その二 外法者
にじファン閉鎖ですか……残念でなりません。
でも妄想するのは自由ですよね?そうですよね?
―――という、夢を見た。
「ふう。俺としたことが、危うくファンタジーに足を踏み入れるところだったぜ」
危ねえ危ねえ、夢ってのは深層心理の表れでもあるらしいからな。この歳になってあんなことを考えているなんて知られたら、景虎に爆笑されてしまう。
「さて、と。バイト行かなきゃな」
時計を確認すると、いつも起きる時間だ。さっさと着替えて新聞配達に行くとしよう。
「ふっ、清々しい朝だ。今日も良く晴れそうだぜ……」
『うむ、雲の一つも見当たらん。しばらくは良い天気が続くだろうよ』
「………」
ジャージを着込み外に出て、深呼吸を一つ。まだ暗い早朝の空気を、肺いっぱいに吸い込む。
「ああ……空気が美味い」
『まったくだなあ。これが娑婆の空気ってヤツかの、カッカッカッ!』
「………」
屈伸、伸脚、アキレス腱を伸ばす運動。ウォーミングアップは入念に。バイトで、しかも新聞配達で怪我をするなんざ笑い話にもならねえからな。
……怪我したことある人がいたらごめんなさい。
「ようし……それじゃあ、一丁行くかっ」
『うむ。微力ながら、儂も助太刀しようぞ』
「……畜生、人が必死に現実逃避してんのにっ……!!」
絶妙なフォローどうもありがとう!おかげで見たくない現実を直視することができたぜ!
「……結局昨日は訊けなかったけど。爺さん、アンタ一体何者なんだ」
『儂か?儂の名なら、お前さんは既に知っとる筈だがの』
「そういうことを訊いてんじゃねえんだよ」
昨夜俺と〔契約〕した鬼―――金鬼に訊きたいことは色々あるが、とりあえずそれは後回しだ。地面を蹴り、ダッシュ開始。まずは販売店を目指す。
「おはようございます」
「おー、なっちゃん。おはよーさん」
「……その呼び方やめてください、所長」
到着すると、すぱー、と煙草をふかしながら出迎える女性が一人。この日比谷新聞販売店の所長、日比谷貴子さんだ。
父親がぎっくり腰になったのでここを継いだらしく、まだ若い(と、思う。少なくとも見た目は。実年齢?訊けるか)のに仕事ができる人である。
……あまり真面目に働いている姿を見たことはないのだが、様々なメディアが発達したおかげで新聞業界が超絶不況なこの世の中で日比谷販売店が黒字を維持しているあたり、有能な人物であることは間違いないだろう。
「やー、なっちゃんが居てくれて助かるわー」
「そうですか?仕事量、別にみんなと変わんないと思いますけど」
「いやいや、他のヤツらはバイク使うじゃん?アレ、たまに苦情来るんだよねー、真夜中にうるさいって。なっちゃんは足で配るからさー、静かなんでそういうのがないんだよ。配り間違いもないし」
「……さいですか」
まさか姉ちゃんの無茶ぶりがこんな効果を生んでいるとは思わなかった。本人も絶対に思ってなかっただろうそうに決まってる。
ちなみにこの人の言う「なっちゃん」とは、「ナキリ」だから「なっちゃん」。柊は「カナエ」だから「カナちゃん」。ええい、どいつもこいつもっ。
「んじゃ、行ってきます」
「いてらー。いつも通り、終わったら直帰でいいから」
「はい、ありがとうございます」
