戦うということ。
長めの戦闘描写…グダグダです(キリッ
ゥオォォォオオオオ‼︎
視界に三人を捉えた灰色の肌を持つ巨大な体躯のオーガは、左手にある2mほどの大きさの丸太を削っただけの無骨な棍棒を掲げる。
「ひゃっ」
メイが間の抜けた声をあげると、オーガは三人の獲物の中で一番弱いと認識した、唯一声をあげたメイを狙い、突進しながら棍棒を振り下ろす。
昨日のネズミとはわけが違う、殺意の孕んだ鋭い視線のオーガに怯んでしまい、尻餅をついてしまった。
メイは数瞬後棍棒の重量感に自分の身体を粉砕されるのを幻視したのか、思い切り目を閉じる。
「っ…卑怯ね…」
…”エアリアルシュート”!
”ウォークライ”ッ!
刹那、キセのオーガに対する蔑みに近いつぶやきと仲間のスキル発動の声が聞こえ、メイが目をあげると視界にはキセが行使した風の弾丸を受け弾かれた棍棒が5m後ろに転がっており、オーガは拳をユウに振るうが、簡単に受け止められる。
エアリアルシュート
魔法使いタイプは誰でも使える低級の風属性の魔法で風の弾丸を飛ばす。
威力自体は低いが、消費が少なく、詠唱時間、再使用時間がほとんど無く、連射ができるのが強み。
ウォークライ
盾役が行使できるスキルで、使用者の物理攻撃をわずかに、物理防御をかなりあげることが出来るが、一定範囲内の敵意を向かせるため、パーティ戦においては、遠距離を守るために使うタンクの代名詞でもある。
ウォークライを使用したため、オーガを倒したすぐに物陰から10体前後の100cmほどの小ぶりなゴブリン…”コブリン”が現れユウ目掛けボロボロな西洋剣を振るう。
「メイさんはバックステップしたら迎撃、キセは退路と進路の確保。」
ユウはコブリン達の斬撃を受け流しながら、後方の二人に視線を向けずに指示をだす。
「はいっ、任せてっ」
「…了解。」
二人の返事にユウはコブリンズへのなぎ払いで応える。
コブリンズのレベルは30、ユウやキセの実力なら瞬殺だって可能だ。
今回のダンジョン探索の目的はメイの戦闘訓練や連携の確認であり、メイも戦闘に参加しないと意味が無いからだ。
メイはユウの意図を察したのか、すぐさまバックステップでユウとコブリンズから距離を放し弦をキリリと音が鳴るまで引っ張り、
”チェイスアロー”
仰け反りや怯みなどの行動制限中の敵に効果が絶大な弓の基本スキルが体力がかなり削られているコブリンはあっけなく頭部を射抜かれ絶命する。
ゲームであり、相手はモンスターであるがコブリンは人型のモンスターであり、トドメを刺したメイはコブリンの絶命の瞬間目を閉じてしまう。一体を亡くしたコブリンは仇であるメイに向けるユウは三体ほどのコブリンを大剣を振るい、ゴブリンを倒す。
「メイ…こっち…」
オーガを倒したことで開いた元来た道に繋がる通路に手を引き誘導するキセ。
現実ではいつもメイの後ろをトコトコ歩く可愛い妹みたいな(本人が思っているだけ。周りから見ればキセの方が姉に見える)彼女のお姉さんね片鱗を見て頬を緩め安心したように誘導に従う。
残りのコブリンを倒したユウも後ろを向きながら二人についていく。
本来はこのまま戦闘を続けたいユウとキセであったが、モンスターであるが、人の形をしたコブリンを手に掛けるのに、抵抗があったのか、顔には疲れが見える。
モンスターの湧かない小部屋で小休憩を取りながら、来た道を歩いて戻り、視界には空の光が視界に入り、出られたことを実感させる。
こうしてメイの初めての探索は終わりを告げたのであった。
あれ?終わっちゃった←
まだ一章は終わりません。
メイのこれからの成長を書いて行きたいので終わらせません←
次回はまた近いうちに更新します。