表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/126

第89話 文化をバカにされたんなら文化で殴る

神聖歴581年 冬の中月 1日



「今年の商いはこんなものかしら。他になにか報告はある?」


「はい、実はご相談したい事が……」



 スワロから出て10日ほど。順調に帰りの旅程を消化している最中、とある村でちょっとした問題ごとが持ち込まれた。といってもコボルトの集団が山を下りてきたとかじゃない。去年の一件以来大狼さんはコボルトたちを目の敵にしていて、縄張りに入った瞬間滅殺してるみたいだからね。


 じゃあ何なんだというと、どうも大狼さんが動けなかった時期にその縄張りを通り過ぎた魔物がまだ居たみたいだ。山巨人と呼ばれるタイプの魔物で、巨人って単語がつくように人型でやたらとデカい奴で、立ち上がれば4mくらいになるらしい。ちょっとした建物並のデカさだ。


 大狼さんの縄張りは大山脈のサニム半島側に広がる森一帯。そこを抜けてサニム半島内にある谷や森に身を隠している魔物は結構いるようで、俺達が対峙した首狩りねずみみたいな被害は結構出ているらしい。そういった所は順次声が上がる度に潰しているのだが、件の山巨人は大狼が怖かったのかこの一年は随分と大人しく近隣の獣を狩るだけで人里には手出ししていなかったそうだ。


 だが、この冬になって食べる物がなくなったのだろう。つい最近、家畜小屋が破壊され、中にいた家畜が数匹連れていかれたそうで村としては気が気じゃないんだとか。



「そういう報告はサニムの兵が動ける時に行ってほしいわね」


「まぁ、仕方ないでしょう。火事に合うまで人は火の怖さを知らないんですから」


「あら、まぁ。百の勇者の第5節ですわねぇ。わたくしもとっても好きなエピソードですわぁ」



 バタバタと護衛の人たちが戦いの準備を進める中、それを眺めながらロゼッタがボヤいた。真冬じゃなければサニムに急報を飛ばして兵団を派遣。数の差でゴリ押すのがデカい魔物にたいする一番の対処法なのだ。


 まぁ、ここまで暇していた傭兵と冒険者たちに仕事を渡すって意味では、うん。もしかしたら丁度いいのかな。あんまりにも暇すぎて体が鈍るって陳情が結構来てたからね、今回の旅程は。



「へへっ。俺たちもこんな事があろうかと新兵器を持ってきててな。使わないに越したこたぁねぇが役に立たないのも嫌だからね」


「へぇ。その筒みたいな奴がそう?」


「おうよ! こいつぁ抱え大筒って言ってな。信力を使って中に入れた鉄の礫を相手にぶつけんのよ!」



 傭兵団のメロネーさんはそう言って明らかに数十キロはありそうな鉄の筒を持ち上げた。この人も大概力持ちだなぁ。というかそれ大砲じゃん。火薬じゃなくて信力で発射ってのはこの世界ならではだなぁ。


 という風にやる気満々に準備している本来は護衛の人たちに、何故かこっちもやる気満々になっているアリアさんの使用人たち。旅先で使用人が10人も居ても、半分以上はやる事が無いから、ほんっとうに暇だったんだろうな。こっちは何も言ってないのに嬉々として荷物に紛れ込ませていた剣を磨いている。



「あの。流石にアリアさん達には戦ってもらうつもりないですからね?」


「あら~?」


「ええっ!?」



 分かっているのか分かっていないのか良く分からないアリアさんは良い。エメラルダさん、なんで君までさも当然みたいに剣を磨いているのか。いくら何でも君らを魔物退治の場に出せる訳がないでしょうに。



「いや、しかしですねタロゥ殿。たとえ他国とは言え民草の暮らしを脅かす魔物を討伐するのは貴種の務めでして、しかもお世話になっている借りを返す絶好の機会とあってはもう。騎士として戦わないという選択肢は当然選べなくてですね、騎士として」


「エメラルダさん。エメラルダさん。もうちょっと隠して」



 騎士とか貴種とか言っちゃ駄目でしょう。まるで隠せてなかったけど一応身分隠して旅してるわけだから。ほら、君がそんなだから普段は暴走役のアリアさんまで苦笑いしてるじゃないか。


 



 という訳で一部抗議の声は上がったものの討伐隊が編成され、傭兵団『空騒ぎ』の団長メロネーさんを部隊長に15名が山巨人討伐に向かっていった。当然俺達+アリアさんご一行はお留守番である。



「しかし、山巨人はすげー大人しい魔物なんだがなぁ。頭も良いし、魔族に格上げしようかって話も出てるんだぜ? 弱い魔物でもないし、なんで山から下りてきてるんだか」


「まぁ、実害が出ちゃった以上は退治しなきゃいけませんよ」



 傭兵団の長であるメロネーさんが出ちゃったので、護衛側には冒険者たちのリーダーであるハサウェーさんが残っている。そのハサウェーさんはそうぼやきながら、同じくお留守番をしている帝国の人たちに厳しい視線を向ける。



