前へ目次 次へ 7/94 ひとりぼっち‐7‐ 「……」 鏡太郎と小雪の話は途切れた。二人の間合いには沈黙が横たわった。鏡太郎は話を広げるのが下手なのだ。そしてそれは、小雪も同じようだ。話を転がせない二人では、これくらいが限界だった。お話をする点である意味では不幸であったのは、鏡太郎が沈黙を必ずしも“重い”としないことだ。鏡太郎は沈黙を楽しめる男だ。鏡太郎が見る世界は、ちょっとだけ他の人とは違う。それによるズレをださない為にも、口数が多くならないのだ。