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金色の御子伝説  作者: 世捨人
レジアス領編
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18話

いつもの朝の鍛錬場にロバートの姿があった。


「おはようっ、今日は久しぶりに皆の鍛錬ぶりを見せてもらうぞ」


「「「おはようございます、ご当主様」」」


騎士団と衛士隊の面々はいつも以上に元気な挨拶で、鍛錬場に散っていった。




いつも通りシロとの鍛錬を始めようとしたフローリアに


「フロー、久しぶりに手合わせするか?」


とロバートが声をかけた。


「望むところです」



二人は木剣を取り対峙した。


ロバートは容赦なく攻め込んでいくのだが、フローリアは見事に受け流し要所要所で反撃をしていく。


ロバートの面がフローリアに決まったと見えた時、ロバートの咽喉元に剣先が突きつけられていた。


「ハアハア……勝てませんでしたわ」


「フウゥゥゥ……相打ちとは……すごい進歩だな」


「今日は勝てると思いましたのに……アーサー君、ごめん……勝てなかった」


パチパチと周囲から拍手が沸き起こった。


「ロバート様の剛剣をあれだけ流せれば大したもんです。大陸有数の剣士と互角なんですから誇っていいですよ」


「アーサー君、フローはこれで鍛錬半ばなのか?」


「はい。まだ身体の使い方に無駄がありますね」


「そうか……俺もまだまだ鍛錬せねばならんな。君とも手合わせ願いたいな」


息が整ってきたロバートはアーサーを見つめた。


「かまいませんが、体力は大丈夫ですか?」


「これでも剣士のはしくれ、対峙したら体力なぞ問題ない」


めずらしくアーサーも木剣を持ち、対峙した。


「はじめっ!!」


ランバートの合図でロバートは飛び出した。


アーサーはサラリと避け上段から剣を振り下ろし、ロバートは咄嗟に剣で防いだはずだった。


アーサーの剣はそのまま振り下ろされロバートの額の前で止まった。


「剣をすり抜けた?」


「なにがあったんだ?」


ロバートも周囲の者も呆然とみていると、ロバートの剣が半ばからずり落ちていった。


「木剣で木剣を切り落とした?」


「んな馬鹿な……」


「しかし……」


「昔の剣豪が同質のものなら切れると言っておったとか…まさか現実に…」


「まいった」


互いに礼をして手合わせが終了した。




「アーサー君、今のはなんだったの?」


「ただの上段からの切り下げだよ。

ロバート様が下から押し上げてくる力を利用しただけさ。

いつも言ってるように相手の力の向きを感じとって利用しただけさ」


「ふ~ん、私も鍛錬次第ではできるようになるかな?」


「リアもクレアさんも才能あるから大丈夫さ」


「アッハッハ これほど強いとわな。フローが惚れるのも分かるな」


「お父様っ!!」


「体力の心配する間もなくやられてしまった。完敗だよ」





その後、騎士団との朝食の席でフローリア、クレア、アーサーが王都に帰ることが告げられた。


騎士団長とロバートが道中の護衛と王都にいる騎士団員や衛士隊員の交代を話し合っている間、アーサーやフローリア、クレアに近寄ってきた隊員達とが挨拶を交わしていた。


「団長っ、王都への交代要員にしてくださいっ」


「俺もお願いしますっ」


と騎士団長につめよる者達に苦笑しながらロバートは


「このままじゃ、ここに誰も居なくなるなるではないか。王都への交代要員は騎士団1隊、衛士隊1隊だ」


うーんと唸っていた団長が


「しかたない。食事が終わったら隊同士の試合をやるからなっ!!」


「「「おおっ」」」


「ロバート様、出発は明朝になりますが、かまわないでしょうか?」


「しかたあるまい。私はこの後『風王騎士団』と合流してバーニング領に行かねばならんから、明日の夕方にアークの町で合流しよう」


「了解いたしました。みんな聞いての通りだ」


「それにしてもアーサー君は人気者だな」


「それは強さを鼻にかけることもないですし、皆に鍛錬を楽しませてくれておりますから」


「鍛錬を楽しむ?」


「アーサー殿の鍛錬は楽しいのですよ。でも楽しいから落伍者もでないで皆鍛錬に励めるのです」


「楽してるわけではないのか?」


「いいえ。鍛錬の後は足腰たたないくらい疲れているのですが、翌日の鍛錬を楽しみにしてるくらいなのです」


「俺も王都に帰ったら、参加させてもらうよ」


「アーサー殿の鍛錬方法をみたら驚かれますよ。わはは」





ロバートが立ち去った後、試合がはじまった。


試合を観戦しながら、騎士団長はアーサーに話しかけた。


「アーサー殿、今日までご指導ありがとうございました」


「いえいえ、僕は少しアドバイスさせていただいただけで、皆さんが努力されただけですよ」


「これからの鍛錬なのですが、シロが居なくなってしまいますのが残念です」


「それなら、ふたり一組になって、片方がシロのかわりをすれば良いのではないですか?」


「あれほど素早くは動けませんよ」


「逃げるほうも鍛錬になりますし、最初は難しいかもしれませんが、徐々に慣れていくと思います」


「確かにそうかもしれませんな。今度の騎士団対抗戦では優勝してみせますよ」


「騎士団対抗戦?」


「ああ、4年に一度全国の貴族騎士団と王国の風王騎士団との対抗戦があるんですよ。

うちはいつも2位だったんです。

全国から選りすぐった風王騎士団には勝てませんでした」


「がんばってください 僕も応援しています」



話しているうちに試合が終了し、『疾風のレオン』の居る隊と新入隊したダンクルのいる隊が勝ち残った。


「よし、交代要員はすぐ準備にとりかかれ。その他は通常勤務だ、解散っ」


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