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4話 追尾の夢魂

ポテトはシナシナなほうが好きです。

「うわぁぁぁぁ! もうおしまいだ! 何でこんなところに超級夢魂が現れるんだよ! ふざけんなよ! くそー!」



「ブワァァァァ!」



ザシュン!



「え、生きてる?」



「無事か?」



「え、あ、はい。貴方は?」



「俺は蘭童だ。応援の夢魂狩り。危なかったな」



「はい。通報は中級夢魂だったんですけど変異系統の夢魂であっさり…」



「まあ油断は禁物ってことだよ。この業界ではね」



「ですよね。あ、僕影山です。はじめまして」



「はじめまして。俺は蘭童。夢魂狩りには最近なったの?」



「はい。4ヶ月前に」



「そうなんだ。何かきっかけでもあったの?」



「実は家が貧乏で、僕が稼ぎまくって両親に楽させたいんです!」



「いい子だね」



「ありがとうございます」



「じゃあ報告に戻ろっか」



「はい!」



「ゼェ! ハァ! ハァ!」



「あ、時間ちゃん。遅い」



「時間…ちゃん?」



「あぁこいつ、時間の夢魂」



「えぇぇ!」



え? ん? え? 時間の夢魂? あの超極級夢魂とかいう最強夢魂の一体? 嘘でしょ?



「なんで疲れてんのー!」



「え、そこ?」



「時間ちゃんご飯食べた後基本体力ないからね〜」



「本当に最強ですかそれは!」



「え…何言ってんの?」



しまった! 怒らせたかな〜!



「最強に…決まってんだろ」



「突然のイケボー!」



「時間ちゃん。もう仕事終わってんのよ。あんた」



「すいません」



「まぁ今回は雑魚だったからいいけど…極級とかだと流石に困るからな!」



「はい。すいません」



「はい! いったんこの話終わり! 報告優先!」



「あ、はい!」



3時間後──



「ただいま戻りました〜!」



「おっそいわ!」



現在3時間前に報告に戻る電話をした蘭童さん。

しかし、途中で美味しそうなどら焼きの行列を見つけてしまい、3時間の待ち時間を終えて帰ってきました。

「よりによって理由がどら焼き買ってましただぁ〜! 任務中になーに買っとんじゃー!」



ちなみに今ブチギレているのが総務担当の中本充さん。時間に厳しい。関係ないけど物事への解説が長過ぎるため解説魔と呼ばれている。



「中本さんさーせん」



「サーセンじゃないわー! 誠意見せろやボケー!」



蘭童さんはいつもこんな感じなのだろうか? そろそろ俺も次の仕事とか決めないといけないし、一旦仲裁に入るか〜。



「あのーすいませ…」



「アァン!」



「ヤンキーの喧嘩の売り方!」



「え…あ、影山君、ごめん…」



(気にしてる! ヤンキー気にしちゃってるよ! ごめんなさい)



