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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第55話 システィがからむとタロウはだいたいこーだよー

神聖歴579年 冬の中月 30日



「いやーもうね! 見てよこのモモタロさんの光沢! クレヨンでこんな色合い出せるなんてもう神? 天才通り越して神かなって思うんだよね!」


「ザンム、どうしたのこいつ」


「システィがからむとタロウはだいたいこーだよー」



 もしかしたら芸術の神の生まれ変わりかもしれない妹の手によって紙芝居が完成した。最初のモモタロさんは俺が絵を描いたが、2作目のウラシマタロは俺と妹の合作で、3作目のキンタロはなんと妹が一人で書いたのだ。


 いやぁ、ウラシマタロを書いてた時に思ったね。亀の話をしたら全身筋肉に覆われたファイティングマッスルタートルなんてものを生み出したこの子の才能を妨げちゃいけないって。確かに人の書き分けとかがまだまだ未熟だけど5歳児のお絵描きレベルは遥かに超越してるんだよね。しかもクレヨンで書いてんだよクレヨンで!


 という事を2時間ほど語ろうとしたらネネとザンムに力づくで止められた。二人掛かりはダメだろ。特にザンム。俺も大分ステータスを伸ばしてそこらの成人男性以上のパウワァを手に入れたけど、お前なんで片手で俺を抑え込めるんだよ。どういう腕力してんだ熊人種は。



「うち、熊人種の狩人さん知ってるけど。多分ザンムのが力強い」


「どういう事なの……ザンム、まだ9歳だよね」


「うんー。たぶんおなかいっぱいたべてるからかなー」



 腹一杯になれば大人より力が強くなる。そんな理屈がこの世界にはあるのか……あるかもしれん。よく考えたらこの世界、よっぽど恵まれてないと毎日腹一杯食べることなんて出来ないからな。そこらの町人だって朝夕にご飯食べるのが精一杯って感じだから、朝夕ちゃんと孤児院で食べて昼には鳥の丸焼き食べてなんて食生活してるザンムが良く育つのはまぁ分からんでもないか。


 前世の日本でも近代になってから平均身長が急激に伸びてたし、栄養状態で人間の身体ってのは出来が変わってくるものだ。うちの孤児院はここ1,2年で急激に食事情が改善したから、気づいてないだけで他の子供たちもザンムみたいなフィジカルエリートになってる可能性はあるかもしれない。


 ……特に将来やりたい事がない子供には、レンツェル神父直伝の森林ダッシュブートキャンプに連れていくのもありかな? 俺ももうすぐ7歳になる。いつまでも薪拾いや薬草摘みをする気もないから、年少組にこの二つを引き継いでもらいたいんだよね。



「え。タロゥ、薬草摘み止めるん?」


「いや、あくまでもそのうちだよ。孤児院を出る事が決まるまでは継続するつもり。鍛錬になるしね」


「そ、そう……なら、良いんだけど」


「ただ、俺が孤児院を出る前に次の世代に技術を残さないとって話だよ」


「うーん、このー」



 俺の相談ベースの雑談を聞いて、ネネが心配そうな表情でそう尋ねてきた。まぁ俺が止めると地図担当が居なくなるからネネは困るよなぁ。うんうんと頷いていると、ザンムが「違う、そうじゃない」と言いたげな顔でこっちを見てくる。


 なんだ、歌でも歌いたいのか? レンツェル神父とピッグスが今年も合唱会をやるって張り切ってるからそっちの手伝いしたら良いんじゃないか?


 あ、そうだった。ピッグスに用事があるんだったわ。あいつ声がやたらと良いから、語り部として仕込みたいんだった。



「かたりべって何? もしかしてうちを呼んだ理由?」


「ザンムもだけどな。演劇をよく見るネネといつも孤児院でやってるお話を聞いてるザンムに出来栄えを見てほしかったんだ」



 首をかしげるネネにそう答えて、自作の枠組みの中にウラシマタロの絵を描いた画用紙を入れていく。モモタロさんはこの前話したし、今回は浦島太郎の反応を見てみよう。いやぁ、久しぶりにやるなぁ紙芝居は。大学卒業した後、どうしてもつきたかった仕事に就けずに就職浪人になって、やけくそで手書きの平絵を持って歌舞伎町で紙芝居してたんだよな。意外にウケて数か月それで飯食えたのは良い自信になったよ。結局孤独死したけど。


