↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アビリティワールド-ABILITY WORLD-  作者: イズミ
第1章 出逢いと始まり ―動き出す物語―
16/215

2.影⑤ 変身

▷▷


 ―――時は戻って現在。


 南たちは、“影”の攻撃を防ぎながら広間の向こうの道に行く方法を模索していた。


「くそ……これじゃキリがない……」


 “影”が疲れた様子もなく攻撃の手を続けるのに対し、南たちには少しずつ疲れが見えはじめていた。


「南、これじゃ疲れるだけだ。やっぱりこいつ倒してから向かった方がいい気がするけど」


 “影”の攻撃に注意しながら晃太の言うことに耳を傾ける南。

 晃太の言うことも一理ある。

 このままやってもジリ貧だし、何より体力の消費が思ったより早い。

 相手の“影”が全くもって攻撃を緩めてくれないというのもあるが、この洞窟内を歩き回っていたことによって溜まった疲労が大きな要因となっているのだろう。

 そこまで考えた南はある作戦を思いつく。


「晃太! あれって今マックスでどのくらい使えるんだ!?」


 “影”の鋭い指先の攻撃を“火炎刃”で流しながら南が言うと、晃太は一瞬考えてから答える。


「大体30分くらいだ!」

「……よし。ハバネロ! 少し時間稼ぎ頼む!」


 上空を飛び回りながら“影”の陽動役をしていたハバネロは、こくっと頷いたあと、“影”に突っ込んでいった。

 南は晃太と美穂がいるところまで下がると、二人に考えついた作戦を話しはじめた。


「このままだとこっちが不利だ。あの“影”、手を休める気配がないのに疲れる様子がまるでない」

「そうだね……これじゃ私たちがただ疲れてくだけ……」


 美穂は、南と晃太が自分では防ぎきれない“影”からの攻撃の防御に自分自身の防御で魔力を消費し、少し疲れてる様子である。


「だから一気に行くぞ」

「やっぱりあの“影”倒すのか?」


 晃太の問いに南は首を横に降った。


「少し違うな。“影”には倒すつもりで本気で向かう。けど、あの道に向かえそうならそのまま向こうまで向かう。だから、言うなら目的はあくまでも脱出、目前としてあの“影”を全力で倒しにいくってところかな」

「よし! じゃあとりあえずあの“影”とやることに集中ってことでいいのか」

「そうだな。晃太はそれでいい」


 ―――晃太はそっちの方が余計なこと考えるよりやりやすいだろうからな。


 南は心の中でそう思ったあと、美穂の方を見た。


「神崎は引き続き後ろからの援護頼むな」

「了解!」

「南、さっきあれのこと聞いてきたってことはもう使ってもいいってことだよな?」

「ああ、頼むぜ晃太」


 南がそう言うと、晃太はみぎの腰に着けているSギアスイッチに手を当てた。

 すると、スイッチが晃太の手の魔力に反応し光りはじめた。

 晃太の足元には白く輝く魔法陣が現れ、晃太を下から照らす。


「!!」


 “影”は、晃太の魔法陣に反応し、応戦していたハバネロをそっちのけに晃太たちの方に向かってきた。


「しまっ……! 行ったぞ南!」


 ハバネロが声を出す前に南は反応しており、迎撃体勢を整える。

 が。


「“変身(チェンジ)”」


 晃太がそう唱えると晃太の全身が白い光に包まれて輝きだした。

 “影”はその光に反応し、警戒したのかピタッとその場にとどまる。


 晃太が光に包まれたのは一瞬で、光が消えると、そこには全身が黒基調で胴体に赤、前腕に青、脛の部分に黄色の鎧のようなものを装着し、顔全体に某仮面を着けたバイク乗りのような見た目の赤、青、黄色の三色が施されているマスク、そして右の腰にSギアスイッチという風貌の晃太が立っていた。

 晃太の特殊魔法、変身(チェンジ)

 その名の通り、見た目が大幅に変わる魔法で変わる魔法である。

 効果は、その見た目だけでなく、魔法の威力、身体能力の向上など戦闘においての能力が底上げされるというものだ。

 ただし、その魔力消費量もかなり大きく、使いどころを見極めるのが難しい魔法でもある。

 晃太は変身後、猛スピードで“影”に迫り、詰め寄った。


「早い!」


 それを見た美穂はビックリしたのか目を見開いている。


「ふっ!」


 そして、その勢いのまま晃太は“影”に雷属性を纏った拳を放った。

 しかし、“影”は咄嗟に腕でガードし、ダメージを最小限に抑える。

 “サンダーブロー”。

 属性魔法の基礎的なものの1つである。


「結城君、今詠唱してないのに魔法を……!」


 さらに驚く美穂。


「……詠唱破棄(ノットスペル)使えるやつがそれを言うか……。あれだよ、晃太のはプログラミングで変身(チェンジ)と一緒にいくつか魔法をSギアにプログラミングしてるから、いくつかの魔法は詠唱なしでも発動できるぞ」

「なるほど……」

「さ、俺たちものんびりしてないで晃太の援護しないとな」


 南はそう言って集中しはじめる。

 すると、全身から紅色の波動がまとわりつくように溢れだし、それに呼応するように、南の髪と瞳が波動の色と同じ紅色に染まり、その全身はさながら静かに燃える火を彷彿させる風貌だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。