前へ目次 次へ 63/94 まえにいっぽ‐11‐ 「何故、とは? 質問の意味がわかりません」 「小雪さんのこの一件での考えが、あまりにも謎すぎる。突然に現れて、突然に仲介しようとする……意味がわからない。怪しいんだ、小雪さんは」 「そういうことでしたか」 物静かな店内で、椅子を引く音がよく響く。魚顔の客が用事を終わらせたらしい。御会計を済ませていた。 「愉しいですから」 ──テロリン! 音。ケーテルのデータメール着信の知らせだ。確認はしなかった。鏡太郎は今、小雪と話している最中だ。