プロローグ
朔太郎と申します。ご愛読感謝!楽しんでください。
「いやータンスの角に頭ぶつけるって頭悪いっすねー。」
目の前の女性にそっけなく言われる。
「こんな死に方、300年ぶりですよ。」
目の前の女…女神はあたかも短い時のように告げる。
「いや、生き返れませんか…?」
「無理っすね。」
俺…佐藤英雄は死んだ。しかもタンスの角という最も身近な凶器で。
生前はサラリーマンをしていた。必死にできることをした。努力だってした。だが、結果はこうだ。
「佐藤英雄31歳。独身。女性経験なし。おまけにブラック企業づとめ…とことん運がないですね。それともバカですか?」
「うわ…上司の口臭いって最悪ですね。ここだけは共感できますよ。私の上司も酷いにおいしますもん。」
「死に方も寝ている間にタンスの角にぶつけてって…もうちょっとマシな人生送れなかったんすか?」
「いや…死んだ後に言われましても…」
なぜこの状況になっているかというと、数分前に女神から呼び出されたからだ。女神が言うには、転生先を決める重要なもの…らしい。
「うーん…空いているのは、Gとアリかあ…どっちがいいです?」
今、来世はいい人生ではないことが確定した。
「その2つしかないんですか…?」
「そっすね。あ!アリクイってのも…」
「いや虫から離れてくださいよ…」
この人、顔だけ見たら綺麗なのに…結構酷いなあ…。
その時、女神の手元に紙が現れる。
「ん?連絡事項?」
その紙を開き、女神は読み始める。すると、何かに驚いたように紙を凝視する。
「え…本当に…?ただの普通の人間に…?」
「どうかしたんですか?」
女神は俺の呼びかけにはっとすると、こほんと咳払いしてから言い始める。
「えぇ…おめでとうございます。人間になれるそうです。」
「本当ですか!?」
「ええ。こんなことは初めてで…。」
どうやら最悪の運命にはならなかったらしい。
「ですが…一つだけ注意事項が…」
「え?注意事項?」
何か嫌な予感がする。こういう時に限って俺はハズレくじを引きやすい。
「…あなたは、地球ではない他の世界に行ってもらいます。」
「へ?別の世界…?」
「ええ。そこで先生になってもらいます。大丈夫ですよ。もちろん先生にはなれるよう手配はしますので…」
「いやいや!待ってください。なんで俺が先生に?別に勉強できない訳ではないですけど…」
「知りませんよ。上からの指示です。まあ何とかなりますよ。…想像してるものとは違うだろうし。」
「いや最後の一文!?」
「まあめんどくさいんであとは自分で頑張ってください。ああ、あと顔とか、年齢は別に変わらないんで。」
「ちょ…!こっちはまだ聞きたいことが…!」
その瞬間、瞼が重くなり視界がぼやけていく。
「先生になればきっとどうにかなりますよ。」
視界が真っ暗になる。意識も遠のいていく…。
次の人生は…マシになれるのか。いい生活…いや、普通の生活ができるのだろうか。ろくなことにならない気がするが…まあやってみよう。前世ではできなかったように。
〜その後の一幕〜
※権力図は神様→女神→天使です。
女神「あー疲れた。これで数年は休みが取れる〜。」
天使(女神の部下)「いいんですか?何も説明しなくて」
女神「いいのよ。ああいう奴はなんだかんだ生き残るし」
天使「ずいぶん知ったような口ですね。」
女神「ま、昔に似たやつがいたしね〜。」
天使「でも一つ問題が…」
女神「え?何?」
天使「…ばりばり神様(女神の上司)に聞かれてましたけど」
女神「あ。」




