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ひとりぼっち‐5‐
鏡太郎はどのグループにも入れなかったからこそ、やはり『彼女』の存在が不安だった。この同窓会の空気に馴染めていないのは、鏡太郎だけではなかった。三つ編みおさげに大きな眼鏡を基本に、妙に田舎者の雰囲気を醸す彼女だ。場違いだと思う心が強いのか、体はどこまでも小さく縮こまり、ーー『背中の四枚の羽根』も同様に丸まってしまった。フェアリーと言えば妖精の姿だ。
顔をあげ、チラリとその妖精へと目を滑らせた。気になったのだ。この妖精がどこにも混じれずに居心地が悪いのではないか。鏡太郎は今の自分の状況を棚にあげて話しかけた。