というわけで、販売店を出発する。
……さて、早朝のこの時間、街に人気はほとんどない。爺さんと話すなら絶好の機会だ。
『働き者だのぅ、お前さん。こんな陽も昇らんうちから仕事とはの』
「朝から体動かすと気分いいだろ?……て、そういう話をしたいんじゃなくて。さっきの続きだ―――アンタ、一体なんなんだ?」
『ふむ。それじゃあ分かり易いように、お前さんも知っとることからおさらいしてくとするかのぅ』
―――俺も、知ってること。
そう言われて、俺は昨日の夜、爺さんと〔契約〕した時のことを思い出した―――
――――――――――
『儂の力、存分に振るえ―――百鬼鼎!!!』
「俺に、力を貸せ―――金鬼ィィィィィっ!!!」
腹の底から吼えた、その瞬間。
現れた鬼の姿が、俺に重なり。
全身に、爆発しそうなほどの「力」が溢れた。
魂が震え、心臓が猛々しく鼓動し、血流が沸騰しそうなほどに熱く滾る。
これが―――これが、〔契約〕か。
『クククク、ク、クカ、カッハハハハハハ!!小僧、お前さんの願い、しかと聞き届けた!!いいだろう、助けてやるぞ、我が半身よ―――!!』
「おおおおおおオオオオオオオオオオ―――!!!」
再びの咆吼。それにより、当然黒服どもに見つかった。
見つかったが―――だから、なんだ。
「いたぞ、こっちだ!」
「なんだ、さっきのは……!?自棄にでもなったか!?」
「早く殺せ、今ので人が来るぞ!!」
黒服たちは皆拳銃を構え、俺に向けている。ほんのついさっきまで俺にとって死の象徴だったそれが、今はまったく恐ろしくない。
だって、そんなものでは。
俺にたった一筋の傷さえ、つけることはできないのだから―――!
「おおおおおおおおっ!!」
脚に力を込めて、蹴り出す。するとアスファルトが砕け散り、F1カーが飛び出すように、俺の体が加速した。
「な、これは……!?」
「う、撃てっ!!」
バシュバシュバシュ、と気の抜けた音を立てて、銃弾が放たれる。それは真っ直ぐに突っ込む俺の体に全て直撃したが―――それだけだ。何の変哲もない安物の服を貫いただけで、俺の皮膚に触れた途端、弾頭が潰れて落ち、あるいは弾かれた。
「き、貴様……!〔契約〕したな―――!?」
「だから、」
走りながら、右拳を握り締める。すると右手の皮膚が―――いや、右腕全体が金属のようになり、硬質な輝きを放つ色合いに変わる。閉じた拳の皮膚と皮膚が擦れ合い、ギチギチと鋼鉄が噛み合うような音がして、拳に破城鎚の如き威力が込められた。
「どおおおおおうしたあああああああっ!!」
その右拳を、思い切り振り抜く。まだ力の制御に慣れていないせいか、その一撃は見事に空振りした。
空振りして―――それによって発生した風圧が、黒服たちを吹き飛ばした。
「く、くそがああああ!」
「ぎゃあああああ!!」
「ぐえっ!!」
そのまま壁に叩きつけられ、折り重なるようにして倒れ伏す。気絶したようで、少し待ってみても起き上がる気配はなかった。
「……がはっ、はぁっ!はぁっ!ふううぅぅ……!」
それを確認してから、荒く、大きく息を吐く。深呼吸を繰り返して気分が落ち着いてくると、さっきまでとは別の不安が首をもたげてきた。
……俺の体は、一体どうなっちまったんだ―――?
