ウル・ティタ:激突
「キリナさん、これからどうしたら!?」
「『もしものときは頼む』と言われたけど、核師同士の戦いに混ざるのは正直、抵抗あるわね。銃でどうこうという次元ではなさそうだし」
物陰から様子を窺うキリナとティタだが、核師同士の激しい戦いを前に、なかなか手を出すことが出来ずにいた。キリナは銃を構える。照準をギルに合わせるが、素早い動きに対応出来ない。
「こんなとき、自分にも核が使えたらと思ってしまうわ。銃を持つ自分が非力な立場に置かれるなんてね……。情けないわよ」
「キリナさんは十分凄いですよ! 銃だって脅威なんですから」
「当たればね。当たらなければ〝重り〟よ」
「核師だって、役に立たなければ〝只の人〟です。人間、適材適所なんですよ」
ティタも痛感していた。同じ核師でありながら、三人の戦いに付いていける自信がなく、恐怖で足が震えていることに。
「ティタちゃんは強いわね。ワタシの妹と同い年なのに、とてもしっかりしているもの」
「えぇ!? キリナさん、妹が居るんですか」
「今頃どこで何をしているのか……〈精進の儀〉だっていうのにあの子、ピクニック気分で浮かれていたらしいから」
「らしい?」
「四年は会っていないから。軍に入ってからは、会えていないの。連絡を取ってはいるけれど、それも父親経由だし」
「会いたくないんですか?」
「勿論会いたいわよ? けれど会ってしまうと離れたくなくなってしまいそうで。まあ、ワタシよりも大変なのは父親でしょうね」
「子離れですか?」
「ワタシが軍に入るのも反対されたの。家を出なければならなかったから、なんだけどね。だからきっと、あの子が旅立つときは大変だった筈よ。もしかしたら、付きまとっているのかも」
「それは大変そうです。どこかで会えるかもしれない。そう思ったらこんなところでウジウジなんかしてられない!」
ティタは、路地の壁から槍を生成すると勢いよくそれを放り投げた。放られた槍は、地面に向かって落下していく。ウルの視界に槍は現れ、ギルとの間に突き刺さった。
「ウル、それを使って! ギルの武器に引けを取らない筈だよ」
突き刺さった槍が、ウルの手に渡る。ウルの炎を纏った槍は真っ赤に色を変えた。




