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金色の御子伝説  作者: 世捨人
レジアス領編
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11話

アーサーは集合場所に残っていたフローリア達に近づいて、鍛錬場の端に控えていたクレアに手招きをした。


「ランバートさん、姫様の鍛錬にクレアさんも付き合っていただいてかまいませんか?」


「それは構わんが、どうしてだね?」


「ふたり一緒のほうが、自主鍛錬の時にもお互いアドバイスし合えると思いまして……」


「それもそうじゃの。クレアはどうじゃ?」


「わたくしも一緒でございますか?」


と目をまるくして


「わかりました。鍛錬できるよう着替えてまいります」


と走り去って行った。





「それでは、まず最初に今まで教わったものを見せていただけませんか?」


とフローリアを見た。


「もうっアーサー君。『姫様』禁止って言ったでしょ」


といいながら少し広い場所に移動して公爵家の型を披露した。



「ランバートさん、動作のところどころに『精霊武術』の型が混ざっているようですね」


「さすが、よくわかりましたな。ワシの代で精霊神殿騎士達が使っていた型をとりいれたんじゃよ」


「僕が習ったのは『精霊武術』でしたから、教えやすいです」


「どの属性かね?」


「4属性全てです」


「それは興味深いな。今度拝見させて貰いたいですな」


「ぜひ我々騎士団にもご教授願いたいものですな」


「団長さん、それはかまいませんよ」


フローリアの型が終わり息を整えているところにクレアが帰ってきた。


「アーサー君、どうだった?」


「よくまとまっていたと思います。

でも、柔軟性が乏しいですね。

最初は徹底的に身体をほぐしましょう」


「げぇっ 柔軟?一番苦手なのよね」


「だからやるんですっ クレアさんと一緒に柔軟体操をやってください。はじめっ」


フローリアとクレアは早速柔軟体操にとりかかった。


まずは立ったままでの前屈……指先すら地面に届かない。


続いて開脚……


「柔軟体操とは……今まであまりやらせなかったな」


「ランバートさん、彼女達は男ほど力はないです。

その分しなやかさを強化して、力押ししてくる相手を受け流せるように柔軟性を増したいと思っています。

そうすれば隙も減って攻撃にも幅がでてきます。

朝食の後はスピード強化です。

しっかり絞らせてもらいますよ」


「ワハハ 思う存分やってくれ」


簡単な柔軟の後の股割りがはじまると「いたたたた」とか「ぎええええええ」とかおよそ若い女性らしくない呻き声があがった。


「アーサー君、どのくらい柔らかくなればいいの?」


と息もたえだえに聞く女性陣に、これくらいとアーサーが手本をみせた。


両足を真横に広げ、そのままの体勢で前屈をしてみせた。


「「無理……股関節はずれる……」」


「毎日すればできるようになります。頑張ってください」


とにこやかに微笑んだ。


朝食前の練習は、柔軟だけで終わり皆で朝食に向かった。


朝食は公爵家の食堂ではなく、騎士団用の食堂で全員で食べるのが恒例のようだった。


「姫様、随分悲鳴をあげておられましたね」


と騎士団の面々にからかわれながら、和やかな雰囲気で食事がはじまった。


「騎士団や衛士隊も柔軟やってみれば良いのよ」


とフローリアは半分むくれながら言った。


「それは良いお考えですね。よし明日から皆もやるように!!」


騎士団長の一声で団員達は「うええぇぇぇ!」と返事をした。




アーサー達は朝食後少し休憩してから鍛錬場に戻った。


「今度は何をするの?」


「これから、お二人交代でシロを捕まえてもらいます。簡単でしょ?」


「それだけでいいの?」


「シロ、遊んでもらえ」


フローリアが先にシロを追いかけはじめた。ヒョイッヒョイッとシロは簡単にかわして行き、30分後にはゼイゼイいいながらフローリアは膝をついた。


「姫様っ情けないですわ わたくしがお手本をお見せします」


と元気にクレアが飛び出して行った。結果はフローリアと同じであった。


「アーサー君、これが役にたつの?」


「お二人は今まで自分より大きな相手としか鍛錬してないでしょ?」


「そうね、お爺様やお父様が相手だったからね。クレアも私より大きいし……」


「だから重心が高くて足元が不安定になるんです」


「そんなに足捌きが変?」


「無駄が多いですね。シロの動きについていけてないでしょ」


「だって早すぎるんだもん」


「瞬発力が足りないのと、柔軟性が足りないのでバランスが崩れてます。

それと、お二人の動きは直線的でフェイントもないですからね」


「もっと考えろってことね」


「僕とシロの組み手を見せますので、参考にしてください」


と早朝の組み手を見せた。


「すごいわ~、目を閉じてすべての攻撃を受け流せるなんて……それに無駄な動きがないわ」


「アーサー様、凄すぎです」


二人は尊敬の目で見ていた。騎士団や衛士隊の面々も鍛錬を忘れて見入っていた。


「フローリア様、クレアさん 剣は手の延長と考えてください。体術が基本ですから頑張ってくださいね」


「「はいっ お師匠様っ!」」


笑いながら午前中の練習は終了した。

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