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アビリティワールド-ABILITY WORLD-  作者: イズミ
第1章 出逢いと始まり ―動き出す物語―
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2.影③ 作戦会議(1)

 ―――時は少し遡って、例の十字路にて作戦会議をしている時の話。


▷▷日向 南


「とりあえず、作戦会議だ」

「作戦会議?」


 俺の言葉におうむ返しで返してくる神崎。


「ああ。ここから先に進むからには今までより警戒を強めないといけない。どんなモンスターが襲ってくるのか、もしくはどんな困難な道になるか、正直わかんないことだらけだ。さっきの嫌な気配も気になるしな」

「で、作戦会議って具体的には何すんだよ」

「まずはお互いのアビリティの確認。そして、想定できる範囲で俺たちでできそうな連携の確認。あとは、俺たちの手に負えない状況に陥ったとき何を優先すべきか。こんなところだな」


 俺たちはその場にしゃがみこみ、各々のアビリティについて説明しはじめた。


「まずは俺からだ。さっきも言ったけど、俺のアビリティはフォース。属性は炎がメインで、風属性も多少使える。ハバネロ……朱雀と契約を交わしているから、こいつの力を俺も使えるって感じで考えてくれ。戦闘に関してはそれなりには戦えるほうだな。あ、ちなみに神崎がさっき言ってた真っ赤な炎っていうのは朱雀の炎の特徴な」

「なるほど……」

「じゃあ次俺な。俺のアビリティはマジック。使える主な属性は雷と炎と水の三種類。攻撃魔法が得意だけど、付加魔法や回復魔法はろくに使えないからそこら辺は了承しといてくれ。あとはこれだ」


 晃太は自分のベルトの脇を探り、それを取って見せてきた。


「これって……Sギア?」


 神崎が少し驚いたような顔をする。


「そ、俺のSギアスイッチだ」


 ストーンギア、通称Sギア。

 この世界にはマナストーンと呼ばれるマナが凝縮された不思議な石が存在する。

 ピンポン玉くらいの大きさのその石は、一つ一つに凝縮されているマナの種類が違う。

 分類として、まず魔力、波動、念力のそれぞれに適したマナの石というのが存在し、そこからさらに全ての属性に適合するものだったり、ある属性にしか適合しなかったり様々である。

 しかし、石自体の希少価値はそこまで高くなく、市場に普通に出回っているが自分に適合するマナストーンを見つけるというのは結構至難な技である。

 自分にしっかり適合するマナストーンを持っている冒険者は、全体の約8%程と言われている。

 晃太はその約8%に入っているので、実は結構すごかったりする。

 そしてストーンギア。

 簡単に言えば、マナストーンの補助的な役割を持つものである。

 マナストーンを使う人は、大体は自分の魔力や波動、念力の増幅などで利用する。

 だが、アビリティがマジックの人の場合のみ、別用途で使用することがある。

 それは、魔法を予めプログラミングしておくということである。

 フォースや念力と違い、魔法は覚えれば一番バリエーションの増えていくアビリティだが、その代わりに詠唱が必要となる。

 しかし、魔法の種類によっては、長文詠唱となり戦闘中などでは特に手間である。

 そこで、マナストーンとSギアである。

 Sギアは、アビリティをプログラミングすることができるもので、マナストーンを嵌め込めるものである。

 使い方は、アビリティのプログラミングをSギアに施し、それに必要な容量をマナストーンに記憶させる。

 そうすることによって、Sギアに触れて、発動条件を満たすことによってプログラミングさせた魔法を使用できるという仕組みになっているのだ。

 そして、Sギアには様々な種類がある。

 杖や剣、銃などといった武器をベースにしたもの、ネックレスやバングルなどアクセサリーをベースにしたものなどが例として挙げられるが、晃太のはSギア“スイッチ”というもので、ベルトなどに取り付けることができるように設計されていて、丸いフォルムのシルバー色の本体、そして丸ボタンのようなものの中心にオレンジと水色ベースの鮮やかな色をしたマナストーンが嵌め込まれている。


「プログラミングしているのは強化魔法の一種だけど、制限が色々あるからこれは奥の手って思ってくれ」

「わかった」


 神崎が頷く。

 晃太のプログラミング魔法は俺もよく知っているので、何か聞く必要は今さらないが、こいつのそれは強力な分、使いどころを誤れば色々と危ないから気をつけて見てないとな。


「じゃあ次は私だね」


 俺と晃太はお互いのことはよく知ってるので、俺としては神崎のアビリティが一番気になっていた。

 大まかには知っているとはいえ、連携をとるとなると、やっぱり詳しく知っておく必要があるからな。

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