 肩、首と胸に背中と喉に近い部位のストレッチを行い喉の筋肉をほぐし、声の調子を引き上げる。すぅっと息を吐き、そして吸い込む。リズムよく呼吸音を刻みながら、俺は木枠に手を添えた。



「むかーしむかし、あるところにウラシマタロという屈強な若者がおりまして――」






「玉手箱を開けると、箱の中からもくもくと煙が沸き起こる。その煙を受けたウラシマタロの全身は緑色に変色し、腹筋は6つに割れ、背中の骨が変形して硬い甲羅が出来上がった。そう、彼は亡き戦友、カーメの助けによりファイティングマッスルタートルとなって生き永らえたのだ。母なる海の力を宿したファイティングマッスルタートルの力により、滅ぼされたウラシマタロの故郷は海賊たちの血で覆われる。全てを終えたウラシマタロは浜辺に簡素な墓を建て、海へと還っていった。ここに海と共に生きた戦士の戦いは幕を閉じるのであった………であった………た………(セルフエコー)」


「う、うう……復讐を果たせたのね。でも、もうウラシマタロには誰も……!」


「かなしいなぁ……」



 物悲しい俺の声音によって紡がれた海の戦士・ウラシマタロの復讐譚は、ネネとザンムの心をクリティカルヒットしたようだ。モモタロさんはもうバリバリ強い主人公の最強チートものだからウケは良かったけど、ウラシマタロはバリバリ暗いお話だ。元になった浦島太郎もバッドエンドっぽい終わり方だし終始シリアスなテンションで作ったお話なんだけど、この二人。特に演劇をよく見ているネネの反応が良いって事は、サニムにはちょっと暗めの話しでも受け入れられる土壌があると判断できる。これは今後なにかお話をするときのバリエーションに幅を持たせることが出来そうだ。


 さて、次はもっと単純明快な貴種流離譚、金太郎……じゃなくてキンタロだ。とある大国の王族のお手付きによって生まれたキンタロは母を父に合わせるために近隣の山の主、巨大な熊を叩きのめして乗騎とし、近隣の騎士たちをその武威で従え王国全州連合を発足。全国制覇の大暴走を行い王都へ向かって疾走し、道行く先々の騎士たちを従えて数万余りの軍勢をひた走らせついには王都へたどり着くというストーリーだ。その後どうなるのかはまた次の話しで、という形で紙芝居特有の引きも出来るし、これの反応が良いようならレイラさんに売り込むのもありかな。


 あ、ピッグスに語り部の練習させてレイラさんの前で演らせてみるか。あいつも来年からは孤児院を出て芸能ギルドに所属するんだから、今のうちに一芸身につけさせておけば生活に困る事もないだろう。なんだかんだであいつのお陰で孤児院の空気が明るくなる事も多かったし、このくらいの土産は渡してやりたいからね。


タロゥ(6歳・普人種男) 


生力26 (26.0)

信力94 (94.9)UP

知力25 (25.0)

腕力31 (31.0)

速さ26 (26.0)

器用26  (26.0)

魅力26 (26.0)

幸運18  (18.0)

体力30 (30.0)


技能

市民 レベル3 (100/100)ー

商人 レベル3 (31/100)

狩人 レベル3 (75/100)

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル2 (33/100)

薬師  レベル1 (92/100)

我流剣士 レベル2 (79/100)

木こり レベル2 (30/100)

楽士 レベル1 (80/100)

教師 レベル1 (27/100)

パチン・コ流戦闘術 レベル2 (45/100)

テイマー レベル0 (20/100)

絵師 レベル2 (32/100)UP

語り部(紙芝居) レベル4 (3/100)UP


スキル

夢想具現 レベル2 (44/100)UP

直感 レベル2  (50/100)

格闘術 レベル1  (23/100)

剣術 レベル3  (6/100)

弓術 レベル1  (98/100)

小剣術 レベル1 (98/100)

暗器術 レベル1 (98/100)

斧術  レベル0 (45/100)

フォークダンス レベル5(35/100)

フォークマスター  レベル0 (35/100)

念話 レベル0 (20/100)

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