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裸間ボッチ ~隣人美少女たちの密かな企み~  作者: スカート保存委員会
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よくない噂

母さんが来てから何かとやり辛い。

ここは動かずに大人しくしていよう。


翌日。学校にて。

お昼休み。屋上で一人寂しくお弁当を頬張る。

いつも五階さんが作ってくれていたが今日は母さんが。

だから彼女に会うこともない。と言うかなるべく会わないようにしている。

俺たちの関係が知られては厄介だからな。

特に有野さんとの特殊な関係だけは隠さねばならない。


「またそこにいるの一ノ瀬君? 」

緑先生が話があると横に腰掛ける。

「どうしたんすっか? 俺食べてていいの? 」

どうも相談事らしい。でも教師が生徒にする? 普通逆でしょう? 

「食べててね。耳だけは傾けてくれればいいの。これはあなたのことだから」

うわ…… 何だか物凄く嫌な予感がする。なぜ緑先生が? 

生徒指導の先生でもないのに。俺何かしたっけ?

思い当たる節があり過ぎて…… でも学校にバレることは何一つしてない。


「あなたに疑いがかけられてるの。だからきちんと答えてね」

普段は見せない凄く真剣な表情の緑先生。どうしたんだろう?

俺が暗く落ち込んでる時でも文句言わずに励ましてくれた。

地味で目立たないけれど優しくて素敵なそんな俺だけの緑先生。


言うことも聞くし扱いやすいと思うけど俺は何と言っても一人ぼっち。

孤独な高校生活を送ってきた。転校してからご近所付き合いが始まるまで。

最近俺も落ち着いて緑先生も忙しいのかゆっくり話せていなかった。

心配になって来てくれたんだろうがどうも様子がおかしい。不穏な空気。


「いいっすよ。何ですか? 」

大丈夫だろう。最近は消しゴムコロコロも当たり屋行為もしてない。

当たり屋行為とはわざと女子にぶつかる卑劣な行為。

と言っても怪我させたりはしてない。あくまで接触を図るだけ。

孤独な男の唯一の楽しみ。有野さんたちと出会ってからすっかりやらなくなった。

俺も多少成長したんだろうな。


消しゴムコロコロは今も時々。最悪机の角に頭をぶつけことに。

最初俺だって気をつけてるんだ。でもそのうち集中して頭上を疎かにしてしまう。

ガンと強い衝撃音で周りの者にも気づかれる間抜けぶり。

そんな時有野さんはと言うと睨みつけて終わり。

こんなこともあり警戒を怠らない。

最近の防犯カメラは隙が無いからやり辛くて仕方がない。何てね。


「実は…… あなたに清くない交際の噂が流れてるの」

緑先生は真剣そのもの。どうやら冗談ではないらしい。

まさか俺たちの関係を悟られたか?

でも教室ではほぼ無視されてるしな。

俺たちが示し合わせてるんじゃない。

残念なことに有野さんが勝手にやってること。

それを見ていればクラスの奴も先生たちだって疑いはしないだろう。

俺が好意からしつこく消しゴムをコロコロしてるだけと思われてるはずだ。

「清くない噂? 訳が分からないっす」

そう言いながらモグモグと頬張る。

どうにか冷静さを保つ。その様子を見てもらう。


「女性とイチャイチャしていると根も葉もない噂が流れてるの。

心当たりある? 」

あるのは間違いない。だからそれは確実に俺たち。だからバレたらバレたでいい。

でもバレるはずがない。有野さんは鉄壁なのさ。

いや待てよ。五階さんはどうだ?

意外にも気にせずすぐに弁当を渡してくれる。

それを見たのを勘違いした者が報告した。

だとしても清くない噂とは何だろう?


弁当を毎日作って来てもらうのは別に付き合ってれば自然なこと。

俺たちは付き合ってはいないが近所付き合いはしている。

もちろんお礼だってしてる。これのどこが清くないと言うんだ?

その辺の男女はこんなこと隠れずに堂々とやっている。

俺がその仲間入りしても全然おかしくない。


「先生も大げさだな。そんなことですか? 」

調子に乗って半分認めてしまうような真似をする。

「認めるのね一ノ瀬君? どう? 」

あれ…… いつもの緑先生じゃない。何だか凄く嫌な感じ。

どうも緑先生の話だと俺と有野さんらしき人物がよく歩いて帰るのを見るそう。

それだけでなく学校帰りだけでなく休日も一緒に買い物をしていた。


「その…… 俺に聞くってことは何かまずいことが? 」

「ごめんなさい。これ以上は言えないけれどあなたは一度事件を起こしてる。

その時は反省文で済ましたでしょう? もし今度のことが一ノ瀬君なら次はない。

一発退学なんだって。だからもう会ってはいけません」

忠告に来たらしい。

こうして事実を知らされてどうするか迷う。


緑先生が行ってすぐに五階さんが姿を見せる。

「何だって緑先生? 」

すぐに横に座る五階さん。直接座るのは汚いし上品ではないよ。

「まずいって。俺たちこのままだと退学だ」

「早まらないで! そこは降りられない」


「どうしよう? 」

「お隣さんなだけだと言えばいい。そうしたら悩まずに済む」

隣人関係を強調。しかしそれは危険な賭けだ。

俺たちが認めなくても周りがそうだと判断すれば退学処分。

これはどうしようもないこと。ここは私立の多少金のある学校。

校則もあるが男女交際は基本的に認めているのが現実。

一難去ってまた一難。さあどうするかな。


「なるべく会わない方がいいかもね私たち。この一週間は特に」

五階さんが提案する。それは俺も賛成だ。

でももちろんそれ以外で会えなくなるのは寂しい。

そうすると五階さんの愛情弁当もダメ?


「どうしたのマナ? 」

五階さんを探して有野さんもやって来た。

「それがどうやら見つかったみたい」

「そう…… 仕方ないか」

こうして一週間会わずに過ごすことに。

うわ…… やってられない。


                 続く

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