「まあ仕事は終わったようだし、これで許してやろう!」



「これでとは?」



「今追尾の夢魂という指名手配夢魂がいてな。ちなみに極級だ。そいつの目撃情報がこの辺りで報告されたんだ。蘭童、これ行ったら遅刻帳消しにしてやるよ」



「これ行くだけでイイんすか?」



「まあ強さだけは本物だからな。情けをやるよ」



「あざます」



「じゃあ影山君、悪かったな。巻き込んで」



「あぁ、大丈夫です。任務手伝ってもらったの僕なんで」



「ならいいけど」



「じゃあ僕行きますね」



「おう! お疲れさん!」



影山黎斗。この1年で悪託夢魂なしで上級夢魂狩りまで昇格した新時代の才能。

謙虚なのは良いんだが、あまり自身への自信がないように見える。自信がつけば一丁前に力発揮できそうなんだがな。



「蘭童、お前影山とは初対面か?」



「初対面に決まってますよ。新人でしょあの子」



「お前の口から新人と聞ける時代が来るとはな」



「そういう事言わないでもらえます」



「あぁ、すまんすまん。なぁ蘭童? 影山は強くなれると思うか?」



「現実的に言えばですけど悪託夢魂なしの夢魂狩りの死亡率の高さ、中山さんも知っているでしょう」



「知ってるけどよ。あいつの今の実力的に言えばもしかしたら…とか思わないか?」



「まあぶっちゃけると俺は影山君? が闘っている現場を見たことがないから何とも言えません」



「そうか…てか時間の夢魂はどこ行った?」



「外で待たせてます。中入れると上層部が面倒臭いんで」



「なるほどね」



時間の夢魂は夢魂狩りを統括する上層部からすれば危険すぎる存在だ。

今は土屋の後ろ盾があるからこそ蘭童も生きながらえているが、その後ろ盾がなくなった時に上層部が何をするか分からん。

時間の夢魂への警戒は我々としても不可欠だ。



「にしても蘭童。お前いつの間に極級になってたんだ」



「2、3ヶ月前ですね。試験受けたら何か受かりました」



「お前以外と多才だよな」



「いや〜そんな事ありますよ」



「そこは否定する流れだろ!」



「てか夢魂狩りの階級分けって何か意味あるんすか」



「お前、6年やってて知らなかったの」



「はい! 知りません!」



「元気に返事するところじゃねえよ! まあ説明してやるよ」



「出た、解説魔!」



「呼び名どうなってんだよ!」



夢魂狩りの階級はその夢魂狩りの強さを表す。階級は下の通り

初級

ビギナーの夢魂狩りの階級。最初はみんなここ。


中級

中級夢魂を10体討伐する事で昇格。


上級

上級夢魂を10体討伐か夢魂討伐件数250件以上で昇格。討伐件数での昇格の場合は特別上級夢魂狩りという別の階級に分けられる。


超級

上級夢魂100体討伐と超級昇格審査合格で昇格。討伐件数の場合は700件必要。


極級

上級夢魂100体と超級夢魂50体の討伐と極級昇格審査合格で昇格。蘭童や土屋がここ。


超極級

現在、超極級夢魂狩りは日本に存在しない。


「てな感じ」



「なるほど…てことは俺、結構すごいんすか?」



「自分でヤバさ理解してなかったのかよ」



「いや〜まわりに極級夢魂狩りが多すぎて…以外にいるものかと」



「まあそこまで多くないのが現状だな」



「へえ〜」



「でも上級以上にもなってくると基本的には悪託夢魂ガチャで大当たりを当てた奴らの階級みたいになってくんだけどな。悪託無しだと上級が限界点だって言われてる」



「じゃあ影山君って以外と凄いんですね」



「あぁ。なんせ50年ぶりだからな。歴史を塗り替えた男だ。お前と同じで…」



「それ俺に関しては100%嫌味でしょ」



「何でそうなんだよ!」



「だって中山さんいっつもグチグチグチグチ言ってくるんですもん!」



「それは…すまん」



「分かればよろしい」



「一応年上だからな! 俺!」



「あ、また出た」



「今のは失礼なお前が悪い!」



やっぱり中山さんは短気だ。



「てか余談はそろそろ終わりにして任務行ってこいよ」



「分かりましたよ。じゃあ行ってきまー…ちょっと待て」



「どうした蘭童?」



「すいません中山さん、今ー囮にー使えそうなー人ってーいたりーしますかー?」



「いない!」



「即答! 調べてくれてもよくないですか!?」



「逆に聞くけどお前の知り合いに囮やってくれそうな人いる?」



「います!」



「誰?」



「その男は…」



20分後──



「何で僕が囮にならないといけないんですか!」



蘭童が選んだ囮役 影山黎斗。



「そこを頼むよ影山くーん。おねがーい。囮やってー」



「嫌ですよ! 極級夢魂の囮は流石に御免です!」



「そんな事、俺に言って大丈夫?」



「え、どういう事ですか?」



「俺、一応上司って呼ばれる存在なんだよね。君にとって。だから、やらないと痛い目見るよ?」



「まさかのパワハラ上司!」



この時の蘭童の心の中



楽しみの蘭童(うーん影山君だったら上手く言えば囮やってくれそうだよねー!)



哀しみの蘭童(ただどうやったらあの子はこの哀しい所業を許してくれるだろうか。彼の心の中を想像すると哀しみが溢れてくる)



喜びの夢魂(喜ぶべきだよ! だって影山君に口を聞かせられたら僕らは彼の上司と言う立場に洗脳できるかもしれないんだよ! どうせならさー…脅しちゃおうよ?)



(じゃあ脅しに決定で)



3体の蘭童(誰?)



(え、マジ?)



「まあ頼んだよ影山君。ここでのんびりしてるだけでいいから。あ、武器なしね!」



「へ? 武器なし!」



「そう武器なし! 怪しまれるでしょ!」



「だからって…」



「あ、もうそろそろ追尾の夢魂の出没時間だ。俺は隠れているから頼んだよ影山君!」



「そんなー! しかもこんなだだっ広い屋上では終わってますってー!」



そして蘭童が隠れた直後…



「オイシィニンゲンハイナイカーイ。イタイコトシヨウヨゥ」



追尾の夢魂が上空に出没した。

夢魂が喋ってる! あんなのの囮しないといけないの? 死ぬでしょ!



「ミーツケタ」



追尾の夢魂が影山の姿を捉えた。



「へ?」



そんな、嘘でしょ! 蘭童さん! 早く出てきて! 死んじゃう!



「ソウテンシマース」



ガッチャン!

追尾の夢魂から銃弾を装填するような音が聞こえた。



「ハッシャシマース」



追尾の夢魂が発射体制についた。この瞬間を蘭童は…待っていた。



「今だ! 時間ちゃん!」



「おうよ!」



「何だ! 何かが上空から落ちてくる! 蘭童さん!」



「安心しろ! 味方だ!」



「誰ですかあの少年は! あんな子にやらせても無理ですって!」



「大丈夫! 俺達を信じろ!」



「ったくガキ扱いはやめろよな。まあいい!」



「まさか…あれって時間の夢魂ですか!?」



「その通り。よく分かったね」


「何で時間の夢魂が人型に!」


「詳しいことは後!ともかく影山君ダッシュ!多分あいつ…」



「タイム爆弾!」


「爆弾落としてくるから!」



「ナンダアレハ!」



ドッカーン!

屋上が巨大な煙にまみれた。



「グゥォェェェ! キタナイニオイダ!」



「もう終わりか? 追尾の夢魂?」



「蘭童? こいつ極級? 雑魚すぎね?」



「馬鹿にすんなよ。まだ終わってない。さすがの頑丈さだ」



追尾の夢魂。ピンク色の肉の大砲に目がついた怪物。装填した追尾弾を発射するのが攻撃手段。ついでにお空をプカプカ飛べる。



「さーて時間ちゃん! やっちまおうか!」



「暇つぶしぐらいにはなってくれよ?雑魚!」



今、戦いの火ぶたがきられた。

喜哀楽の蘭童はたまに出てくる心の中の蘭童です。怒は知りません。表記なしの蘭童は─表記なしの蘭童─で覚えてください。

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