『カッカッカッ……どうやら、儂との相性は良いようだのぅ、小僧』
「……どうなってんだよ」
『言うたであろう。これが〔契約〕だ。お前さんは儂の力をその身に宿し、奴らを倒したのだ』
「力……この馬鹿げた怪力とか、銃も効かねえくらい頑丈な身体のことか?」
『ご明察。儂は金鬼。他の鬼のような妖術の心得はないが、代わりに腕っ節では一番よ。昔はそれなりに派手に暴れたこともあったからの、文献くらいは残っとるかもしれんのぅ』
「金鬼……か……」
鬼……ってのは、お伽話なんかに出てくる、あの鬼のことでいいんだろう。そういうのは詳しくないのでわからんが、コイツの口振りからすると、鬼の中でもかなり強いのかもしれない。
「……とにかく、ここを離れないと。相当騒いじまったからな、すぐに誰か来る」
『んん?いいのか、それは?詳しく知らんが、今の世には警察とかいう、治安を守る組織があるんじゃないのか』
「いや、あるけどさ……どう説明すんだよ、この状況。銃持った男五人を伸したなんて」
『正直に言えば良かろうが』
「鬼が助けてくれましたってか?んなこと言ったら、警察の次は病院だな」
まあそうなったら、黄色い救急車が見れるかもな。鬼がいるんだから、アレも実在するかもしれんし。
『ふうん、そういうもんか』
「そういうもんだ」
『ややこしいのぅ、人の世は。……で、コイツらはどうする?』
「……ほうっておくしかねえだろ。後は警察に任せるさ。最終的にどうなるかは、ちょっと不安があるけどな」
俺のことを話されると、程度のほどはわからんが、まあ厄介なことになるのは間違いない。かといってどこかに運ぶような時間的余裕はないし、運んだ後どうすればいいかも思いつかない。
……やっぱ、置いてくしかねえか。
「つーわけで、逃げんぞ」
『おうさ』
「そういやアンタ、どこにいるんだ?あの筒からは出られたんだろ?」
『お前さんのすぐ側におるよ。儂らは肉を持たんでな、確たる器が無い故、常人の眼には映らんのだ。それでもお前さんには、儂の存在が感じられる筈だが』
「……存在を……」
なんか見るも無惨な有り様になっている路地裏から走り去りながら、試しに意識を集中してみると、確かに、そこに何かの存在を感じた。
……いや。感じた、なんて曖昧なもんじゃない。その姿形の細部まで、ハッキリとわかる。
背丈は馬鹿みたいにデカい。比喩も誇張も一切抜きで、俺の倍以上ある。
身体は、筋骨隆々どころの話じゃない。タッパと合わせて、まるで岩山だ。
脚も太く逞しく、地に根を張った大樹の如く、しっかとアスファルトを踏みしめている。
肌は鈍色。鋼のように頑健な肉体に身に着けているのは、その身体に劣らぬほどに、立派で巨大な虎皮の腰巻き。
顔は厳つく精悍、口には鋭い牙が並び、背の中ほどまで伸びる髪は硬そうな銀色で、目は爛々と紅く、額からは鬼の象徴とも言える、雄々しく猛々しい角が二本、真っ直ぐに伸びている。
「……すっげえおっかねえナリしてやがんな、アンタ」
『ふふん。男児たるもの、面構えで相手を威圧できなくてはのぅ!』
「……そーですね」
……薫を見たらどう思うかなあ、コイツ……。
「……あん?そう言えば、撃たれた腹が痛くねえ……?」
『……気付くのが遅いのぅ……』
驚きの連続過ぎて、今の今までまるで気付かなかった……。
『筋力が一気に増して、傷口を塞いだんだろうよ。治ったわけではない、無茶をすりゃあまた開くぞ。……まあ今のお前さんにとっての無茶は、それこそ無茶苦茶だろうがの』
「どんな理屈だよ……」
だが折角だから、〔筋肉縫合術〕と名付けよう。
……やっぱやめとこう。
さて、そんな馬鹿なことを考えてるうちに、家にたどり着いた。幸いなことに(本当に幸いなことに)、まだ姉ちゃんは帰って来てないようだ。薫も寝てるみたいだし、この血みどろの服を今のうちに処分しちまおう。
「……しっかし、疲れたぜ……」
『契約したてってなそんなもんよ。まだ体が馴染んでおらんのだ、そのうち無駄なく力を使えるようになる』
「そのうち……ねえ……」
