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まえにいっぽ‐12‐
「ケーテルにメールが着いてますよ。見たほうが良いです。何故なら『私が送ったメール』のはずですから」
「直接話せば済むだろうに……」
「予習というヤツです。次の情報を渡すために、今回のように会うということはできませんから」
「どうしてだ」
「女の秘密です」
「秘密主義者め……だ。」
小雪はインターホンを押し、ウェイトレスと呼んだ。注文したのはタラコスパゲッティ大盛り一つ。注文ついでに会計も済ませていた。
「君は食べて帰ってください」
「小雪さんは食べないのか?」
「私はけっこうです。これで帰りますし。鏡太郎さんはゆっくり食べていってください。スパゲッティは私の奢りです。これで、いつかの杏子酒の代金を払っておきます。奢られてください」




