12話 魔法というもの その4
みんな大好き空間魔法
作「では、引き続き魔法についてです。よろしくお願いします。匿名希望さん」
女「よろしく」
作「今回は空間魔法ということですが」
女「そう。空間に関する魔法。マジックバックやアイテムボックスなども空間魔法を使用しているという設定になっている」
作「転生チートのお供、アイテムボックスですねー」
女「ただ、あれもちょっとおかしいけど」
作「ん? おかしいのですか?」
女「一応、あれは異次元空間に空間魔法でつなげることでそこからアイテムの取り出しや収納を行うということになっている。その異次元空間の時間が停止した世界と仮定するなら中にいれたアイテムの劣化などがなくなるという設定になっている。ここでちょっとおかしいと言っているのは、アイテムボックスの開け閉めの時点で空間魔法が使われていなければいけないということ」
作「あー、異次元空間そのものはどこか別の次元に存在しているから維持する必要はないけど、そこへつながる際には魔法を使っていなければいけないってことですか」
女「解決策としてはアイテムボックスそのものに魔力が溜められており、開け閉めの際に使用しているとした場合。でもこの場合でも魔力の充てん作業が必要になる」
作「魔力なしで当たり前に使っていますからねぇ」
女「また、必要なものを出したい場合は引き寄せるような魔法も使っているはず。サイキックのような」
作「必要なアイテムだけ引き寄せられるようになっているんですね」
女「そして、この設定だと生きていると入れられないなど制限は基本的にないはず。もし制限をかけているとなるとアイテムボックス側で制限をかけていることになる。そうなると収納魔法というものだと生きたものだろうが入ることになる」
作「魔法に制限をつけなければできちゃいますね。異次元への移動ですし」
女「マジックバックやアイテムボックスで規模の大きいほど価値が高いという設定をよく見かけるが、これは道具側で繋げる異次元の規模と場所が決まっているということになる。ただ収納魔法の場合、繋がる異次元のサイズなどあらかじめ決めなければいくらでも入ることになる。つまり無限に等しく入る。異次元自体のサイズが無限なら」
作「異次元自体規模の大小いっぱいありますからね」
女「というわけで、敵を収納魔法で異次元へ飛ばせばどんな敵でもおk」
作「なにそのチート」
女「相手も空間魔法が使えれば戻ってくるので意味ないけどね」
作「そりゃそうでしょう」
女「他に空間魔法といえば転移がある」
作「おお、異世界転移もそうなりますね」
女「それは世界をまたぐ大規模な転移になる。空間転移の場合、同じ次元で違った座標へ瞬間移動ということになる」
作「超能力でいうテレポート、SFで言うワープですね」
女「ただ、これは理屈が確立されていない。そもそもどうすれば空間を転移できるのか不明だ」
作「えー? あれはかなり便利扱いされているんですが」
女「ただ転送なら一応理屈が立つ。転送の場合はゲートで入り口と出口をあらかじめ設定しておき、そこを移動するということになる。決まった座標を空間魔法で繋げるという理屈がたつ。ただどうやったら瞬時に移動することができるのかはわからない」
作「あれもかなり便利なんですが」
女「便利で使いやすいといっても理屈が通っているとは限らない」
作「そんなこといったら異世界転移が全部不明になってしまうんですが」
女「あれは異世界へ魂だけ飛ばしていると考えれば一応は可能と考えられる。そしてそちら側に器となる素体がありそっちへ乗り移ることで転移となる。肉体の転移ではなく魂の転移」
作「あれ? それじゃ、転移者はみんな死んでいることに……」
女「戻るときに同じ時間軸の平行世界へ戻るとなれば問題ない」
作「あー。魂がなくなっても肉体はある状態になるからですか」
女「こじつけのような理屈をつければという話。転生のほうは死んでからの話なので問題なし」
作「なんだかオカルトっぽい話になってきましたね」
女「どうこじつけようが基本的に現実じゃ起こりえないことを扱っているから、ご都合主義になっても仕方ない。オカルトになるのもしょうがない」
作「ご都合主義ですか。まぁ、魔法自体オカルトですしね」
女「そのあたりはいくら言っても仕方ない。できるものとして扱わないとそもそもの前提が全部覆る。ファンタジーじゃなくなる」
作「世知辛いですねぇ」
女「そもそもファンタジーを扱う時点でフィクション。諦めること。さて、魔法だけど後は結界も空間魔法に分類されるね」
作「空間に維持するわけですから、たしかにそうですね」
女「よく休憩時に使われるが。あれも理屈は不明」
作「あれもですか!」
女「センサーとして感知する程度なら可能ではあるけど、そもそも空間に作用させるという点では空間魔法はすべて理屈が通らない。それでも無理やり理屈をつけるとすれば魔力を通して障壁を作っているということになる」
作「空間魔法すべて便利なんですが理屈が通らないんですか」
女「魔力障壁に物理的な壁となる性質へ変換させていると仮定すれば一応は防御にはなる」
作「属性魔法のときのように性質を変換ですね」
女「面で維持という意味から魔力効率が悪すぎるね。膨大な魔力がただ維持に使われる」
作「バリア―はみんなの夢なのに」
女「そういう意味だと、大規模なもので人数や道具を使うなら一応は可能ではある」
作「町全体を囲う結界とかもよくお話にでてきますね」
女「魔道具があれば魔力を通すだけで可能になるからね」
作「あれ? 魔法よりも魔道具のほうがもしかして便利……?」
女「そうだよ? 魔法だとあやふやなことが魔道具だとほぼ説明がつけられる。魔法の指向性が示せるから」
作「魔法使いが魔法を否定しないでくださいw」
女「ふう。流石に疲れた。とりあえず魔法はいったん中止して、次回は別の人に回す。回復魔法とかね」
作「4回にわたってお話してきましたからね。ありがとうございました。お疲れ様です」
女「おつかれー」
魔法使いさんがまさかの魔法を否定して魔道具肯定論。
いや、理屈として魔力さえ通せば決まった動作をする魔道具のほうが説明がつくのはわかりますけどね。
それにしても便利で普通に使われているものがみんな理屈が不明とか。
ファンタジーはまったくファンタジーですね。
この話は独断と偏見でできています。
当然のことながらこの物語はフィクションです。
次回は回復魔法