EXP.26 弾丸の罠
煌く刀身をしばらく眺めてから鞘に戻す。
「それじゃあ行こうか?」
「え、でもユウキさんがまだご飯食べてませんし……」
「大丈夫だよ、元から食べる気なかったし、こっちの食べ物とか食べたから感覚ではお腹空かないしね」
「なら良いんですけど……」
少し不安そうに僕を見る林を見ていて、嘘はついていないが罪悪感が出てくる。
「でも、片手長剣なんか使えるかな?」
「大丈夫ですよ、少し重いかもしれませんがリーチが伸びた短剣くらいに思えば良いんですから」
「なるほど!」
ちょっとした剣術を習いながら少し歩き、4階層の石階段を発見した僕達は先に進んだ。
…
灰色の甲殻を身に纏い、手足の鋭い爪と紅い瞳を輝かせる二足歩行の爬虫類。モンスター名[バレット・ボール]は唾液を垂らしながら咆哮した。
抜刀し走り出す僕に続いて林も走り出す。僕達の動きを確認してから[バレット・ボール]は林に向かって両手足で突進を開始した。
あの速度なら僕でも避けられるし、林なら楽勝だろう。と僕が思った矢先、[バレット・ボール]は前方に倒れこみながら身を丸くし突進した。急な速度変化に反応し林は左側に緊急回避したが、僅かに足を持って行かれたらしく倒れ込んだ。
[バレット・ボール]はめり込んでいる壁から抜けようと体をめいいっぱい動かしている。意表を突かれたが、片手長剣を前に動かない的に向かって走った。
左下段から振り抜き、爬虫類の首元を切り裂くと赤色のダメージエフェクトが現れた。自らの首に現れた傷を眼にし、瞳の紅が増し暴れ始めた。が頭部に突きを繰り出してHPバーが4割を切ったので、そのまま力を加えトドメを刺すと、動きを止め破裂と共にガスを噴出した……。
「ゲホッゲホッ、大丈夫か林?」
「足を持って行かれましたが、治したので大丈夫です」
「流石に強いな……」
噂通り、中型モンスターの強さは半端なものでは無かったが報酬も良くなったのだった……。だが、それ以上に事態は深刻なものだった。
この時すでに、僕達は……いや、僕は[バレット・ボール]の罠に掛かっていた……。
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