前へ目次 次へ 33/94 またたきのあいだ‐16‐ 〈よろしければお電話ください〉 電話番号、そしてどこかのメールアドレスが書かれていた。達筆な字、たぶん筆ペンだ。恋に脈アリと考えて良いのだろうか、とこの手紙の意図に鏡太郎は悩む。だが鏡太郎もまた男なのだ。目の前でスカートがチラつけば見てしまうし、下心もあったりなかったりだ。迷いながら迷いのない手つきで、ケーテル──携帯TEL──に椛の電話番号とメールアドレスを登録した。登録名はビオランテウルフ。意味は特にない。 「あっ」 そこで鏡太郎は気がついた。