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わからないきずかない‐7‐

くすり、と椛の唇が引き上がる。……そんな気がした。彼女は無貌の仮面を張っている、鏡太郎の目にはだが。


「……鏡太郎」

「何だ?」

「何も聴かずに一晩、ここに泊めてくれ」

「かまわない。だが濡れたスーツや下着はどうするんだ」

「来る途中にコインランドリーを見つけた。放り込む」

「……スーツだぞ……?」

「かまやしないさ」


狼が首をもたげていた。椛の無貌の仮面は、まっすぐと鏡太郎を見据えていた。しかし下の狼群れらは、部屋が気になるのか首を伸ばす。頭を低く、見知らぬものを嗅ぐ。少し緊張があり、居心地の悪さを感じた。

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