あー……マジでダルい。考えなきゃならんことは山ほどあるが……明日でいいや。
……あ、日付変わってる。……朝になってからでいいや。
「うおー……眠い……」
『カッハハハハ……まあ、今はゆっくり休め。安心せい、もしまた奴らが来たら、儂が教えてやる』
「ああ……任せたぜ、爺さん……」
『……爺さん、か。カッカッカッ、孫にしたって、歳が離れ過ぎとるわ』
爺さんの楽しげな声を聞きながら、俺は眠りについた。
……厄介そうなことになったなあ。いっそ全部夢だったら、笑い話にできるのに―――
――――――――――
「……つまりアンタと契約した俺は、それによって人間離れした身体能力と、真っ当な方法じゃ傷も付けられねえくらいの頑丈さを手に入れた、てわけか」
『ま、そういうことだの。儂の場合はそれくらいのもんだが、契約する相手によっちゃあ不可思議な力を使えるようになる。お前さんらふうに言えば、超能力とかいうヤツに似とるかの』
「へえ、そりゃ面妖な」
『儂らのような、お前さんら人間の科学で測れぬモノどもを〔外法者〕と呼ぶ。仏法の教えのことではなく、世の法則―――「理」から外れた者、とな』
「ふうん……その外法者ってなどんだけいるんだ?」
『数え切れんわ、そんなもの。この国にゃあ八百万と言うてな、なんにでも魂が宿っちまうのよ、どういうわけかの』
「はた迷惑な……」
担当区域を駆け回り、お客様の家のポストに新聞を投函しながら、爺さんの説明を受ける。
爺さん―――金鬼は、平安時代に「藤原千方」という豪族と共に、朝廷に反旗を翻したらしい。その際には爺さんの他に、風を操る「風鬼」、洪水を起こす「水鬼」、姿を消せる「隠形鬼」という鬼がいたそうだが、今は全員行方知れずとのこと。
……いや、藤原千方は死んでるよ?人間だもの。
「平安時代……千年以上昔か。……寂しくねえのかよ、爺さん。そんな仲間たちと離れ離れでよ」
『いや全然』
「………」
『儂らは人間と比べて、寿命が長いからのぅ。昔のことも先のことも、あんまりにも膨大過ぎる。ごちゃごちゃ考えるより、その時の一瞬一瞬を楽しんどるほうが性に合っとるのさ』
「刹那的だなあ……」
まあ鬼の気持ちなんざ、人間の俺にわかるわけもない。
……同じ人間の気持ちすら、わからないのだから。
「そんじゃ、次。爺さんの口振りからして、その外法者とやらは、爺さんみたいに人間と契約することがあるんだろ?そりゃまたどうして?」
『ふむ。……外法者は大抵、肉を持たん。故に単体では、その存在を維持することはできんのだ』
「ちょっと待った。それだとそもそも、存在することができねえんじゃねえのか?」
『外法者がどうやって生まれるのかは、儂も知らん。だが存在を維持するために必要なモノはわかっとる。
……儂らは、人の「想念」を糧とする。世界各地に伝わる伝説、それらに対する人の想いが、儂らをこの世に繋ぎ止めるのだ。儂らはより大勢の、より強い想念を得るべく、その伝説に沿って行動するわけだの』
「……なんかそれだけ聞くと、鶏が先か卵が先かみてえな話だな」
伝説があるから、外法者が生まれるのか。
外法者がいるから、伝説が生まれるのか。
……どっちが先かなんて、それこそどっちでもいいのかも知れないが。
『で、だ。伝説ってのは、土地に根差すもんだ。この国にはこの国の、外国には外国の伝説がある。……いや、この国の中でさえ、土地ごとの伝説があるのだ。それはつまり、伝説によって存在を維持する儂らは、生まれた土地を離れることはできんということだの』
「ふうん……」
『だがいくら儂らが伝説に沿って行動すると言うても、限界がある。時が流れればその土地に住む人間が変わり、人間が変わればその土地の伝説も変わり……あるいは、歪む。それは儂らにとって、凄まじい苦痛となる』
「まあ……なんとなく、わかる気がする」
自分は変わらないのに、周りだけが変わって行く。
人より遥かに長い寿命を持つために、移り変わる人の世代に、歴史に取り残される。
時間は、外法者にとっても平等で―――残酷なのだろう。