「出来れば、こっちに連中よりも人数を残したかったんだがな」


「まぁ、彼らに魔物退治させるわけにもいきませんから」


「そりゃそうだがね」



 ハサウェーさん的には一緒に残っている帝国人が気になるらしい。態度悪いからね、あの人たち。都市国家連合というか狼人種みたいな人種をバカにしているっていうかさ。熊人種は自治区があるらしくザンムは見下されてないんだけど、兎人種のアリスなんかまんま見下されてる感がある。ラッパの演奏は彼らにも好評なんだけどね。それやってるのアリスなんだよ。


 まぁ、旅続きだったし彼らが退屈していたというのは理解した。退屈は良くない。魂が腐る病だ。これは放置していると余りよろしくないし、イライラするのもわかる。理解できる。


 ただ彼ら帝国人? から時折声が聞こえるのだ。


 曰く、「都市国家連合みたいな商人が中心の国で、新しい演劇なんて出てくるわけがない」というね。まぁ、商人=金に汚いというイメージが帝国にはあるみたいで、その観点か若干こちらを下に見ている人が何名かいるみたいなんだよね。使用人に扮してる明らかに腕っこきで育ちの良さそうな人たちとかから。


 その考え方の一部はね、分かるんだ。文化とか芸術って基本的に利益にならないから。商人主体の国家が新しい演劇を起こしたよって言っても「はいはい、金儲けの方便ね」って思われるのは、まぁ、分かるんだ。


 だけどだ。これがアリアさんみたいにナチュラル偉い人だったらなんとも思わないんだが、元の身分は知らねぇけど使用人に扮してる奴風情に故郷をコケにされて黙っていられるほどよぉ。こちとら丸い生き方してねぇんだわ。



「という訳で今から紙芝居をやります。サニム発祥の新しい劇の一つですね」


「あんた、どこにそんなの用意してたのよ」


「自分用の荷物置きにこんな事もあろうかと」


「この木の枠で劇が出来るのかしら? エメラルダは何かご存じ?」


「サニムではかなり変わった形の劇があると耳にしていましたが、一人で劇が出来る、というのは寡聞にして聞いたことがありません」



 自分の荷物置きに置いてあった、という体であるが夢想具現で取り出した木の箱を取り出しそれを自分で成形して木の枠に仕立て上げたものだ。前世ではDIYの太郎ちゃんと呼ばれた俺だが、今生は前世以上に器用にモノづくりが出来るから正直楽しい。体の4分の1を占める地人種の血が騒いでいるのかもしれない。カッチン親方のお誘い、断らないほうが良かったかなぁ。でも旅に出たいしなぁ。


 さて、木の枠は用意した。販売する駄菓子なんかはコンビニの物を夢想具現で創り出せばいいから、あとの問題は演じる平絵を用意しないといけない点だ。が、これについてはすでに解決している。


 この旅の間は俺も結構暇だったからな。戻ったらレイラさんに新しい芝居云々と絡まれる可能性を考えていくつか話のストックは用意してあるし、モモタロさんやキンタロといったお話も準備している。


 とはいえ今の雇い主はロゼッタだからね、何をやるにも一応許可は貰わないと。雪も降ってないし演じる場所は村の広場を借りればいいかな。そこなら村人も、暇をしている連中纏めてみる事が出来るだろうし。


 俺も前世日本で育った文明人だからね。文化をバカにされたんなら文化で殴る。まぁ、てめぇらがバカにしてるサニム発祥の新しい形の演劇、その目に焼き付けてもらおうじゃないの。


タロゥ(8歳・普人種男) 


生力38 (38.0)

信力99 (99.9)ー

知力38 (38.0)UP

腕力43 (43.0)

速さ39 (38.0)

器用38  (38.0)

魅力38 (38.0)UP

幸運24  (24.0)

体力37 (37.0)



技能

市民 レベル3 (100/100)ー

商人 レベル3 (100/100)ー

狩人 レベル3 (100/100)ー

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル3 (100/100)ー

薬師  レベル3 (40/100)

我流剣士 レベル4 (100/100)ー

木こり レベル2 (70/100)

楽士 レベル3 (35/100)

教師 レベル3 (35/100)UP

パチン・コ流戦闘術 レベル5 (100/100)ー

テイマー レベル1 (13/100)

絵師 レベル3 (51/100)UP

語り部(紙芝居) レベル5 (41/100)

水兵 レベル1 (1/100)

執事 レベル2(42/100)UP



スキル

夢想具現 レベル2 (100/100)ー

直感 レベル4  (15/100)UP

格闘術 レベル5  (46/100)UP

剣術 レベル5  (100/100)ー

弓術 レベル5  (99/100)UP

小剣術 レベル5 (99/100)UP

暗器術 レベル5 (99/100)UP

斧術  レベル4 (97/100)UP

飛行術 レベル1 (28/100)UP

フォークダンス レベル5(40/100)

フォークマスター  レベル0 (40/100)

念話 レベル0 (91/100)

女たらし レベル3 (100/100)ー

サニム流マナー レベル1 (92/100)UP



取得可能スキル

素人○貞 レベル5(100/100)ー


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