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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第70話 この世に仇なす異端を吊るせ! お~マリア!

神聖歴580年 冬の終わり月 31日



 冬が終わる日がやってきた。



「さぁ、皆さん。今年も締めくくりとなりました。来年への希望と期待を込めて、今日は共に歌いましょう! タロゥ、指揮をお願いします」


「あらほらさっさ~」



 ここ2年で恒例化してきた、というかレンツェル神父の希望で恒例化しようとしている合唱会は、今年も孤児院前からスタートとなる。最近ではサニムの笛吹き少女として名前が売れてきたアリスを先頭に、子供用の貫頭衣を身に着けて着飾った孤児院の子供たちが聖歌隊となって歌を歌いながら外街を練り歩き始める。俺は先頭に立つレンツェル神父の後ろでザンムの背負った籠に乗り、全体を見渡す場所で指揮を執る。


 あ、妹が歌いながら手を振ってきた。かわいすぎる。あれ、あれ俺の妹なんです! 天使なんです!



「両手に剣と槍を持て! お~マリア! マリア! この世に仇なす異端を吊るせ! お~マリア! マリア!」


「我らの正義で塗りつぶせ! 相手の正義を塗りつぶせ! お~マリア! マリア!」



 3回目となると街の人たちも慣れたもので、聖歌隊が通る大きな道沿いにはすでに屋台が立ち並び野次馬で賑わっていた。これ通れるのかと思うかもしれないがそこはご安心。先頭に立つレンツェル神父の姿を見た瞬間、群衆はモーゼみたいにさぁっと両脇に飛びのいて道が開かれるのだ。


 新作の聖歌? 作詞はレンツェル神父です。それに前世で合うような楽曲を思い出して曲を付けただけの簡易な聖歌だけど、レンツェル神父は非常に気に入ったみたいだ。


 外街を半周したあたりで一度休息を取り、聖歌隊の面々に飲み物と食べ物を配る。提供は芸能ギルド、というよりはレイラさんである。ここ2年ほどの実績で聖歌隊の街頭公演はレイラさんにとって投資するに値するものだと認識してもらったのだ。


 準備期間が足りなかったから今年も外街だけだったが、来年は内街の教会とも提携して外と内両方でやらないか、とも言われている。一押しのイベントがどんどん成長していてレンツェル神父はにっこにこである。


 ただ、来年は新しい教会の建築が本格的に始まるから、今年と同じように聖歌隊の公演が出来るかはちょっと不安視されている。特にピッグスのように楽器担当の子供が卒院したらどうすんのって話もあるから、そのまま教会でシスターになる予定のエリザみたいに教会の運営スタッフとして一部の子供を残そうかって話になってきてるみたいだ。


 ちなみにその残ってほしい子供の筆頭が俺みたいなんだけど、俺は10歳になったら普通に卒院して独立する気なんだよなぁ。早く金を稼いで良い家買って、妹にいい服着せてやったり学校に通わせたいんだ。






「だからぁ。システィちゃんはうちで預かっても良いよ? 学校? いかせるいかせる。芸事に教養は不可欠だからね!」


「無理に学校に行かなくても本当の上流階級は家庭教師につきっきりで指導させるのがトレンドだよタロゥくん。うちなら一般教養から専門知識まで教えられる講師を用意できるし、二人で住める家付きのアトリエだって建てちゃうよ! 新築だ!」



 聖歌隊の休憩場所はサニム議会に用意してもらった。去年までと違って今年は芸能ギルド経由で街のイベントとして扱って貰ってるからこれはまぁ分かるというかありがたい話なんだが、その休憩場所に5大商家の当主が2人いるのはちょっと話が分からんな。



「そういう話は事務所(孤児院)通してもらっていいです? 直接来られてもちょっと」


「神父様! 我々芸能ギルドは二人の才ある若者に十分な支援を用意しております。フォークダンスから始まり木こり祭りに新しい演劇! 紙芝居に聖歌行進! 彼の才能は芸能ギルドでこそいかされるのです!」


「その点は不覚にも全く同意見だが、タロゥくんとシスティちゃんを芸能だけに携わらせるのは才能の損失だ! スカトゴオメ家はギルドへの加入などは強制しない! 二人の才能に投資し! 偉大なる芸術家としての道を歩んでほしいだけなんだ!」



 対応が面倒くさくなったのでレンツェル神父に丸投げすると、レイラさんとハイラルさんはタッグを組んでレンツェル神父にすっ飛んでいった。この二人とは来年もこんな感じのやり取りをする事になりそうだな。


 ギルドの移籍を目論むレイラさんは論外として、ハイラルさんの支援者って立ち位置自体はかなり魅力的ではある。将来的な話だが、妹が独り立ちする際に支援者が俺以外に居ると居ないとじゃ全然話が変わってくるんだ。


 妹には幸せになってほしい。安全で、幸福な未来を送ってほしい。それは偽らざる本音なんだが、それとは別に俺自身にも目標というかやりたい事はある。


 世界を旅してみたいんだ。


 前世では想像の中にしか存在しなかった魔法や魔物が居る世界に生まれ変わったのだ。それらを見て回って、たまに帰って来たら妹に旅先の話をする。ロマンを求めて未知の世界へと足を踏み出したいのだ。その先に待っているのがどのような運命であっても、大都会の片隅で一人孤独に死んでいくよりはなんぼかマシだろう。


 妹の幸せと、自分の幸せ。両立させなければいけないのが兄貴の辛い所だ。だが、あきらめる気もない。



「タロゥはいまもそとにでたいっておもってんのー?」


「ああ。システィが独り立ちできたら、冒険者として外に出たい」


「じゃあさー、おれもいっしょにいくよー。父ちゃんや母ちゃんみたいなようへーになるのもいいけどーそのほうがたのしそうだー」


「そうだな。楽しいだろうな、きっと」



 俺の言葉に似合わない貫頭衣を着たザンムがそう言うので、俺は右手を持ち上げた。その右手をザンムの右手がパシン、と音を立てて叩く。


 いってぇな、このやろう。そう笑って言うと、ザンムはにへら、と熊スマイルを浮かべた。


タロゥ(7歳・普人種男) 


生力33 (33.0)

信力99 (99.9)ー

知力32 (32.0)

腕力39 (39.0)UP

速さ33 (33.0)

器用33  (33.0)

魅力31 (31.0)

幸運21  (21.0)UP

体力34 (34.0)



技能

市民 レベル3 (100/100)ー

商人 レベル3 (100/100)ー

狩人 レベル3 (100/100)ー

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル2 (90/100)

薬師  レベル2 (72/100)

我流剣士 レベル4 (28/100)UP

木こり レベル2 (70/100)UP

楽士 レベル2 (91/100)UP

教師 レベル2 (53/100)UP

パチン・コ流戦闘術 レベル4 (66/100)UP

テイマー レベル0 (61/100)

絵師 レベル2 (85/100)UP

語り部(紙芝居) レベル4 (91/100)UP



スキル

夢想具現 レベル2 (100/100)―

直感 レベル3  (26/100)UP

格闘術 レベル3  (8/100)UP

剣術 レベル4  (76/100)UP

弓術 レベル3  (67/100)UP

小剣術 レベル3 (67/100)UP

暗器術 レベル3 (67/100)UP

斧術  レベル2 (59/100)UP

フォークダンス レベル5(40/100)

フォークマスター  レベル0 (40/100)

念話 レベル0 (58/100)

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