『そんな時、外法者は土地以外の寄る辺を求める。……ただ一人の、人間にな』
「それが……〔契約〕か」
『然り。伝説という想念ではなく、ただ一人の魂により、己を世に繋ぎ止める。無論、そんな状態では、力の全てを使うことはできん。だが契約者の身に宿す分くらいはどうにかなる』
「……昨日のあの力が、爺さんにとっちゃほんの一部だってのかよ……」
現役時代はどんだけだったんだ、このジジイ。
『まあそれ以外にも、契約する理由はいくらでもある。人に興味を持つ者。あるいはもっと純粋に、人に惹かれた者。元々人と契約する伝説がある者もいる。儂はそのどれとも違うが』
「へえ……じゃあ、なんでだ?」
『そうだのぅ……科学が進歩するに連れ、人間は不確実で気まぐれで制御の難しい外法者よりも、自分たちの生み出した科学を信仰するようになった。伝説は変わるでも歪むでもなく、「薄く」なったのだ。得られる想念の減った外法者たちは次第に力を失い、ある者は永い眠りにつき、ある者は―――消滅した』
「………」
『伝説が、ただの作り話とされて久しい。あんまりにも長い間ほっとかれて、流石に儂も暇になっての。不貞寝しとったんだが……』
「なんか急に話軽くなったな!?」
『ある日目が覚めたら、あの小っこい筒ん中に閉じ込められてての。いや焦ったわい、なにせ身動き一つとれんのだからのぅ』
「間抜けだなあ、おい……」
……あれ?ということは、それって、つまり―――
「……ちょっと待て。それじゃあ爺さん、アンタ、もしかして―――」
『うむ。どうやって抜け出そうかと考えていたら、急に筒に亀裂が入っての。それでも長く忘れ去られていた儂だけでは力が足りず、あの筒を破れんでな。たとえ出られたとしても、既に生まれた土地を遠く離れておった故、すぐに消滅するのは目に見えていた。さて、本当にどうしよう―――というところで、お前さんに拾われたわけだ』
「なんか俺の人生の転機がすっげえアホくせえ経緯の果てに訪れてんだが!?」
あの時の心の躍動を返せよっ!!
『……呆れたか、小僧?』
「……ああ?」
『失望したか、儂に。それとも憎いか、恨めしいか。お前さんに人を超えた力を与え、この先の人生を狂わせるであろう―――この儂が』
「いや、それはねえよ」
『……は?』
自分でも驚くほどに、その言葉はすんなりと出た。これには爺さんもポカンとしたようだ。
「アンタがいなけりゃ、この先の人生どころか、昨日死んでたんだぜ、俺は。感謝こそすれ、憎んだり恨んだりする筋合いはねえよ」
『……そもそも儂がいなけりゃ、お前さんがあんな目に遭うこともなかったんだがのぅ』
「そんなのわかんねえだろ。爺さんがいなけりゃ、あの時俺は、別の外法者に出会ってたかもしれねえ。ソイツは爺さんみたいに、俺を助けちゃくれなかったかもしれねえ。
……そんなのは、わかんねえんだよ。ただ一つ、言えるのは―――爺さんは、俺を助けてくれた。……それだけさ」
『……そうかい。……クク、カッカッカッ!!なるほどのぅ、儂は随分、運が太いようだの!!カッハハハハハハ!!』
一体何が楽しいのやら、爺さんは突然笑いだした。
……ていうかこの人、いや鬼か、かなり笑いまくってるよなあ。それもぶっちゃけ、イマイチ理解出来ないタイミングで。
「まあ、そういうことだ。それに、まだ付き合い短いけどよ。……俺は結構、アンタのことを気に入ってるぜ」
『カッハハハハハハ!!そうかいそうかい、そいつは重畳!儂もお前さんのことは気に入っとるよ、鼎!!』
「ああ。……昨日はドタバタしてて言えなかったが―――これから、よろしく頼むぜ、金鬼」
『おうさ、よろしく頼まれたぞ!カッカッカッカッ、カッハハハハハハ!!』
空が白んでくる中で、爺さんの心底楽しそうな笑い声が、いつまでも響いていた。
―――それはきっと、俺の頭の中だけにしか、聞こえていないんだろうが。
外法者=アウトロー
というのが、本作での設定です。
……え?厨二病?
お褒めに与り恐悦至極にございます。




