お茶を一気に飲み干し一息つく二人。打ち合わせなどしていないのに、息はピッタリ揃っていた。


「収まるして収まったか」


「メイル、嬉しそうなのだよ」


「まあな」


 幼なじみとして側に居たからこそ、ウルとティタの進展にホッとしているメイル。実は彼、ウルからティタに対する気持ちを聞いていたのだ。それは四年前の事。泣いていたティタが元気を取り戻して笑顔を見せてくれた時、『胸がキュンとなった』とウルが言ってきた。それを聞いたメイルは、『それは恋だ』とウルに言ったのだ。それに対してウルは、『俺はティタが好きだ!』と答えた。


「オイ、二人共。そろそろ降りるぞ」


「何でだ?」


「乗り換えだ。この列車じゃ、カムールには行かないんだぞ」


「そうか。じゃあ仕方ないか」


 列車を降りて伸びをするウルとティタ。その様子にメルは笑ってしまった。お互いに気付いて再び照れてしまう。メルは面白がってからかっている。


「やめろ。人の恋路を茶化すんじゃないぞ」


「「メイル!」」


 ウルとティタ。二人の息の合った突っ込みが、駅のホームに響き渡った。それを聞いたメイルは堪らず笑ってしまったのだった。

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