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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第46話 覇道・モモタロ伝説

神聖歴579年 冬の中月 20日



 約2か月の準備期間を経て、ついにサニム公立劇場待望の新舞台、『覇道・モモタロ伝説』が始まった。芸能ギルドが全力でプッシュしたこの舞台は寒さも厳しい季節だというのに瞬く間に町中の評判となり、初日は当然のように満員御礼。上流階級の間では熾烈なチケット争いが行われており、社交界では見た事がある者とない者でヒエラルキーの差が出来るほどの大流行となった。


 当然、この新舞台の仕掛人である芸能ギルド長のレイラ・カルホトラと公立劇場の劇場長、そして主人公モモタロを演じるラドクリフ様の名声はかつてないほどに高まった。高まったのだが。



「ねぇタロゥくん! 次! 次の話が欲しいんだ! 一つだけを延々演じ続けるのも芸がないじゃない!? ね!?」


「ね!? じゃないです」


「分かった! 今回の報酬も含めて金貨5枚出しちゃう! 原作者って事でタロゥくんを紹介するしロゼッタちゃんが言っていた後ろ盾にもなる! ザンムくんが言ってた妹ちゃんに話すお話でも良いから! ね!?」


「ね!? じゃないです」



 その現在時の人と呼ばれている人物は、孤児院に押しかけて来て6歳児にしがみつき、駄々っ子のように喚き散らしている。あの、街に行くとき用の良い服なんであんまり汚さないで欲しいんですけども。


 あと、原作者って言われるのはあんまり嬉しくないな。お金を貰えるのは嬉しいけどレイラさんみたいに物語を求めてくる人が増えるのは正直困るんだよね。



「え。もう関係者とかには孤児院のタロゥくんが原作者だって広めてあるけど」


「アンタなんばしよっとか」


「あだだだだだだっ! 痛い! 痛いよタロゥくん! ギブギブ!」



 唐突に爆弾をぶち込んできたレイラさんのこめかみに両拳を置いて、ギリギリと力を籠めるとレイラさんが悲鳴を上げて助けを乞うてくる。が、駄目。レイラさんレベルの人にはもちろん護衛の人もお着きの人も居るんだが、その人たちからも視線だけで「やれ!」とか「もっとだ!」という熱いメッセージが送られているからね。


 護衛の人にまでってこの人は他所でもどんだけやらかしてるんだろうな。ウメボシ喰らうのも自業自得って奴だろう。という訳でもうちょっと強くいきますねー。





 多分、囲い込みなんだろうな。レイラさんなりの。


 昼間の醜態を思い浮かべて斧を振るっていると、頭がすぅっと澄み渡りクリアな気分で体を動かす事が出来るようになる。ここ数日、伐採を行っているとこの状態になる事がよくあるのだ。


 コーケン師範代に聞いてみると、これは一種の集中状態。戦闘中や鍛錬中に時折起きるもので、この状態の時には普段では気付かないほど詳細に自身の身体の動きや周囲の流れ的なものを全身で感じ取れるようになる、らしい。


 前世でスポーツをしていた時にゾーンとかそういうのを聞いた事があったが、もしかしたらこれがそうなのかもしれない。両手のマメを潰しながら斧を振るってるから、そりゃ脳内麻薬もドバドバ出るわな。駆け巡るエンドルフィン?が普段以上の集中力をもたらしているのだろう。知らんけど。


 カーン、カーンとリズミカルに音を立てて斧を振るっていると、どこに刃を立てれば良いのかとか、自分の身体の使い方とか、斧の振り方なんてものを急速に理解していくのを感じる。あ、今多分ステータスのどれかが上がった。後で確認するけど、多分力か器用が上がったろうな。自分の成長がいきなり体に反映されるのはこの世界特有の面白さかもしれない。


 次だな。


 斧を振るっている内に、あ、そろそろだな、という感覚も分かってきた。次に斧を振るったら、今伐採している木は音を立てて倒れるだろう。こいつには合計で8度斧を振るった。次は7度を目指そう。


 カーン、と斧が音を立てると、予想通りに木が倒れていく。さて、次に行こうかと斧を担ごうとすると、背後から伸びてきた手が斧を抑えた。



「ストップだ、タロゥ」



 その声と共に、集中状態が解除されるのを感じる。斧を抑えているのはコーケン師範代だった。



「呼びかけたが反応が無かった。また入ったのか?」


「あ、すみません。はい、入りました」



 俺の答えにコーケン師範代はうん、と嬉しそうな表情で頷いた。入った、というのは集中状態の事だ。パチン・コ流ではこの集中状態の事を「入る」と表現している。詳しく聞いた時には自分の中に入るとかなんとか言われたけど、その辺は良く分からなかった。


 この「入る」、がパチン・コ流ではある種の基礎技術らしく、普段から俺が行ってる多大な負荷をかけた上での型稽古なんかもこの「入る」ための準備みたいなものらしい。あれで基礎身体能力を磨いて、更に過負荷をかけることで「入り」やすくするのがあの稽古なんだとか。パチン・コ流で一人前と呼ばれるにはこれを自在に引き出せるようにならなければいけないらしく、コーケン師範代曰く俺はすでに片足をそこにかけているそうだ。


 いや、俺まだ型稽古しかやってないんだけどね? その状態で一人前って言われてもその。困る。



「まぁ、最初のうちはそう感じるだろうけどね。自信を持ちなさいタロゥ。お前は入門する前よりもずぅっと強くなってるよ」


「はぁ……そうなんですかね?」



 コーケン師範代は笑顔で太鼓判を押してくれるが、俺としては半信半疑と言わざるを得ない。重りつけてずっとポーズ取ってるだけだしな。これが試合とかで切磋琢磨出来るんなら実感も湧くんだろうけど、ポーズだけじゃなぁ。


 そんな俺の内心を読み取ったのか。コーケン師範代は「ふむ」と考えるように口元に手を当てて。



「まぁ。そろそろ頃合いだろうしね。やってみるかい。実戦」



 明日の献立を考えるかのような軽さで、そう口にした。

タロゥ(6歳・普人種男) 


生力26 (26.0)UP

信力92 (92.8)UP

知力25 (25.0)

腕力31 (31.0)UP

速さ25 (25.0)

器用26  (26.0)UP

魅力26 (26.0)UP

幸運15  (15.0)

体力30 (30.0)UP


技能

市民 レベル3 (99/100)UP

商人 レベル3 (29/100)UP

狩人 レベル3 (60/100)

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル2 (30/100)

薬師  レベル1 (69/100)

我流剣士 レベル2 (76/100)UP

木こり レベル2 (26/100)UP

楽士 レベル1 (80/100)

教師 レベル1 (25/100)UP

パチン・コ流戦闘術 レベル2 (43/100)UP

語り部 レベル0 (20/100)UP



スキル

夢想具現 レベル2 (31/100)UP

直感 レベル2  (30/100)UP

格闘術 レベル1  (27/100)UP

剣術 レベル3  (3/100)UP

弓術 レベル1  (93/100)UP

小剣術 レベル1 (93/100)UP

暗器術 レベル1 (93/100)UP

斧術  レベル0 (38/100)UP

フォークダンス レベル5(33/100)UP

フォークマスター  レベル0 (33/100)UP

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